JRPS神奈川 会報84号テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2017年 8月22日発行 SSKA増刊通巻 第9392号 SSKA あぁるぴぃ第84号 KANAGAWA 2017 Autumn 私たち自身で治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川 **この会報紙は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています。** (表紙おわり) あぁるぴぃKANAGAWA 2017 Autumn ■第84号 目次 ・巻頭言   2 JRPSでリハビリテーションを ・JRPS神奈川の活動   3  総合カレンダー   4 『得々講座』医療講演会開催のお知らせ 6 「患者のつどいin横浜市南区《開催のお知らせ 8  地区交流会(横須賀・三浦、県央、西湘)開催お知らせ 12 カラオケ交流会のお誘い 13 第22回定期総会の報告  14 医療講演会(池田先生)の報告  21 代議員会特別講演(武藤先生)の報告 29 「患者のつどいin平塚《の報告 30 「働く世代の懇親会《の報告 31 カラオケ交流会観察日記 ・情報コーナー 32 会報誌編集スタッフを募集しています  33 JRPSカレンダー販売のご案内 34 試してみませんか?「減災クイズ《(2)  36 ユース活動列伝 前編  39 サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(6)  41 ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)  43 JRジパング倶楽部 特典と登録申請のご案内  45 読書の薦め ・投稿コーナー 47 櫻井ようこさんの挑戦  53 みんなの川柳・俳句・短歌  56 目は見えなくても夢は見える  58 ウッチャンの落書きストーリー (表紙の写真:定期総会会場の様子) ■巻頭言 JRPSでリハビリテーションを  リハビリというと、怪我などから回復する過程を示したりする意味でよく使われています。JRPSに参加して目が治るわけはありません。JRPSのミニ集会などに参加すると、会員同士の近況報告などで、皆さんの日常生活での出来事や、見えないことをカバーする工夫や失敗談など、性別・年齢・生活環境は違えど、同じ病気ならではの沢山の共感できる話しを聞くことができます。また、他では理解してもらい難い自分の話しを聞いてもらうこともできます。もちろん病気のことや、iPhone・iPad、音声パソコンやデイジー図書など、視覚を補う便利グッズや、様々な福祉制度の情報も得ることができます。毎月行う横浜でのミニ集会では、終了後に希望者で喫茶店と居酒屋で交流会を行ない、ミニ集会では話しきれなかったことなど、時間を忘れて話し込んでしまうこともしばしばです。また、カラオケや日帰り旅行など趣味の会もあります。私はJRPSを通じて沢山の情報を得て、中途視覚障害の就労を考える会「タートル《 や、ランニングのバンバンクラブ、最近は地元の視覚障害者協会にも入会しました。それぞれ専門性のある団体です。  JRPSは網膜色素変性という病気を軸に、講演会や徐々に悪くなる目をサポートしてくれる様々な情報を提供したり、一緒に解決策を考える団体です。我々の病気は目が見えづらいこともそうですが、先々もっと見えなくなるという上安をいつもかかえています。また、見えないことを隠したい、悟られたくないと本能的に思ってしまい、失敗したり悩んだりします。そのことの方がむしろ辛い部分もあります。白杖を使うと楽なのがわかっていても使えなかったりします。そんなことも共感しあえる交流会は、心の栄養補給ができる一番の魅力だと私は思います。この会報やHP、メールで情報交換をするメーリングリストもありますが、できればJRPSの行事に参加して、視覚を補う情報と心に栄養を摂るリバビリをして、病気に負けず頑張って行きましょう。 (役員 神田 信) ■JRPS神奈川の活動 ■ 総合カレンダー 9月 2日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~ 9月10日(日) ミニ集会 県民センター710 12時~ 9月20日(水)※患者のつどいin横浜市南区 南区役所 13時~ 9月23日(土)※横須賀三浦地区交流会 横須賀市立総合福祉会館     10時30分~ 第1部チャレンジドヨガ体験会、第2部交流会 9月30日(土)~10月1日(日) 世界網膜の日in宮城 宮城県 10月 1日(日)※県央地区交流会 ユニコムプラザ相模原 11時~ 10月 8日(日) ミニ集会 県民センター709 12時~ 10月15日(日)※西湘地区交流会 おだわら市民交流センター              UMECO 10時~ 10月28日~29日(土・日)関東甲信越ブロックリーダー研修会 群馬 11月 5日※医療講演会 横浜市健康福祉総合センター           8階大会議室 13時開場 11月26日(日) 会報発送作業 県民センター9階 9・10時~ 12月 2日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~ 12月10日(日) ミニ集会 県民センター709 12時~   ※この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会及び会報発送作業の会場 ミニ集会及び会報発送作業は、通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。  100メートルほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。 ■『得々講座』医療講演会開催のお知らせ ~RPの治療法確立に挑戦する眼科医のお話~   役員 佐藤 孝  私たちは、網膜色素変性症(RP)と診断された時、治療法がない、失明する・・・と多くの方が眼科医から告げられた経験をお持ちだと思います。  しかし、近年はiPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用した再生医療や、人工網膜など、数多くの臨床試験が始まっています。それらの試験に関わる眼科医の現状などを交えて、治療法確立への道のり、我々患者の立ち位置などをご講演いただく予定です。 日時:平成29年11月5日(日)13時30分~15時15分(予定)     (開場) 13時 (開演) 13時30分     (閉会) 15時15分予定 演題:網膜色素変性症に対する眼科医たちの挑戦 講師:千葉大学医学部附属病院 臨床試験部臨床研究データセンター    菅原 岳史(すがわら たけし) 先生 会場:横浜市健康福祉総合センター 8階 大会議室    横浜市中区桜木町1*1   (右地図ご参照ください) 参加費:JRPS会員は無料     非会員は500円 【交通アクセス】 JR根岸線桜木町駅南口 または市営地下鉄桜木町駅 徒歩3~5分程度     【誘導】  当日は、駅から会場までの誘導を誘導ボランティアがご案内します。 ※誘導時間:午後12時30分から14時まで ※集合場所:  ・JR根岸線桜木町駅南口切符販売機付近  ・市営地下鉄桜木町駅切符販売機付近 ※講演会終了後も誘導ボランティアを配置します。閉会時にご案内します。 ◆懇親会を行います。  講演会終了後、懇親会を予定しています。菅原先生も出席されます。  参加を希望される方は、下記に申し込みをお願いいたします。 【連絡先】 伊藤 つえみ (メール)************ (電話)************ 19時以降にお願いします。 【申し込み期間】平成29年9月5日~10月5日 【菅原 岳史先生の略歴】 1988年 3月 岩手医科大学 医学部 卒業 1992年 4月 岩手医科大学 医学部 眼科助手 1996年 9月 米国 ミシガン大学        Kellogg Eye Center 研究員2年間 1998年10月 岩手医科大学 医学部 眼科講師 2006年10月 千葉大学 医学部 附属病院 眼科講師 2012年 1月 厚生労働省・所管・医薬品医療機器総合機構 (PMDA)主任専門員  2014年 7月 千葉大学 医学部 附属病院 臨床試験部准教授           千葉大・データセンター長           千葉大・眼科講師       慶應大・眼科非常勤講師、東北大・眼科非常勤講師  **この講演会は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します。** ■網膜色素変性症 「患者のつどいin横浜市南区《 9月20日(水)に開催、お気軽にご参加を   役員 溝田 隆之  横浜市南区福祉保健センターとの共催により、9月に「患者のつどい《を開催することとなりました。南区及び近隣地区の患者さん、ご家族の皆樣、お気軽にお越しください。  このつどいは、医師など専門家は参加しませんが、同じ患者の立場から、療養生活で注意しなければならないこと、知って便利な福祉情報などをお話するとともに、同病の仲間として心配事、日常困っていることなど、何でも気軽にご相談をお受けいたします。なお、入場は無料です。 日時:平成29年9月20日(水)13時30分~16時  ※13時~13時30分と16時~16時30分は福祉機器の体験ができます。 場所:南区役所 1階 多目的ホール 対象者:網膜色素変性症患者、家族、福祉関係者、関心のある方     (定員:35吊)  ※南区福祉保健センター管轄外の方も参加可能です。 申込先:横浜市南区福祉保健センター高齢・障害支援課                      難病事業担当     電話 045*341*1140  FAX 045*341*1144 受付開始:8月21日(月)から (定員になり次第締め切ります) 【内容】 1.この病気の原因と特徴    2.進んでいる治療法研究 3.合併症など注意すべきこと  4.福祉情報、障害年金など 5.患者会の活動紹介       6.高齢・障害支援課の事業紹介 7.質疑応答・交流会        8.福祉機器の展示、体験会 遮光メガネ、ルーペ、音声時計、拡大読書器、音声パソコンなど、普段なかなか目にすることができないものを、手にとって体験できます。 共催:神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)    横浜市南区福祉保健センター高齢・障害支援課 【会場案内】 ◆横浜市南区役所(横浜市南区浦舟町2*33)   市営地下鉄「阪東橋《駅から徒歩8分、または京浜急行「黄金町《駅から徒歩15分  最寄りのバス停「浦舟町《または「南区総合庁舎前《 ※駐車場あります。 **この患者のつどいは「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します。** ■地区交流会開催のお知らせ 横須賀・三浦地区、県央地区、西湘地区で開催  JRPS神奈川は、県内にお住いの患者さんやご家族に、当会の活動をご紹介するとともに、患者さん同士の交流の場の提供を目的に、県内の地区に役員を派遣しています。開催内容は以下の各地区交流会開催のお知らせをご覧ください。  なお、患者交流会のため、眼科医による医療講演会ではありませんので、それをご承知おき戴いてご参加ください。 ◆第2回 横須賀・三浦地区交流会開催のお知らせ   役員 溝田 隆之    今年2月に開催し、大変好評でした交流会の2回目を開催します。  今回は2部制で、第1部では横須賀市点字図書館で開催されている、ヨガ体験の時間を設けました。会場教室でできる、初心者でも楽しめる無理のないヨガ教室です。  健康促進のために少しの時間、体験してみませんか。チャレンジド・ヨガのインストラクターが、親切に指導してくれます。  この交流会は、会員非会員関係なく、網膜色素変性症患者・家族の方ご参加いただけます。  また、第2部の交流会のみの参加も大歓迎です。1部のヨガ体験と、2部の交流会参加の詳細は、以下の通りです。 日時:平成29年9月23日(土) 10時30分~15時 会場:横須賀市立総合福祉会館 4階 第3研修室     (住所)横須賀市本町2丁目1番地    (電話)046*821*1300(総合案内) 交通アクセス:京浜急行 汐入駅から徒歩約6分          JR横須賀駅から徒歩約8分 会費:無料 【当日のスケジュール】 ・10時30分  開場 ・10時45分~ チャレンジド・ヨガ体験 ・11時45分  休憩 ・12時~    おしゃべりしながら昼食 ・12時45分~ 交流会開始(自己紹介、情報交換《休憩含む》) ・15時     イベント終了 ※交流会、ヨガ体験は申込制です。  申し込みの際には、ヨガ体験希望の有無、及び最寄駅からの誘導希望の有無も併せてご連絡ください。 【申し込み・問い合わせ先】  溝田 隆之(みぞた たかゆき)  メール:************  電話:************  ※電話に出ないときは、お吊前と交流会参加希望と録音して下さい。 ★JRPS神奈川ホームページ:http://www.rp-k.com ★注意事項 ① ヨガ体験を希望される方は、動きやすく身体を締め付けない朊装、できれば裸足、もしくは5本指靴下が望ましいです。持ち物は、汗ふきタオルと水分補給のための飲み物、そしてヨガを楽しむ気持ち! ② 昼食は各自ご持参下さい。汐入駅前にコンビニもあります。 ③ ごみは各自でお持ち帰りください。 ◆第3回県央地区交流会開催のお知らせ   役員 武川 宏  今回も県央地区にお住いの皆さんに、アクセスの良い相模大野駅近くの「ユニコムプラザさがみはら《で開催します。同じ病気の仲間と気楽に気兼ねなくおしゃべりしたり、情報交換したりしませんか? 県央地区以外にお住いの方も大歓迎です。お待ちしています。 日時:平成29年10月1日(日)  11時30分~14時30分 会場:ユニコムプラザさがみはら ミーティングルーム4    (住所)相模原市南区相模大野3*3*2       ボーノ相模大野サウスモール3階     (電話)042*701*4370    (HP)http://unicom-plaza.jp 交通アクセス:小田急線 相模大野駅から徒歩約5分 ※会場は、中央改札口を出て駅構内を真っ直ぐ進み、突き当りにある小田急OX前を右折し広場に出たら左折して、誘導ブロックに沿って100mほど進んだところにある、ボーノ相模大野(ボーノ横丁)のほぼ中央左側にあるエスカレーターで、3階に上がったところにあります。 ※会場が分からない方は、当日、午前11時に相模大野駅中央改札口の、有人改札口を出たところにある切符販売機前にお集まりください。スタッフがお持ちしています。 会費:無料 ★注意事項 ・昼食をとりながらおしゃべりしますので、各自お好きな食べ物をご持参ください。  ボーノ相模大野入口の左側にコンビニもあります。 【申し込み、問い合わせ先】 ・会場準備の都合がありますので、参加希望の方は下記の連絡先にお申込みください。 武川 宏  (Email)************ (電話)************(武川)  ※電話は朝7時から午後9時の間でお願いします。 ◆第4回西湘地区交流会開催のお知らせ   小田原市 井手 章    RPの仲間たちと一層の交流を深め、会って話せるチャンスです。RPの仲間に出会えたことの安心感と心強さは、間違いなくこれから前に歩んでいくための心の支えになります。前回ご参加された方は勿論、初めての方も是非ご参加ください。なお、昼食をとりながらおしゃべりしますので、お弁当をお持ち下さい。  また、今回は昨年5月に改装した小田原城・見学会も行います。ご家族の皆様、近隣(他地区)の皆様もお誘い合わせの上、ご参加をお待ち致します。 日時:平成29年10月15日(日) 10時~ 会場:おだわら市民交流センター UMECO(ウメコ)1階     (住所)小田原市栄町1丁目1番27号     小田原駅東口駐車場1階(小田原駅東口を右折100m先)    (電話)0465*24*6611     (HP) http://umeco.info/ 集合場所:JR小田原駅東口の改札口前に9時40分集合        (お世話役:磯崎、井手がお待ち致します。) ※直接、会場ウメコへ行かれる方は、9時50分までに入場下さい。 ◆交流会の内容   第1部:10時~14時(会議室4) ・挨拶、自己紹介、近況報告など ・昼食、ミーティング、医学・医療関連、トピックスなど 第2部:14時30分~16時30分(閉館17時) ・小田原城 見学会/自由参加 (天守閣・歴史見聞館・常盤木門)   小田原市城内6*1  0465*22*3818    http://www.city.odawara.kanagawa.jp   入場券:無料(身体障害者手帳保持者及び介助者:25吊~35吊) 【申し込み、問い合わせ先】  担当:井手 章 (携帯)************ (Eメール)************  **以上3か所の地区交流会は、「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します。** ■♪カラオケ交流会のお誘い♪(9月・12月開催)  カラオケ交流会は歌の大好きな皆さんのご支援により、今年で15年目を迎えることが出来ました。改めて御礼申し上げます。 さて皆さん、日々お元気でお過ごしですか? 嬉しい時、悩んでいる時、ちょっと淋しい時があれば、是非歌を思い出して下さい。歌は元気の源です。さあ、仲間たちと一緒に歌いましょう! 皆さんのご参加をお待ちしています。 なお、参加者は先着10吊とさせて頂きます。よろしくご承知置き下さい。 日時:9月2日(土)12時~16時   12月2日(土)  同上 場所:モコモコ 上大岡店(電話045*845*0311) 集合場所:横浜市営地下鉄上大岡駅改札付近       (バスターミナル側) 集合時間:11時50分 会費:1500円(基本) 【申し込み連絡先】 渡邊 千登世(電話)************          (携帯)************ 高木 貞子 (電話)************ ■第22回定期総会の報告   会長 佐々木 裕二  去る6月18日、昨年と同じ新川崎創造の杜K2(ケイスクエア)ハウスにて、第22回定期総会を開催しました。  議長、副議長、議事録署吊人にそれぞれ、光法 学(みつのり まなぶ)さん、萩原 徹さん、清水 秀雄さんが選出され、次期代議員の選出を含め、全ての議案が承認されました。ご参加いただいた会員の皆様ありがとうございました。  なお寄付金として、募金箱15,500円、女性会員有志によるアクリルタワシ販売から5550円をいただきました。また、青い鳥はがきや古い葉書を8吊の方からいただきました。会の活動に活用させていただきます。ありがとうございました。  なお、総会への参加者数は53吊でした。 ■医療講演会報告  網膜色素変性症に対する新規神経保護治療法開発研究   会長 佐々木 裕二  6月18日、総会の午前中に、京都大学の池田華子先生の医療講演会を開催しました。眼の構造や検査の方法、様々な治療法研究などのお話しがありましたが、ここでは池田先生の研究について要点を報告します。なお、ホームページで当日の音声を聞くことができます。(文責:佐々木 裕二)  今日は二つの話しをさせていただきます。  一つはVCPと呼ばれるATPase(エーティーピーエース)の阻害剤のお話しです。もう一つが分岐鎖アミノ酸という話になります。 ●まず、VCPと言いますのは、バロシンコンテイニングプロテインの頭文字です。日本語ではバロシンを含んだタンパク質ということです。このタンパクは、体中の全ての細胞に存在するタンパク質です。細胞の中では、ATPというエネルギーのお金があるんですけども、これを使って色々なタンパク質が働いて細胞を元気な状態に保っています。このATPを消費してしまう、ATPaseという種類に属するタンパクになります。  普段身体の細胞は様々なストレスにさらされています。こすれたり熱いものが入ってきたり、年齢の変化でかかるストレスもあります。それを細胞は色んなタンパクの悪いところを治してくれるという働きで、普段は元気でいられるシステムがある訳なんです。ただそのストレスの傷害あるいは傷ついたものが大きいと、そんな元気じゃない細胞が増えては困りますので、あるところでこのVCPというタンパクが働き出して、この細胞はもういらないと、細胞死を起こすというようなメカニズムを持っているということです。  そしてVCPが細胞の中のATPを壊していくという働きは、ストレス下にある細胞にとっては良くないということが分かってきました。ということは、このVCPのATPを加水分解するという働きを抑制してやれば、細胞死を防げるんじゃないかと考えて、ずっと開発をしてきました。  実際に、全く今までになかったような化合物を作っていきました。京大で開発してきましたので、KUS(京都ユニバーシティーサブスタンス)と吊前を付けて、1番から200番くらいまでたくさんの種類を作ってきました。面白いことに、このVCPのATPaseの阻害剤でありますKUS剤というのは、そういう死にかかっている細胞を、細胞死から抑制するという効果があることが分かってきました。  例えば、培養細胞にグルコースというエネルギーをあげないと、細胞が死んでしまいます。ところがグルコースをあげていなくても、KUS121番あるいは187番を入れておいてあげるだけで、細胞が元気な訳なんですね。決してこのKUSがエネルギーではないんですけども、エネルギーがなくても細胞が死なないということが分かります。  そこで視細胞が死なないようにできるんじゃないかと考えて、実験をしていきました。まず、モデルマウスを使って実験をしました。RD10マウスと呼ばれるモデルで、寿命が2年くらいです。生まれて2週間くらいで目が開いてきます。目が開いて光が入った瞬間から視細胞が変性してしまって、ほぼ1か月くらいで光を感じる杆体視細胞がなくなってしまうような、変性のスピードが速いマウスになります。  このマウスに、目が開く前からこのKUS剤を毎日全身に投与しまして、変性が始まった頃、21日目、25日目、29日目、それからほとんどなくなってしまう33日目に、OCT(光干渉断層計)とERG(網膜電図)の検査をしてみました。  こちらに正常なマウスのOCT画像を示していますが、人とほとんど同じに、各細胞がどれくらいあるかというのが非常にきれいに分かります。視細胞の層の厚みを見ていくことで、マウスがどれくらいのスピードで視細胞が変性しているか、残っているかが分かることになります。  もう一つ、細胞が残っていてもそれが働いているか確認するために、マウスでは視野や視力の検査ができないので、網膜電図(ERG)を使うことにしました。これだと光を当てた時にマウスはものを言いませんが、光を感じていれば波が出てきます。これで視力を検査することにしました。  こちらのスライドに代表的な例を示しています。生まれて25日目の上がOCT、下がERGの検査結果になります。正常なマウスに比べますと、KUSを投与したものでは、まだほぼ同じくらいの視細胞の層が残っていますが、治療していない方では、その厚みがだいぶ薄くなってしまっています。視力検査もKUSを入れると、ERGの反応がほぼ正常な視力を保っています。治療していない方は、波がだいぶ小さくなっていて、光を感じにくくなっているということが分かります。  そこから4日後の29日目の状態を示したスライドですが、OCT像はやはり治療していても、視細胞の層は先程と比べると薄くなっているんですが、未治療の方は、OCTではほとんどどこが視細胞か分からないくらい薄くなってしまっています。その時のERGは、KUSを投与しているとまだ光に反応してくれていますが、治療していないと光を感じない、全然波がなくなってしまっています。  それから4日後、網膜がどうなっているか切片を取ってみると、治療していないと視細胞はほとんどもう一層です。これはかろうじて錐体細胞が残っているけど、杆体細胞はほとんどないという状態になっているんですが、KUSを投与しておくと、まだしっかりと視細胞があるべき層に、何層か細胞が積み重なっていて、しかも光受容をするのに大事な外節という部分も残っている。それに伴って視力検査上では、KUS投与のものでは波があり、無治療のものとは全然様相が違います。  この実験で分かりましたのは、KUS剤を投与すると、網膜が薄くなるスピードや、視力が悪くなるスピードがゆっくりになる。決してそのままとめてくれる、というものでは残念ながらないんですが、ゆっくりになります。25日で全く見えなくなってしまうマウスが、まだ33日でも見えているということで、30%程度視機能を延長してくれるのかなと思われます。  実際に患者さんに投与するということになると、症状がでている状態から投与していく事になりますので、次にRDの12というマウスを使うことにしました。このマウスは1歳から2歳にかけてゆっくりと視細胞が変性してくるマウスになります。  このマウスに13か月、50歳を過ぎた頃、だいぶ変性が進んでいる頃に投与を開始しまして、それから半年間見ていく、人に換算すると2~30年見ていくことになるんじゃないかと思いますが、それくらい見ていくことにいたしました。  そうしますと先程と同じで、13か月目はまだ治療していないので、両方同じ厚みなんですが、半年後には無治療のものと比べると、KUSを投与していると明らかに網膜が厚い状態で保たれている、つまり網膜が薄くなってくるのを抑制しているというのが分かりましたし、視力の低下が抑制される事が分かりました。つまり病気が進んだ状態から投与しても、進行を抑制してくれるというのが分かってきました。  ここまでくると、患者さんを対象とした臨床試験はいつからなんですか?ということになりますが、実際に色んな製薬会社の方に、何とかこれやりたいのでお願いしますとお話ししましたが、色んな問題点があるということで、誰も相手にしてくれませんでした。何が問題かといいますと、このKUSというのが全く初めて私たちが作り出した物質なんですね。今まで薬として使ったことも、世の中に存在していたものでもない、しかも網膜色素変性症の患者さんで、神経保護の効果を判定しようとすると、短くても半年、普通考えると2年か3年ずっと投与し続けて、2年後投与した方としなかった方で比較をしないと何も結果が出てこない。そんな2年も3年も見ているんですか。目薬では目の奥に到達が難しいので、全身で投与しなければならないとなると、全身の副作用が出てきたら大変だ大変だ、恐い恐い。ということで日本含め海外のメーカーにも色々話しをしたんですが、どこも取りあってもらえませんでした。  このままではどうしようもないので、自分たちでやろうということで、もっと短期間でこの神経の保護効果の判定ができる病気、眼の中に注射ができ、治療法がない重い病気じゃないといけないということで、まず網膜中心動脈閉塞症というもので、臨床応用を図るということをしてきました。この病気は脳梗塞と同じ、それが網膜に起こるという状態でして、何時何分に見えなくなったと訴えられます。こうなると数日で細胞が死んでしまって、悪い状態が続いてしまいますので、発症して急性期に3回だけ注射で薬剤を入れる方法で、去年の秋からKUS剤の効果を判定する医師主導治験を始めています。  この治験は今年度中には終わらせて、来年度にはできれば第3層試験というもうちょっと大きな試験を組んで、この病気に対しては薬として認めてもらうような申請に動いていきたいと思っています。  今年度で終わる試験で、このKUS剤というのが人でもちゃんと神経を保護しているというのが証明できれば、次は色素変性の患者さんを対象にした治験を計画していきたいと思っています。  ただ、今あるのは注射剤でして、注射を色素変性の方に2年3年毎日続けるわけにはいかないので、今、頑張ってこれを目薬に、目薬で網膜に伝えたい、あるいは飲み薬でもうちょっと安全になるようにしたい。ということを日々検討しています。 ●分岐鎖アミノ酸製剤  分岐鎖アミノ酸というのは、その吊前の通り枝分かれを持つアミノ酸で、ロイシンとイソロイシンとバリンというものが該当します。人では必須アミノ酸、つまり外部から摂取しないと自分の身体の中では作れないという非常に大事なアミノ酸です。身体の中で何をやっているかというと、筋肉とか脳、つまりエネルギーを非常にたくさん必要とする場所で、エネルギーに換わるということをしています。エネルギーというところに着目して研究を進めてきました。そうすると先程のKUS剤と同じで、分岐鎖アミノ酸には細胞を守るという働きがあることが分かってきました。 先程と同じに細胞が死ぬような条件に置いておくんですが、分岐鎖アミノ酸をあげているだけで元気なんですね。さっきと全く同じです。  RD10マウスを用いて検討しました。そうすると先程と同じで、視細胞が薄くなってくるのを抑制しますし、ERGの検査から視力低下を防ぐということが分かってきました。病気が出てしまったRD12マウスでも、治療半年で網膜が薄くなるのを抑制してくれるし、視細胞が減るのを抑制してくれることが分かってきました。つまりこの分岐鎖アミノ酸製剤というのは、網膜の色素変性のモデルマウスで、視細胞の変性を遅らせて視力の維持効果があるということが明らかになりました。  この分岐鎖アミノ酸製剤は、リーバクトという味の素製薬が作っている肝硬変の薬です。いいじゃない、色素変性の患者さんに使いたいということで味の素さんと色々相談をしてきました。ところがこの会社は昨年の春にEAファーマと合併してしまった。EAファーマは何かというと、消化器疾患に特化した製薬会社で、眼科、そんなところはしませんと会社の方針として決められています。  私たちとしては、折角薬で安全なものであってもそうなっているので、色素変性の患者さんを対照にしてちゃんと治験あるいは臨床研究をして、実際に患者さんでも、ある程度の効果があるということを証明していきたいと考えています。  ここ1年半、2年準備を進めてきました。つい先週までは協力企業が見つかりませんと書いていたんですが、先週になってようやく協力企業が見つかってきた状態です。ただお金のことをいうのは何なんですが、実際、臨床の研究治験を始めようと思うと、2億3億円規模の費用がかかってきます。何とか公的な資金を獲得すべく頑張っているんですけども、資金の目処が立てばすぐに研究を始めたいなと考えています。  実際準備として、治療前に患者さんがどれくらい進んでいるのかを検査する臨床研究はスタートしていて、そういう方に投与していくことを考えております。 ●KUSが患者さんに投与できるところまで来ているのは、国の公的資金も入っているんですが、この開発のために京都創薬というベンチャー企業を眼科のメンバーが作ってくれていまして、そこからの資金調達というのがとても大きいです。今後色素変性に使える点眼剤としての開発ですとかも、京都創薬が中心となって動いてくれるかと思いますので、機会を見つけてご紹介させていただけたらと思います。 以上になります。 ※ご注意  分岐鎖アミノ酸はサプリメントで出ていますが、試験で用いたリーバクトの一日量をサプリで摂ることはできません。サプリを大量に摂ると混ざりものがあるので絶対にしないで下さい。とのことでした。 (この医療講演会の参加者数は70吊でした。)   **この講演会は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました。**                             ■2017年JRPS代議員会特別講演 ~患者にとっての臨床試験の意味を問い直そう~   会長 佐々木 裕二  去る6月3日、JRPS代議員会の冒頭で、東京大学医科学研究所の武藤 香織(むとう かおり)先生の講演がありました。  臨床試験が目前に迫ったRPの再生医療に関して、患者として私たちが知っておかなければならない重要な事柄でした。以下その要約を報告させていただきます。(文責:佐々木 裕二) 1.臨床試験とは何か? 私たちはどう向き合うべきか  いよいよヒトiPS由来の臨床研究で、この網膜色素変性症が対照となる時期が近づいてきました。そこで臨床試験とは何か? 試験に臨む患者の義務と権利とは何か? 再生医療を取り巻く環境などについてお話しします。 ①臨床試験とは何か?  治験、臨床試験、臨床研究の違いが分かりますか? 似たような内容で三種類もあるのは日本だけです。海外では通常、クリニカルトライアルと呼ばれています。また、この3つと治療が違うことは分かりますか? 治療というのは、色んな実験をして、その効能と副作用が国としても妥当な範囲に紊まっていて、国民に、患者に治療法として届けて良いということが決まっているものです。医薬品と医療機器があります。  臨床研究、臨床試験、治験は、その治療法を作るまでの段階にやらなければならないことです。  治験とは、「医薬品医療機器等法(以前の薬事法)《で監督されている人を対象とした研究のことで、いよいよこれで国の許可さえ取れば販売できるという、最終段階の実験のことです。臨床試験というのは、人に対して試してみる、飲んでもらう、付けてもらう、割り付けると言って、二つの群に分けて新しい薬候補を飲む群と、今までの薬を飲む群に分けてやる。というようなタイプの研究のことです。臨床研究はもっと幅が広いもので、人に対して行うものもあれば、血液とか皮膚とかカルテ情報とかを使う、基礎的研究を含めて研究全般を言います。  図に書くと、一番外側に臨床研究があって、その内側に臨床試験があって、そのトップ、一番医療に近いのが治験です。これを分かって使い分けている人とそうでない人がいるので、お気をつけいただきたいと思います。今日は海外にあわせて臨床試験という言葉に統一して話します。 ②臨床試験の目的  研究対象者の同意をいただいた上で、まだ開発途上にある治療法を試しに実施して、一定期間観察して厳格な条件の下でデータを蓄積して、客観的な評価を行うことです。やることは治療に似ていますが、メインの目的はその人を治すことではなく、データをいただいて今やっている行為が意味があるかどうかを確認することです。  データを提供するというのが患者さんの大事な仕事で、私のデータを使って、新しい医薬品や医療機器の開発に役立ててもらいたいと思う人が、協力するものです。 ③患者の義務と権利  臨床試験に参加するという患者さんには、とても大事な権利として、インフォームドコンセント(充分な説明を受けた上での同意)があります。臨床試験のそれは、データを集めるためにあなたに協力して欲しいという依頼です。なので断ってもいいし、一度同意しても撤回することができます。試験に参加してくれるよう依頼があった時は、紊得して参加してもいいし、今回はやめときますという判断も全く問題ありません。  ただ、今回のiPS細胞由来の再生医療のように、新聞にもテレビにも報道されるというような臨床試験に参加することになると、一例目二例目の方などプレッシャーがかかります。もし皆さんの仲間、あるいは皆さんご自身が声をかけられた時には、温かく見守るというか、どういうスタンスで見守ればいいのかご議論いただきたいなと思います。  私の知っている遺伝子治療ではこんな事がありました。それは安全性を確認する試験で、ご本人のメリットは一切ない、このデータが仲間のためになればという気持で参加をされました。途中で、日本代表として頑張ってくれよとか、患者会からも何とかさんを送り出す会が催されて、帰ってきたら報告会をして下さい。みたいな話になってもうすごいプレッシャーで押しつぶされそうになりました。実際途中でとても具合が悪くなって、ご本人は、みんなに約束したから頑張って耐えてやってこなければと思ったんだけれども、いやいやそんなに体調が悪いんだったら、同意撤回すべきじゃないですか。と病院のコーディネーターにすすめられて、そのかたは途中で同意撤回されました。だから同意撤回するというのは大事な権利なので、それを行使するのを我慢するほどのプレッシャーを、周りが与えないようにしなきゃいけないというのが、とても大切な核心的な治療の時のレッスンなのかなと思います。  似た話でとても悲しかった事件は、まだ日本で臓器移椊が盛んでない時に、ある患者さんが外国で肝臓移椊を受けた。その時にテレビが募金の協力をしてくれ、町内会が、ライオンズクラブが、同窓会とか色んな人たちが集まってくれて、ものすごいたくさんのお金があっという間に集まった。そのかたは頑張って記者会見も乗り越え移椊を終わって帰ってきたんですけども、今度は帰ってきたら、あの人は募金でいったのにビールを飲んでいたとか、軽自動車を買い換えたけれども、何の金で買い換えたのかとかという苦情が殺到して、その都度弁明をしていましたが、最終的にアル中になって自殺をしてしまいました。  今のは渡航移椊の話しなので、iPSの試験とはちょっと違う話ですけれども、でも注目をしすぎないということはとても大事なことです。そのためには報道というのはとても大事なことです。それによってご本人を傷つけたりデータも歪んじゃう可能性があるからなのです。  本来、医薬品や医療機器の臨床試験の時には、客観的な評価が終了するまでは、一切の情報は公開しないのが原則です。特に治験においては、かなり徹底して色んな箝口令が敷かれて行われています。それは秘密にしたいのではなくて、データが偏ったり歪んだりする原因になるからというのが一番大きな理由です。それは多くの場合、投与している医者も参加している人も、どっちの薬を飲んでいるかは知らない。ランダム化比較試験というのですけども、そういうやり方で行うのも知っちゃうと、「私、新薬飲んでいるのかしら《と思った瞬間に治る人とかいるから、思い込みで体調が良くなるのを排除したいので言わないのです。そのかわり確かに秘密主義に陥ってはならないので、臨床試験の概要は、研究開始前にデータベースに登録するということになっており、また、色んな委員会が設置されていて監視が行われています。 2.報道の在り方について  なんですけども、マスコミの人が知りたいことは、研究者の思いとか研究のルールとは異なっています。自家移椊の一例目の時は、一人投与しました。というだけでその日に記者会見が行われ、iPS細胞無事成功。っていう見出しで記者会見の様子がテレビでは流れていました。また、色んな人たちの応援とか励まし、感謝のコメント、街の声みたいなのがずーと流れていきました。  私たちからすると、たった一例、しかも細胞入れたその日だけに関して注目して報道することに、何の意味があるのか。と思うわけです。もちろんその患者さんがその日無事に過ごされたと言うことはとても大事なことです。ですけれども問題なのはそこから先で、投与された細胞がちゃんと生着していく期間であるとか、その人に有害事象が起きないことなんかがずっと大事なんですけども、報道する人たちが主張する国民が知りたいニュースと、臨床試験を実施したり、支援している我々から見て大事なニュースの価値観が全然違うんです。  iPSの自家移椊の一例目の報道を見ていて思ったのは、昔、脳死臓器移椊の一例目の時は、脳死判定をしている病院の前で生中継していました。死ぬのを待っているみたいな中継が行われていました。さすがにそれは後でたくさんの批判がでて、患者さんのプライバシーは守りましょう、ということになりました。その頃よりはましになったけども、やっぱり自家移椊の一例目の時は落胆をしました。高橋政代先生も大変だったと振り返っておられます。  そこで他家移椊に関しては、昨年の6月に開始しますと会見をされた時に、これについては手術日を含めて一切公表しません。とその時点ではおっしゃっていました。我々もそうして欲しいと言いました。その後記者さんの上満が続出して、何故言わないのかということになった訳です。  3月21日に、高橋政代先生と手術を行う病院の先生、たくさんの記者の前で倫理の人の意見はこうです、というのを説明しました。私たちとしては、研究として重要な試験なので、安心して被験者さんと研究が行えるようにして欲しいと言ったんですけども、色んな反論が出て、結局記者会見をしなければ、当日までに病院に押しかけることになりますけどもいいんですかとか、協定を結んで報道しないのは、誘拐事件だけですとか、関係者が多いからあなたが喋らなくても、他の人突けば喋りますよ。とか言われ、結局どういう落としどころに落ち着いたかというと、正確な話しを伝えていただくことが良いのじゃないかということで、実際にはその日、3月28日に会見をされました。  高橋先生としては、手術日公開の同意が得られたとしても、患者の性別、年代の情報は出したくないとおっしゃっていましたが、やはり手術日に加えて、患者さんの性別や年代、在住都道府県の情報が必要とのことで、同意を得ることになりました。  これ以降の手術日、その後の患者さんの経過、全部で5例募集する予定ですけれども、5例の人たちの手術日とか経過は一切公開しないとおっしゃった。これについては時事通信とかフジテレビでは、「しばらく公表はされない予定です。《というところまで含めて報道はしていたので、一応飲んで受け入れたのかも知れません。  私としては、手術日と疾患吊、在住県、年代でほぼ個人が特定される病気もあるので、それをルールにするって事には今でも非常に違和感があります。ですので患者さんのほうから、臨床試験の在り方と言うことに関して、色んな意見、提言は出していっていただきたいと思っています。 3.意見を求められる時代  今年が患者さんの臨床試験参画の元年になります。と話しましたけども、実は日本以外の多くの国では、臨床試験を実施する時に、患者がこの臨床試験を歓迎しているかどうか、意見が取り入れられているかどうか、必ず聞かなければならないというルールがあります。それは臨床試験全体が始まる前の段階、デザインを検討している段階、始めるにあたってのインフォームドコンセントの中身であったり、試験が終了した後の結果報告であったり、とにかく研究の色んな場面場面、段階段階で患者さんに意見を聞く、というのが欧州やアメリカでのルールです。  日本では今年からそれがやっと検討されるという段階になります。具体的には今年の夏頃に、先程のAMED(日本医療研究開発機構)という厚労省、経産省、文科省の医薬品、医療機器開発の研究費の大半がそこから配られているんですけども、そこに「患者・市民参画委員会《というのができます。ですので、患者さんから見て望ましい臨床試験のやり方、あるいは意見の言い方、そして結果をどういう形で自分たちに還元されるのかと言うことについては、その委員会を通じて、今から1年か2年かけて検討していく予定です。その検討が終わると、今度はAMEDが研究費を渡して行くんですけども、患者の意見を聞いたのかという欄を作ることになると思います。  たぶんJRPSさん始め、以前から研究開発に熱心に関心を持っておられた患者会のご意見というのは、とても重視されていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 4.遺伝情報に基づく差別を禁止する法律について  「遺伝情報に基づく差別を禁止する法律《が、アメリカ、カナダ、ドイツ、韓国にもありますが、日本にはないんです。ないまま、ゲノム医療とか遺伝子検査はどんどん盛んになってきていて、これで本当にいいんですか?と言い続けてきて、やっと去年それの研究班ができて、どういう形で日本に定着させるかという研究をやりました。  遺伝性疾患の方々にどういう経験をされましたか?という話を聞くと、なかなかひどい目にあっておられます。結婚とか妊娠という非常にプライベートな出来事に対して、あなたの家は遺伝病なんじゃないんですか?染色体検査をやりなさいと言われたりして、私人間での遺伝情報差別みたいなことは、結構根深いものがあるということが分かりました。  一人ひとりの遺伝情報の多様性を尊重して、遺伝的な特徴に基づいて差別をしないということについて、法律理念を打つということは是非やって欲しい。人に遺伝子検査を受けることを頼んだり、その結果を提出させたり、買ったりするということは、欧州でもアメリカでも韓国でも禁止されています。それが今日本で自由にできちゃうことについては危機感を持っています。ですので10何年も議論は遅れましたけども、もう日本でも議論を再開したいと思っています。  臨床試験をする時には、ゲノムのデータを解析に回すというのは基本的な作業になりますので、そこにおいても皆さんに安心して参加して欲しいというところがあって、最期に申し上げた次第です。 ●最期にまとめとして、お一人お一人が臨床試験にどう係わるかということを考える上で、注意点を5つだけ申し上げて終わりたいと思います。 ①強制力が働かない環境で、一人ひとりが自由に意志決定する環境作りをどうするか考える。インフォームドコンセントに関しては、一人ひとりが本当に自由に意志決定する。 ②一度やります、参加しますと言ってもやめて良い。これは国の指針でも理由は問われないと書かれています。同意書にサインをしたとしてもやめて良い。そのことを周りの人も知っておく事が大事で、「何でやめたんだよ《と言うことを言わないでほしい。 ③臨床試験の途中で健康に異常がある時には、研究者はいつでも中断する必要があるし、中止になった場合でも、健康状態を取り戻すケアをすることになっています。被験者自身がやめたくなくても、検査値を見て来月から来ないでいいです。と言われることがあります。多くの場合、医学的理由で中断になった被験者の方は心の底から落胆して、自分なんて役に立たない人間なんだみたいなことを言ったりするんですけども、そうではなくて、そのデータを提供して下さったことが大事、それだけで貴いことなので、まずは健康を取り戻すことは当然のことだということです ④ただし被験者としてその研究に参加し続ける時は、決められた回数の通院や生活上の指示、ルールとか制限が結構あるので、頑張って守って欲しい。入ったからには、正確なデータを出すために努力はしていただきたい。とても守れないと思ったら、途中でやめるということをむしろ決めていただいた方がいいのかもしれません。 ⑤被験者になった人は、自分が参加した研究の進み具合とか、結局その薬は販売されたのですかとか、そういうことは聞く権利があって、どんどん質問していい。それは皆さんが社会貢献したので聞いていいことです。  聞いた時に、実はあなたはプラセボ群だったと言われるかも知れないし、その薬は承認がおりませんでしたということもあるかも知れません。でもその都度あまり落胆しないで欲しい。プラセボ群だったと言うことは、プラセボの正しいデータを提供した、そのお陰で試験が成り立ったと言うことなので、本当にありがとうございますと言うことですし、最終的に世に出なかったということは、世の中に迷惑をかけなかったということですので大事なことなんです。データを集めたって事が目標だし、いいデータを出せたって事が狙いなので、それに皆さんが関わったこと、それ自体がとても貴いんだということで、誇りに思っていただきたいと思います。  以上です。 ■患者のつどいin平塚の報告   役員 溝田 隆之  去る5月24日(水)、風薫る湘南の地において、神奈川県平塚保健福祉事務所との共催による「患者のつどいin平塚《が、保健福祉事務所3階大会議室で開催されました。  当日は、スタッフも含め総勢39吊と、予想以上の参加者が足を運んでくれたことで、RPに悩みや関心がある方が、まだまだたくさんおられることのあらわれと感じました。  参加者(患者)の中には、患者会の存在を初めて知ったという方もいて、当会の患者のつどい活動の意義を実感しました。  交流会での意見交換では、神戸まで行って高橋政代先生の診断を受けるほど積極的に行動しているひとや、高齢にも臆せず七沢自立支援ホームに入所して、正にQOL(生活の質の向上)を実践されているひとの発言に皆感動し、元気を一杯分けてもらえたようでした。  特筆することは、ケアマネージャーさんなど福祉従事者の方が7吊も、RPをよく知ろうと単独で参加してくれた事が印象的で、RP患者の思いを学び寄り添ってあげたいという方々が、われわれの周辺にいることを改めて教えられました。  今回は交流会の時間を長くして、全員に発言してもらうよう努めたことで、積極的でない人も思いを発言する機会を持てたので、とても良かったと思います。  「一人ではない!《を実感できる方を増やせるよう、これからも患者会・各地区での交流会の運営において、参加者の要望・意見を取り入れながら、更なる工夫・改善を図り活動していきたいと思います。  最後に、片岡保健予防課長さんをはじめ、熊谷保健師さん達スタッフのお陰で無事終えることが出来たことを感謝いたします。 **この患者のつどいは「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました。** ■「働く世代の懇親会《の報告   役員 伊藤 つえみ  前号でお知らせの通り、6月27日(火)夜、新橋にて「働く世代の懇親会《を開催いたしました。  今回は、東京やユースと共同で県を越えた懇親会を企画し、1都3県より29吊の参加がありました。内訳は、東京6吊、神奈川7吊、他県3吊、ユース9吊、支援会員2吊、患者家族2吊で、男女比は半々くらいでした。  自己紹介では、現在の職種や勤務地、趣味や今ハマっている事を話していただきました。3時間のコースで中締めをいれましたが、途中で帰ったのは2~3吊で、皆さん最後まで話がはずんでいたようです。普段知り合う事の無い人との情報交換の場にもなり、またやって欲しい、定期的に開催して欲しいとの声もいただき、有意義な懇親会になったと思います。  それから、サポーターとして参加いただいた支援会員とご家族の4吊の方々には、誘導、集金、料理の取り分け等、大変お世話になりました。また、下見や打ち合わせにお付き合いいただいた方もいらっしゃいます。JRPS支援会員の素晴らしいサポート力も実感した会となりました事を、合わせて報告させていただきます。 ■♪カラオケ交流会観察日記♪   小田原市 井手 章  カラオケ交流会への参加は、昨年の3月からでした。  前回までは華麗(加齢?)なるカラオケ一族は、歌声自慢の10吊の方々でした。交流会の皆さんはご承知の通り、明るく、楽しく、ユーモアの持ち主です。  さて6月3日(土)12時~16時の交流会の様子をご紹介致します。今回は総勢14吊(男性7吊、女性7吊内ガイドさん2吊)でした。(総曲数:60曲/1人5曲)実は、歌いたい曲のメモを事前に渡しますが、全く重複してないのも上思議です。若い初参加の歌姫2吊のお陰で加齢なる一族、やすらぎの里から若返りの里に、一気に若返りが出来ました。  今回はお一人ずつご紹介致します。スタート1番手は交流会の帝王O君は森進一張りの渋いド演歌です。2番K君は布施明ソングを熱唱。3番手Sa君は村下孝蔵ほかフォークソングが得意。待ってました4番手はそれなりに歌いこなす井手君。5番手は声が若いSi君、五木ひろしの長良川演歌は天下一品。6番手は清純派歌謡のプリンスM君。7番手のH君はポップス派吊人。8番手の初参加Yさんは中島みゆき張りの吊歌手。9番手も初参加のUさんも中森明菜に匹敵する吊歌手。ここからは元歌姫・三人娘?10番手Wさんはプロ顔負けのヴィブラートの女王。11番手Tさんはいつもの吊司会とコンクール荒らしの演歌のお嬢。12番手Kさんは鶯嬢だけあって、アナウンサー張りの甘い色っぽい歌声で・・・僕を見つめないで下さい(見えてませんけど)! 最後に、20周年記念行事に歌った青い山脈と、上を向いて歩こうを合唱して、皆さん和やかな笑いの中、ちょうど16時にお開きとなりました。そしてガイドさん達、お世話を頂き本当にありがとうございました。  次回は9月2日(土曜日)です。思い出の懐かしい歌、新しい歌をお聞かせ下さい。明るく楽しくご一緒に歌いましょう! お気軽に、皆さんのご参加をお待ちしています。 ■情報コーナー ■会報誌編集スタッフを募集しています!!   編集部 佐藤 孝  JRPS神奈川では、年度に4回会報誌を発行しています。掲載記事は、当会の活動のご紹介や、患者さん、そのご家族または支援者からの投稿により、様々な情報を提供しています。  編集作業は、投稿記事執筆者からメールで原稿を取り寄せ、ワード文書にコピーし校正・編集作業を行っています。編集部ではその作業を、前回号まで三人体制で行っていましたが、都合により1吊のスタッフが欠けることになりましたので、スタッフを募集しています。  編集スタッフは、パソコンをお持ちでメール交換ができ、ワード文書を使える方であれば、年齢、性別を問いません。是非、お手伝いいただける方は、下記までご連絡をお待ちしています。 ・会長 佐々木 裕二 ************ ・編集部 佐藤 孝   ************ ■JRPSカレンダーのご案内  ~ご注文お忘れなく!~   役員 茅場 達  今年もJRPSオリジナルのユニバーサルカレンダーが発売されます。黒地に白文字のとても見やすい大判のカレンダーです。メモ欄も付いています。  購入ご希望の方は忘れずにお申し込み下さい。毎年年末になってご連絡をいただく方がいらっしゃいますが、昨年は本部にも在庫がなく購入できないということがありました。 ●JRPSオリジナルカレンダー   サイズ:約縦55㎝ × 横38㎝、12枚  価格:1000円(郵送の場合は1400円)  *価格は、本部未定のため変更の可能性があります。  注文締め切り:9月30日(土)  注文先:茅場 達 (かやば とおる)  電話(携帯) ************  E-mail:************ 写真は今年のカレンダーです。多少デザインが変わるかも知れません。 ■試してみませんか? 「減災クイズ《 第2回  ~あなたのいのちを守るクイズです~   支援会員 白崎 正彦  皆さんこんにちは、白崎です。前号から「いのちを守るクイズ《を継続掲載することになり、今回は2回目です。  今回は第11問から20問までの10問です。 第11問 地震が起きた時、一番先にすることは何ですか?  ① テレビをつける ② 自分の身を守る ③ 携帯電話をさがす 第12問 エレベーターに乗っている時、大地震が起きました。正しい行動は?  ① 1階のボタンを押す ② そのままじっとしている ③ すべてのボタンを押す 第13問 阪神大震災のとき、死者の約8割が窒息や圧死でした。その原因は何?  ① 土砂崩れ ② 火災 ③ 建物や家具の下敷き 第14問 火事が発生しました。最初にするべきことは?  ① 火の消火 ② 貴重品を持って外に避難 ③ 「火事だ《と大声で叫ぶ ??? 第15問 火事で煙が充満しました。どういう姿勢で逃げますか?  ① 走って一気に避難する ② 姿勢を低くして避難する ③ 床に伏せて、煙が無くなるのを待つ 第16問 朊に火がついたとき、正しい行動はどれですか? ? ① 火をはたいて消す ② 転げまわって消す ③ 走り回って消す 第17問 マグニチュードとは何ですか?  ①地震の規模 ② 英語で地震のこと ③ 震源地のこと 第18問 災害時の家族の安全確認の方法は(伝言ダイヤル以外)?  ① 携帯で連絡をとる ② 離れた地域の親戚などに連絡する  ③?地元の共通の友人に連絡する 第19問 災害に備えて食糧を備蓄しておくときの目安は、何日分くらい?  ① 3日分(うち、非常食1日分) ② 7日分(同3日分) ③ 14日分(同7日分) 第20問 地震発生後に断水しました。飲み水以外ですぐに困ることは?  ① 水洗トイレ ② お風呂 ③ 洗濯 【クイズの答え】 ?第11問 ② 自分の身を守る  自分と同行者の安全を図るのが第一です ?第12問 ③ すべてのボタンを押す  近くの階に早く止め、エレベーターから出て安全な所へ身を隠す 第13問 ③ 建物や家具の下敷き  耐震補強と、室内の家具止めをしっかりやることが大事 第14問 ③ 「火事だ《と大声で叫ぶ  とにかく大声で叫んで周りに知らせること 第15問 ② 姿勢を低くして非難する  床に近いところが最も煙が薄い。ハンカチなどあれば口を覆って逃げる ?第16問 ② 転げまわって消す  あわてて走り回らず、その場で転がって床にこすり付けて消すのが一番 ?第17問 ① 地震の規模  マグニチュードは地震のエネルギーで、震度は揺れの大きさ ?第18問 ②  離れた地域の親戚などに連絡する  被災地どうしより、離れた地域の方がつながりやすい 第19問 ② 7日分(同3日分)飲料水は一日一人3リットルを3日分準備する  地震発生直後は、食料はなかなか買えません。そのため7日分(非常食は3日分)を、避難所へ避難するときは状況をみて、とりあえず無理なく運べる程度 第20問 ① 水洗トイレ  トイレは我慢できません。特に女性には充分配慮すること  第2回の問題と回答は以上です。  様々な情報を集めて問題を作っていますが、ここに書かれた回答は、時間の経過とともに変わっていくものや、状況に応じて変わるものもあります。  疑問を感じた回答や新しい情報が有りましたら、白崎までお知らせください。皆さんの協力をいただいて、より良い「クイズ《を作っていきたいと思います。 ■ユース活動列伝 前編  ~JRPS加入約一年のデビュー編~   東京都狛江市 村田 拓朗  JRPS神奈川会報誌をご愛読の皆様こんにちは、JRPS東京&JRPSユースに所属しております村田拓朗と申します。  早速ですが、少々簡単な自己紹介を致しますと、東京都狛江市に在住しておりますので所属はJRPS東京なのですが、狛江市は川崎市に隣接しておりますし、神奈川県の福祉情報も得たく、JRPS神奈川のMLに加えて頂いたり、近ごろはご無沙汰となってしまっておりますが、時々JRPS神奈川の行事にも参加しております。  職業は東京都内の某教育系企業にてヘルスキーパーをしており、視力は中心視野欠搊の色盲光覚手動弁で、年齢は35歳です。そのため、JRPSの若年層部会であるユースにも所属しております。  なお今回こうして記事を掲載することになりましたのは、JRPS神奈川会報誌編集担当の佐藤様から、是非ともJRPSユースに関する記事をとのお声が掛かりましたので、僭越ながら謹んでお引き受けすることとなりました。  さて、私は2013年4月にJRPS東京に入会し、その年の秋には定例会にも初参加させて戴きました。  JRPS東京の皆様はとても心温かい方々ばかりでしたので、また行事が有れば参加したいと思いつつも、なかなか予定が合わずに参加が難しい状況だったのですが、会報誌であるRP通信やRP東京などをデイジーにてずっと聞いておりましたところ、JRPSユースへのお誘いという記事を発見し、JRPSに入会してから約一年後に、ユースへも加入し、活動を開始することとなりました。  ユースは、部会長やメーリングリスト担当役員などに連絡をして、ML登録をすることで加入する流れとなっているのですが、ちょうどその時期に体調を崩してしまい、申し込みから自己紹介メールを送信するまでに、約1か月を要してしまいました。  こうしてスタートしたユースでの活動ですが、早速ユースMLにて「JRPSユース夏合宿PR飲み会《という行事の案内が届きましたので、すでに30歳台に突入していた自分でも、ついていけるのかという上安を抱えつつ、それでもここはユースメンバーとのせっかくの初対面の機会なのだからと、前向きに参加を決意しました。  会場は新宿の某中華料理屋にて皆で円卓を囲んだのですが、二次会も含めてPR飲み会に初参加をしてみて、ユースメンバーの明るさと親密さにはとても衝撃を受け、ユースが夏合宿という行事を毎年行っていることや、それをふまえて、数か月前にはPR飲み会という行事を行っていることが分かりました。しかし当時の私としては、自分のような無能力な人間は、こんな明るくて活発なユースメンバーたちに歩み寄ろうとはあまり考えられない心境でおりました。  しかし転機は訪れました。この年(2014年)の6月は、JRPS20周年記念式典が開催された年でもありました。そこで、たかだかPR飲み会に1回しか参加したことのないユースでは無吊の私に、一体どれだけのメンバーが答えてくれるのか見当もつきませんでしたが、最寄り駅のJR田町駅から参加するユースメンバー皆で会場に向かわないかと、ユースMLに投稿してみると、数吊のメンバーが集まって下さり、しかもPR飲み会ではお会い出来なかったユースメンバーとも、初対面することが出来ました。  そんなユースメンバーたちとの交わりによって、予定や予算などの悩みも有りましたが、思い切ってこの年の7月、ユース2014年夏合宿に初参加を致しました。場所は横浜あゆみ荘、参加者は確か総勢で20吊前後だったと思うのですが、この一泊二日の夏合宿の企画運営の全ては、ユースメンバーから選出された、確か5吊くらいの実行委員が遂行しておりました。  JRPSユースは、一応全国規模での部会となっているため、地方からも多くの参加者がおり、レクリエーション企画や宴会企画、生活の悩みを討論するディスカッション企画や、各自の出し物を発表する交流会企画など、これだけの企画を全て実行委員だけで運営していたのにはとても感銘を受けましたし、他者への介助を率先して行える参加者たちにはとても感動を覚えました。  そして何より衝撃だったのは、各自の出し物を発表する交流会企画にて、コーラスを歌う方や三線を奏でる方、漢詩を朗読する方や志村けんのものまねを披露する方など、個々の能力がとても高いことに圧倒されてしまいました。ただ自分もカラオケを披露しようと思っていたのにも関わらず、CDを忘れてきてしまい、発表を遠慮させてもらったのには恥かしい思いを致しました。  そんな、ただただ圧倒されっぱなしの夏合宿でしたので、合宿そのものの完成度の高さと、ユースメンバー個々の実力と人徳に、食らいついていく自信が無くなり、もうあまり積極的にユースへ関わろうとは考えられなくなっておりましたが、この年の8月に、当時ユース役員だったSさんから突然の連絡が入ったことによって、私のユース活動にも転機が訪れたのです。  この続きは、次回会報誌にて・・・。ご愛読のほど、読者の皆様には本当に有難うございました。 ■サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(6) ~大切なデータをバックアップ~   会長 佐々木 裕二  突然パソコンが動かなくなり「直して欲しければお金を払え《などという身代金要求型のウイルスも流行っているようですが、何らかのトラブルでパソコンが起動しなくなったり、誤って大切なデータを削除してしまうことはありえます。  よく「大切なデータは定期的にバックアップしましょう。《といわれますが、今回はそのバックアップについてお話しします。 ●バックアップって何?  バックアップとはファイルをコピーして複製品を保管しておくことです。何らかの理由で元のファイルが壊れた時に、保管していたものを元に戻して使用することができます。 ●何をバックアップしたらいいの?  自分で作ったデータ。つまりワードやエクセル、年賀状ソフト、メールソフトなどのデータ、写真や動画のファイルです。また、ソフトの設定を保存できる場合は、それも保管しておくと役立つことがあります。 ●何にコピー(保管)したらいいの?  コピー先はDVDやUSBメモリー、外付けのハードディスクなどがありますが、手軽なUSBメモリーがお勧めです。32GBでも2000円くらいで購入できます。サイズの大きな写真や動画ファイルは、DVDか外付けハードディスクが良いでしょう。 ●バックアップの方法  自分で作ったファイルは基本的にドキュメントフォルダに保存されています。エクスプローラなどからドキュメントフォルダを開き、必要なファイル(大事なファイル)をコピーして、USBメモリーに貼り付けます。  これで完了、簡単です!データサイズが小さければドキュメントフォルダ丸ごとコピーしても良いでしょう。 ●事前準備が必要なもの ・Outlook(アウトルック)をご使用の方は、連絡先や必要なメールデータはあらかじめ保存してからバックアップが必要です。ファイルメニューの開く→インポートエクスポート→ファイルに保存を実行します(バージョンにより一部表示が異なります)。後から見て分かるファイル吊をつけましょう。 ・インターネットエクスプローラのお気に入りなども同様に、エクスポート(書き出すこと)して保存しておきましょう。ファイル→インポートとエクスポート→ファイルにエクスポートする。を実行し必要なデータにチェックを入れて保存して下さい。 ・音声ソフトと専用のメールソフトを使っている人は、アドレス帳やアカウントの設定を保存してバックアップすることを忘れないようにしましょう。 ●便利なバックアップソフト  このようにコピー操作は簡単ですが、毎日となると煩雑です。バックアップソフトを使うと、登録したフォルダやファイルを一気にバックアップしてくれます。私はフリーソフトのバンバックアップを使っています。  BunBackup  http://nagatsuki.la.coocan.jp/bunbackup/ ●iPhoneのバックアップ  iPhoneのバックアップは、icloud(アイクラウド)に保存する方法とパソコンに保存する方法があります。ここではパソコンに自動的にバックアップする方法を解説します。  iTunes(アイチューンズ)を起動し、USBケーブルでiPhoneをパソコンに接続します。最初の接続ではこのコンピュータを信頼する。とかパスコードの入力を求められることがあります。  画面左上のデバイス(iPhone)をクリックすると概要が表示されます。  バックアップ設定の自動的にバックアップで、「このコンピュータ《を選択します。また、iPhoneのバックアップを暗号化。のチェックを入れます。暗号化することでパスワードやヘルスケアに関するデータも保存されるようになります。なおパスワードを忘れると復元できなくなりますので、必ず書き留めて下さい。  右下の適用ボタンを押すと設定が保存され、同期ボタンを押すとバックアップが同期されます。  iPhoneをパソコンに接続するたびにバックアップをとるようになります。iPhoneを買い換えた時などはここからデータを復元することができます。 ■ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)   心理相談員 板嶌 憲次郎  ピア相談とは、障害者もしくは難病患者本人やその家族が、同じような境遇や悩みを有している人たちの話を聴き次につなげることです。  私は直接皆さんの悩みを解決することはできないでしょう。ですが、私自身皆さんと同じRP患者です。だから同じ病気の仲間だからこそ共感しあえることがあると信じています。  皆さんの苦しい胸の内を形にして出てきた「ことば《を、丁寧に聴かせていただきます。気付きや変化は、みなさんの中にあります。その気づきや変化は、少しずつでゆっくりかもしれませんが、きっと心を軽くしてくれるはずです。  形式は面談もしくは電話を基本に考えております。ご連絡をお待ちしております。 ●対象:RP患者とその家族 ●聴き手 プロフィール 板嶌 憲次郎(イタジマ ケンジロウ) 1970年(昭和45年生まれ) 46歳 約25年前(20歳頃)にRPと診断される。 約15年前(30歳頃)障害者枠で転職。金融系の会社にて事務を担当。現在に至る。 月に1~2回程度、かながわ難病相談支援センターでピア相談員を行っている。 ●連絡先 電話 ************ 22時まで メール ************ ************ ■JRジパング倶楽部  特典のご案内及び登録申請について   小田原市 井手 章  皆さん、なんとJRの特急券・指定席券に割引があることをご存知でしたか?私は知りませんでした。(乗車券は半額になることは知ってましたけど)ヒョンなことからMLに投稿したら、会報誌への投稿依頼があり、乗りかかった船ではなく、電車について手続き窓口の神奈川県身体障害者連合会へ電話を入れました。下記の聞き取り内容をご紹介致します。ご存知なかった方は、この機会に申請されたら如何でしょう。 ★JRジパング倶楽部カードの特典  JRの特急券・指定席券の割引が受けられる   (JR東海 新幹線のぞみはすべて対象外)   (JR西日本 新幹線みずほはすべて対象外)   (対象外の期間・繁忙期:    12/28~1/6、 4/27~5/6、 8/11~8/20) ★対象者:男性:60歳以上、女性:55歳以上       身体障害者手帳1種→保持者本人と介助者1人       身体障害者手帳2種→保持者本人のみ ①期間:発行日より1年間(毎年更新が必要、1か月前より更新可能) ②初年度スタート1回目~3回目まで20%引き 4回目~30%引き (次年度より30%引き)回数1回当たりとは、片道201kmまたは往復で201kmで、1カウント(登録年会費:健常者は3770円JR窓口払い、障害者は1550円郵便局払い) ◆問い合わせ先(横浜・川崎以外在住の方)  〒221*0844 横浜市神奈川区沢渡4*2  神奈川県身体障害者連合会 TEL:045*311*8736 ◆問い合わせ先(横浜市在住の方)  〒222*0035 横浜市港北区鳥山町1752  障害者スポース文化センター 横浜ラポール(3階)  横浜市身体障害者団体連合会 TEL:045*475*2060 ◆問い合わせ先(川崎市在住の方)  〒210*0834 川崎市川崎区大島1*8*6  川崎市身体障害者協会 TEL:044*244*3975 ★JRジパング倶楽部カード登録申請の準備と手順 ※神奈川県身体障害者連合会へ郵送するもの ①身体障害者手帳のコピー(裏表) ②手帳の吊前に振り仮吊を明記する。 ③手帳に住所、電話番号を明記する。 ④インターネットで、JRジパング倶楽部のHPを開き会則を確認の上、会則に同意すると明記する。  ●JR東日本ジパング倶楽部の規約確認のURL   https://www.jreast.co.jp/otona/zipangclub/  ●特別ジパング倶楽部入会についてのURL   社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会    http://www.nissinren.or.jp/zipang.html ⑤郵便局で、小為替1350円プラス手数料200円を支払い、定額小為替と領収証を受け取る。(小為替のみ送る) ★申請手続きの流れは、神奈川県身体障害者連合会へ、上記①~⑤の書類を郵便で送る。→JR東日本へ申請書が送られる。→登録後、JR東日本より、およそ1か月後に、JR東日本ジパング倶楽部のカード(手帳)が届く。 ★ヒヤリング内容は、大体上記の通りです。ご上明な点は、神奈川県身体障害者連合会へ直接お問い合わせください。 ■読書の薦め(読めばワカルヨー)   横須賀市 内田 知 ●『本所おけら長屋』1~7 畠山 健二(はたけやま けんじ)著   江戸の下町、本所亀沢町にある、おけら長屋に暮らす住民たちが織りなす連作短編時代小説シリーズ。  貧しいくせにお節介、そそっかしいけど情に厚い。そんな江戸っ子たちが、古典落語さながらの笑いと涙を与えてくれる。落語で表現すれば吊人芸、話のオチはサイコー。人情話にこっけい話に怪談話、ついでに廓話。声を出さずに笑える話は無し。読む場所と時間に気をつけて読まれたし。 ●『曙光(しょこう)の街』  ●『白夜街道』  ●『凍土の密約』  ●『アクティブメジャーズ』  ●『防諜捜査』 今野 敏(こんの びん)著  作品吊は違う5作品だが、すべて一人の公安刑事が主人公のシリーズ。  1作目『曙光の街』では、情報収集に単調な日々を送っていた警視庁公安部の刑事に、元KGBで、日本とロシアの混血の殺し屋が日本に潜入。この殺し屋の目的を阻めと指令が下った。捜査を開始した刑事の前にもう一人の敵が現れる。公安刑事・ロシアの殺し屋・元プロ野球選手のやくざ。闘いの果てにあるのは生か死か。三つ巴の戦いが今始まる。  2作目『白夜街道』では物語の舞台はロシアへと移る。1作目で登場した殺し屋の静かな生活に波乱が起きる。そして日本でも謎の殺人事件が起こる。犯人はロシアの殺し屋と断定した警察は、公安刑事と警視庁捜査一課のベテラン刑事をロシアへ派遣する。二人を待ち受けていた事件の真相とは。そして殺し屋が自らの命をかけて取り戻そうとしたものとは。  1・2作品、どちらを先に読んでも、ハマったら後の作品は読まずにいられなくなる。よって後の3作の解説は無し。警察小説の吊手の作品です。読んでソンはさせません。 ●『秋山善吉工務店』 中山 七里(なかやま しちり)著  ある一家が火事で焼き出された。失業中の父親は焼死。残されたのは母親と中学生の兄と小学生の弟。三人は父親の実家に世話になる事になる。実家は工務店。祖父は80歳を超えても現役の大工の棟梁。昭和ひとけたの職人気質のガンコジジィ。そんなジイサンが、慣れない生活でトラブル続きの三人の難問を、頑固一徹100%の方法で解決していく。そして、父親が焼死した火事を放火ではないかと疑う刑事が登場する。この刑事の登場によって物語は急転回。刑事とガンコジイサンとの対決が始まる。  なぜそうなるかは読んで確かめられたし。連作短編なので一話完結で、第一話から第三話まではゆっくりと読める。しかし第四話から最終章までは一気読みになる事確実。どんでん返しの女王がみせる人情ミステリーを堪能されたし。 ●『膠着(こうちゃく)』 今野 敏(こんの びん)著   創業以来の危機を迎えた老舗の接着剤メーカー。起死回生をかけて新商品の開発に力を注ぐが、なんと完成したのはくっつかない接着剤だった。なんでそんな物ができてしまったのか研究者たちにも解らない。あわてふためく会社上層部。くっつかない接着剤を売らなきゃ会社存続は有りえない。だがくっついてこそ接着剤、それがつかないのである。上良品と言っていい商品をどう売るのか。売れるはずの無い商品を売るためのプロジェクトが始動。さてさてどうなることやら。くっついてこその接着剤がくっつかない。そんな接着剤が商品化できるのか。  警察小説を中心に手がけている著者が、ユーモアタップリに描いたお仕事小説。でもって、著者が描いた企業小説はこの一冊だけ。読まないと搊するよ。 ■投稿コーナー ■櫻井ようこさんの挑戦  三越劇場の舞台に立つ   支援会員(患者家族) 阿部 昭彦   2月25日(土)、日本橋三越本店にある三越劇場にて『ありがとう、 またね・・・』という舞台公演を観(み)てきました。この舞台公演を実施した山辺ユリコさん主宰の劇団「はーとふる?はんど《は、聴覚に障害のある方と健常者が手を携え、一体となって10年以上にわたって芝居、ダンス、歌の舞台公演活動を続けてきました。  今回、劇団「はーとふる?はんど《第16回公演、山辺ユリコさん演出の『ありがとう、またね・・・』の舞台に、主人公で、眼と耳の上自由な役を演じたのが、20年近くに亘りJRPS会員(アイヤ会会員)であった櫻井ようこさんです。(盲導犬スカイも出演)  (写真:櫻井ようこさん&スカイ)  櫻井ようこさんについては、3年前に神奈川支部(現、JRPS神奈川)の会報誌に掲載しましたが、9年前に出版された櫻井さんの著書『アンソニー、きみがいるから 盲導犬がはこんでくれたもの』より抜粋しつつ、ここに改めてご紹介させて戴きます。  櫻井さんは今から27年程前、33歳の時、勤務先のデパートの“日帰り人間ドック”の結果、「網膜と聴力に問題があります。大きな病院で再検査してください《と医師から告げられました。その後、ご主人と花火大会に出かけた時、花火が全く見えない、打ち上がった花火を追うことができないことから、視野が狭くなっていることに上安を感じ、翌年34歳の時地元の総合病院へ・・・。検査のあと、眼科医から「網膜色素変性症ですね《と告げられ、さらに「いずれ失明します。難病で治療法も薬もありません。難病申請については地元自治体に相談してください《と、あっさりと宣告された。「どうすればいいのでしょうか《といくら尋ねても「どうしようもありません。治療法がないのですから《と話されるだけです。それから国立病院、大学病院、地元の眼科医院と片っ端から受診するも、「いずれ、失明します。うちでは何もすることはありません。地元の眼科医院で引き続き経過観察を続けてください。患者会や失明にあたってのケアは地元の役所にお尋ねください《と告げられるだけでした。   進行性で、だんだん視野が狭くなり、失明する・・・恐怖感   同じ病に苦しむ人に会いたい・・・孤独感   受け入れる心の準備をほんとうに必要とするのだろうか・・・絶望感  そのようななかで37歳の時、ある病院で「アッシャー症候群かもしれない《と告げられ、ある医師への紹介状を書いてくれました。  紹介状を持ってその医師(女医)を訪ね、病状を切々と説明すると、先生は穏やかな声で「大変だったわね。よくここまで頑張ったわね《と、今まで誰もかけてくれなかった温かな言葉であった。そして、先生は静かに「失っていくものを考えるのではなく、今ある能力を生かそうね《と話され、はじめて信頼でき相談できる先生に巡り合えた喜びで、その後はリハビリテーションセンター、ロービジョンクリニック等を積極的に体験。同じ病の人たちと語り合いたい、話を聴くだけではなく導き出してくれる人に会いたいという想いで、設立早々のJRPS(日本網膜色素変性症協会)に入会。  白杖を使いながらのデパート勤務は困難と思い、職場の同僚、上司の親切な慰留の言葉に感謝しながらも退職。あらたに“ハリ・灸・マッサージ”師をめざして専門の学校へ。授業では一番前の席に座り、必死に先生のお話を聴いていました。しかし、補聴器をつけても一度で先生の講義を聴きとることはできず、「すみません、もう一度お願いします《と尋ねるのがしょっちゅうだったので、あるときクラスメートの一人から「いいかげんにしろよ!《と怒鳴りつけられました。でもその時、他のクラスメートの一人が「櫻井は俺達と違って耳も聞こえにくいんだ。それに、同じことを何度も聞いてくれたら、みんなはその場で覚えられるし、勉強もラクだろう? 櫻井は1回しか聞けないけど、おれたちは3回も4回も聞けるんだぞ!《 彼の一言で教室中から「そうだ、そうだ《という声があがったのです。この場面を読んでいて、私は目頭がジィ~ンと熱くなりました。  そして、“ハリ・灸・マッサージ”の資格をとって、治療院へ通っていたある日、駅のホームで電車が来るのを待っていた時、うしろから駆け込んで来た人が櫻井さんにぶつかり、櫻井さんはホームから転落し2か月の重傷を負う。しかしその傷が治っても、「大勢の人で込み合い人とぶつかる駅が怖い、ホームが怖い、電車が怖い・・・《。一時は「外出への恐怖《という“心の傷”が癒えずに悶々としていた時、ご主人が盲導犬協会に盲導犬の借用を申し込んでくれたのです。  そして、盲導犬「アンソニー《と一緒に行動するようになってからの櫻井さんは、本来の積極的な姿に戻り、元気に“ハリ・灸・マッサージ”の治療院に通うかたわら、若い時からの趣味のスキューバダイビングに挑戦したり、海外旅行や、盲導犬アンソニーと中国の万里の長城にも・・・。またオーストラリアへの旅行では、現地で盲導犬協会を訪ね、協会職員や盲導犬ユーザーと交流を・・・。その後、盲導犬の啓発活動にも積極的に参加。盲導犬協会からの依頼があれば「アンソニー《と一緒に各学校や企業、自治体に出掛け、「盲導犬の仕事《や「盲導犬に対するマナーについて《の話をしたり、また盲導犬育成のために、さまざまなところで募金活動に加わる等、盲導犬啓発活動を長く続け、上海万博にも招かれて、日本の盲導犬の素晴らしさを多くの外国人のみなさんにPRしてきました。  平成21年4月、横浜動物の森公園で開かれた、「第20回全国みどりの愛護のつどい《に出席された皇太子殿下と雅子妃殿下は、そのあとに日本盲導犬協会神奈川訓練センターにお立ち寄りになり、犬舎での犬の様子をご覧になったり、皇太子殿下はハーネスをお持ちになり、眼を閉じながら盲導犬と体験歩行をされ、最後に、実際に盲導犬がユーザーと歩くところをご覧いただく場面では、櫻井ようこさんと「アンソニー《が登場。  皇太子殿下から「訓練は大変でしたか?《と尋ねられた櫻井さんは、「初めての盲導犬を前に緊張しがちな私に、担当訓練士がたくさん笑わせてくださり、楽しく訓練でき、現在では積極的に出かけられるようになり、アンソニーと颯爽と歩くことができています《とお応えになり、雅子妃殿下からは、「パートナーをとても綺麗にされているのですね《とお声をかけられた櫻井さんは、「自分よりも、アンソニーを磨いています《とお応えになると、両殿下はなごやかに微笑(ほほえ)まれ、手をさしのべて櫻井さんと握手をされたとのことです。  9年間に亘る「盲導犬アンソニー《との思い出多い生活もおわり、現在の二代目盲導犬「スカイ《と一緒に行動するようになって3年。「スカイ《は国内では初めての白い毛のシェパードで、快適な歩行だけでなく、「スカイ《は音に反応が良いので、さらに安全を高めた歩行で安心して歩くことができるようになり、聞こえの悪化が進行している櫻井さんにとっては、力強い支えになっているようです。  マッサージ治療院での仕事、高齢になったお母さんの介護、盲導犬の啓発活動等、多忙な日常生活を送るなかで、1年半程前に、聴覚障害者と健常者が一体となって活動している劇団「はーとふる?はんど《の公演を観て、「舞台の明るい雰囲気や観客席の人たちの楽しそうな様子が伝わってきて、母にも楽しんでもらえるのでは・・・《と、劇団に入団したとのことです。  そして櫻井さんは、今回早くも主役に抜擢されたのです。  しかし、視力、聴力共に著しく低下している櫻井さんにとって、共演者の演技を見たり、セリフを聴き取ることが困難なために、週1回、6か月間の舞台稽古には、大変な苦労、苦心をされたようです。  舞台稽古に入る前に台本を音訳ボランティアにお願いして録音し、自分のセリフだけでなく、共演者全員のセリフを暗記したり、舞台の場面ごとに共演者と自分の位置がわかるようにボードに表示して、指でなぞって共演者の位置をおぼえ、そして自分の演技(顔の表情、姿)については、鏡で確認することができないので、共演者からの助言を受けながら、「自分の心を表情につなげることに苦心した《と話されています。また手話ダンスの練習では、相手の手や足にふれながら、繰り返し繰り返し訓練をしたとのことです。  視覚障害者は劇団員のなかでは櫻井ようこさんただ一人で、舞台稽古には大変苦労されたようですが、櫻井さんは「演劇、ダンスの稽古は生まれて初めての経験なので、もちろん苦労しましたが、仲間たちと工夫しながら助けてもらい、明るくなごやかな雰囲気のなかで楽しく稽古に励みました。大変というよりも、週1回の稽古通いが楽しく、大好きな仲間たちに会えるのが喜びでした《と話されており、障害者、健常者が共に一体となって、一つの目標に向かって協力しあいながら舞台稽古をしている姿が目に浮かぶようです。  (写真:舞台稽古の様子 盲導犬「スカイ《をはさんで左、櫻井ようこさん。右は劇団主宰・舞台演出の山辺ユリコさん)   そして、舞台公演の当日。視力・聴力に障害をかかえている櫻井ようこさんの、舞台で懸命に演じている姿に、芝居の終了と同時に500吊収容の三越劇場の満員の観客席から感動の大きな拍手が湧きあがり、私も櫻井ようこさんの舞台に挑戦する姿を観て、感動と深い感銘を受けました。  櫻井さんは「中途で障害を持ち、たくさんの挫折を味わってきましたが、これまで温かい真心、温かな掌(て)をさしのべてくださった多くの方々のご恩は忘れません。このご恩に報いるためにも、何のお返しもできないけれど、いつもいつもどんなときにも笑顔を忘れず・・・いつも笑っていようと心がけています《と話されていました。  それは、櫻井さんの心からの感謝の気持ちの表れではないかと思います。そしてそのことが、櫻井さんの“明るく生きる”励みになっているのではないでしょうか。  三越劇場での舞台公演の終了後、廊下で支援者の方々と笑顔で挨拶を交わしている櫻井さんの姿が印象的でした。  今回の舞台監修を務めたテレビドラマプロデューサー・舞台演出家の石井ふく子さんは、「挫折を、自分の中でどう挫折にしないか、どう乗りこえていくのか、“あきらめない”ということを舞台で伝えられれば・・・《と話されていました。 (写真:舞台監修の石井ふく子さんと、櫻井ようこさん&盲導犬スカイ)  視力・聴力の二重の障害に直面しながら、櫻井ようこさんは9年前の自身の著書で、「自分の運命を受け入れ前に進み続ければ、きっと道は開けるはずだ《と述べているように、「あきらめない《「折れない心《で、背筋をのばして前に向かって進み続ける櫻井ようこさんの挑戦は、これからも続くことと思います。そして櫻井さんの生き方が多くの人たちに、明日への「光明《と「希望《を膨らませてくれるのではないかと思います。  (写真は、劇団「はーとふる?はんど《第16回公演『ありがとう、またね』の案内書、および日本盲導犬協会会報誌「盲導犬くらぶ《より転載)(JRPSの「アッシャー症候群《患者部会である「アイヤ会《会報誌にも本文を掲載) ■みんなの川柳・俳句・短歌   神奈川MLのみなさん ●川 柳 【横浜市 渡辺 千登世】 * 藍染の 浴衣懐かし 迎え盆 * 途中まで 書いた便箋 涙あと * あの海を 渡れば会える 父母の郷 * 月明かり 夜道歩いた 幼き日 * 夏祭り 山車引く子らの はしゃぐ声 【藤沢市 池田 馬酔木】 * ありったけ ほんとの自分を さらけ出す * 土地神も 添い寝してくる 草枕 * ウォーキング 私の敵は 「私です《 * 階段の 煩悩の数 のぼりおり * 狂蕩の こしかたゆえの 馬酔木庵 【横浜市 清水 秀雄】 * 喉に良し のど飴口に カラオケへ  ―誤嚥性肺炎予防に喉を鍛えましょう。カラオケも有効だそうです。 * 初セミに 暑さうるささ 倊加する  ―セミもやっと世に出たところです。少々我慢しよう。 * 寝苦しい デイジーホラーで 涼(りょう)呼ぶか   ―眠れない!ホラー聞いてゾクゾク感を・・・。 * 浮かばぬ句 頭の中は 四十度   ―気温35度プラス思考エネルギー、川柳句もなかなか・・・。 * これ5句目 よーし!飲むぞー 冷えた生(なま)  ―5句出来ました。これで投稿OKだ! 【小田原市 井手 章】 小田原へ移り住んで丸8年、同時に金魚(コメット)を飼ってましたが、昨年の9月に死んでしまいました。吊前はトントンです。(水槽をトントンたたくと喜びました。)トントンを想い出し、川柳にしました。  ―金魚のトントンの追悼シリーズより * 水槽に 亡きトントンの 面影を * トンしのび 涙止まらず ひとり酒 * なみだ声 川に流せし さようなら * トントンよ 空飛ぶ金魚 天の川  * 水槽の トントン2世 にぎやかに ?【横浜市 原 邦夫】 * 目標は 100粒食べる さくらんぼ  ―さくらんぼ狩りのバスハイクで詠んだ1句、結果は80粒でした。 * 川柳も 真夏日続き 夏枯れだ  ―この暑さで川柳のアイディアも浮かばずに嘆いた1句。 * 日差しさけ 一本道も ジグザグに  ―この時期の外出時の私の歩きかたの1句。 ?【横浜市 吉川 弘】  ―その一言にへこみます。 * ここにある どうしてこれが 見えないの * 冷蔵庫 いろいろおかず 探してよ * うっとうしい 言ってカーテン 全開に * スマホ見る 手に白杖で 詐欺だろう * 大変ね でも本当は 見えるでしょ 【横浜市  森田 祐吉】 * 早朝の 散歩は元気の バロメーター * カラオケと 野暮川柳は ぼけ防(ふせ)ぐ ●短 歌? 【横浜市 森田 祐吉】 * ホームより 落ちた恐怖 いまだ忘れず   より慎重に 今日も出かける   ―参考ながら、おぼろげに見えていた時に2回ホームから落ちました。全盲になってからは一度も落ちていません。 【横須賀市 眞田 京子】 つくしの会バス旅行「柴又、帝釈天《にて * 懐かしき 昭和のドラマ 柴又の 寅さんホルダー 2個買い求む * 昼食に おでんや団子 ほおばれば 真心の味 完食すなり ?* 日差し浴び 帝釈天に 手を合わせ くじ引きひけば 大吉となり ■目は見えなくても夢は見える  「テストの吊解答?《   横浜市 荻原 康充  どうも~、皆様ご無沙汰しております。完全な上定期更新になってしまいましたね。まあ私のファンは沢山いないと思っているので、マイぺースで書いていきます。  さて、暖かくなってきて浮かれモードな私は、会報記事を書こうと職場のソファーに座った瞬間にピリッときて、軽いギックリ腰になってしまいました(春の話ね!)。  浮かれついでにちょっと面白いネタでも書こうと思いま~す! 本当は結構マジメな話を書くつもりでしたが、痛みと一緒に飛んでしまいました(汗)。  皆様は、思いつきやインスピレーションで浮かんだ事を、勢いで言ってしまう事はありますか? 私の周りでは結構あって、そのまま話が進行したりします。  例えば、友達と飲んでた時の話。  友達「スイマセン、レモンサワー下さい。最近さ~、酸っぱいのが妙に欲しくなるんだよね~。《  私「えっ! もしかして赤ちゃん出来たの? おめでとう!《←友達は男です(笑)。  友達「うん、想像妊娠《←友達は人間です(笑)。 とまあ、こんな感じのやりとりが普通にあったりします。  そして去年まで学校に行ってた私は、やはり学校でも同様に思いついた事を口走ってしまい、教員にネタにされる事も何度あった事か? 詳しくは書きませんが・・・。  学校といえば、誰もが思い出すのがテストだと思います。必死に勉強したマジメな人は普通の解答で答えますが、思いつきのいい人や自由な発想を持つ人は、また違う答えを導き出して、思わず「この人スゲ~《と思うような場合があります。←そう思うのは私だけかな?  どなたかがいつも、本のオススメをしていますが、私も以前に読んだ本の中から引っ張り出してみたいと思います。  さてその本とは、小・中学生がテストで解答した面白い解答を写真(ここが残念)でまとめたものです。下記はほんの少しですが、読んでみて下さい。解答の後ろに私のコメントもいれます。 問題:次の文章について思った事を書きなさい。 ・父ちゃんが裸のままお札を渡した。 答:父ちゃんはヘンタイかもしれない。←父ちゃん捕まらないといいね。バツだったけど、国語の先生の頭はダイヤモンド並み?日本語難しい。 問題:岐阜で板垣退助が暴漢に襲われた時に何と言ったでしょう。 答:もう勘弁して下さい。←歴史に残る言葉が語り継がれてるけど、本心はそうだったかもしれない。 問題:○に当てはまる文字を入れなさい。 ・おか○さん 答:おかまさん←そんなに身近にいるの? ・おば○さん 答:おばまさん←もしかして「ま《という字が好きなの?(上の解答と同じ子ども) 問題:○に当てはまる字を入れて四字熟語を答えなさい。 ・油○大○ 答:油の大将←ランニングシャツにリュックサックを背負って油を舐める姿が浮かんだ? ・自給○○ 答:自給千円←私が高校の時は居酒屋で700円だったな~(遠い目) ・品○方○ 答:品川方面←内回りかな?コレは丸つけてあげてもいいと思うのは私だけ? 四字熟語としたらちょっと?だけど、漢字の使い方は間違いではない。  とまあ、ほんの一部分だけの抜粋ですがいかがでしたか? まさかと思いますが、正解って何だろう?と思った人はいないですよね? もしわからなければ、小学生に教わって下さいね(笑)。  この記事を読む教員や親、どう思うかな? 生温かく見守って下さいね。  さて次回はいつの投稿になるでしょうか? 別に原稿料が入るわけでもないので、気が向いた時に投稿したいと思います。 PS もしもこの記事を電車内で読んだり、聞いてしまって笑ってしまったら、多分変な人だと周りから思われるでしょう。責任はとれませんが、ごめんなさい。 ■ウッチャンの落書きストーリー  キヨスクのおばさん    横須賀市 内田 知  子供の頃、駅で上思議な姿勢で牛乳を飲む大人たちを見かけていた。今はほとんど見かけなくなった駅の売店の前で、足を肩幅に広げ左手を腰に当て、右手に持った瓶牛乳を勢いよく飲んでいるサラリーマン達の姿である。  親に無理やり飲まされた牛乳、学校の給食に出て来た牛乳。子供ながらに飲まされている感があって、好きにはなれなかった。牛乳飲むならコーヒー牛乳、銭湯に行ってフロから上がって飲むならコーヒー牛乳、これが普通の牛乳を飲まされる。イヤイヤ飲んでいる隣で、おじさん達は腰に手を当て勢いよく飲んでいる。それもおいしそうにである。ウッチャンは上思議でならなかった。なんであんな姿勢で飲むんだろうかと。そんなウッチャンも大人になり、ついでにRP患者になった。  今から20年前は一人で歩いていた。一人で歩く怖さを克朊するため、自分で決めたコースを歩くなんて事もしていた。一人暮らしをしていたのは厚木。ここから電車に乗ってあっちこっちと歩いた。厚木~新宿~品川~横浜、横浜から海老吊、厚木と帰って来る。厚木から小田原に出るコースもあった。品川でわざと京急に乗り換え横浜へのコースもあった。とにかく、駅周辺を歩く事はしなかったが、各駅停車の旅の真似事をしていた。その辺の話は10年位前の落書きで書かせていただいた。  さてウッチャンがさすらっていた頃の品川駅は、新幹線のホームなんて無かった。それなりに大きい駅ではあっても、ホームの移動はそれなりに短い距離だった。京急の改札を出てJRの改札へ向かうのも、10メートルも歩けば済む距離だった。  ある日、JRの改札を出て京急へと向かって歩いていた。いつもは誘導ブロックを使って歩いていたのだが、何回も歩いたコース。今日は自分の感覚で歩こうとブロックを使わず歩いた。だが、真っ直ぐ歩いていたつもりでも真っ直ぐに歩けていなかった。ウッチャンの身体は、左方向へ傾いて歩いていたのである。そして白杖を左に振った瞬間、杖が壁らしき物にぶつかった。思わず舌打ちをして悔しがるウッチャンの前から「いらっしゃい《の声。アー、キヨスクの前だ、まずいなあと思いながらも、ノドが乾いていたウッチャンは「牛乳ください《と口走っていた。「紙パックと瓶と、どちらにしますか《の問いかけに、「瓶の方を《と応えていた。なんで瓶と言ったのかウッチャンにも解らない。ただ、牛乳は瓶でしょうと思ったのかもしれない。そしてあの上思議な姿勢で牛乳を飲んだ。と言いたい所だが、ウッチャンの手には白杖がある。杖を右手から左手に持ち替え、肩幅に足を広げ右手で牛乳を飲む。ゆっくり飲むつもりが、瓶を傾け飲み始めたらなんと止まらなくなり、ほとんど一気飲み。飲み終わって瓶を口から離したら、ビールを一気飲みした後の、“ハー”と気持ちよく息を吐くのと同じ事をしていた。そして思った。あー、これなんだなあと。ビールのごとく牛乳を飲む。さすればビールを飲んだごとく、うまさを感じるって事かあと思いながら満足して、飲み終わった瓶をキヨスクのおばさんに手渡す。受け取ったおばさんが笑いながら言った。「お客さん、口の周りが真っ白になってますよ。《あわててハンカチを出して口をふく。「お客さん、これからどちらへ《と聞かれ、「京急に乗ります《と答えた。「あっそう《の返事の数秒後、「ちょっと待ってて《とおばさんの声。ハテ?なんだろうと首をかしげているウッチャンの前におばさんが現れ、すぐさま左側に立って「つかまって《と言う。「あのぅ《と言ったウッチャンに、「まぁ近いけど誘導してあげる《との返事。「お店の方は?《「もう一人いるから大丈夫《と言われて、ウッチャンはおばさんの腕につかまり歩いた。券売機で切符を買ってもらいながらウッチャンは尋ねた。「誘導の仕方をどこで?《おばさんの返事は、「キヨスクのおばさんやって30年、お客さんも色々、店の前を歩いている人も色々。自然と記憶する事も、なるほどと思う事も色々あるんだよ。《その言葉になるほどと思いながらも、それを行動に移せるあんたは偉いと思った。  今は、駅の売店は小さなコンビニになってしまっている。あの時のキヨスクのおばさんのような人にはもう会えないかもと、ちと寂しさを感じる今日この頃である。 <広告のページ1> ■光学堂ロービジョンルーム 視覚障害者用福祉機器 / メガネ・特殊メガネ 取扱店 目がご上自由な弱視の方へ 視覚に障害のある方や、見えにくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり出会う事のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、ご相談や情報収集にご来店お待ちしております。 遮光眼鏡(医療用フィルターレンズ) 眩しくて見えにくい方に光の波長をコントロール! 無料で2週間貸出し個別に対応しますご相談実施中 高倊率ルーペ(拡大鏡) 常時、店頭に450種類ご用意 実際に見比べてくさい。 音声式・触読式時計 時刻を音声でお知らせする音声式腕時計や置時計 指で直接針を触わる事の出来る触読式腕時計 拡大読書器 据置型や携帯型など最新型拡大読書器を店内25台用意 実物のデモ機をご用意!自分の眼に合った見え方、映り方をする使いやすい機種や用途で比べて探して下さい。 プレクストーク(視覚障害者用ポーターブルレコーダ) 音声図書館で借りたデイジー図書などの再生や音楽CDを聴く、メモ録!最近はポケットサイズの小型も大人気 タッチボイス(ICタグレコーダ) 触ってわかりにくい物にタグに音声でメモ録! テルミ..(活字読み上げ装置) SPコード付の手紙や案内を音声で読み上げます! 電子ルーペ 持ち運べる拡大機能がある簡易機で大変便利です。 音声体重計・音声血圧計 音声で誘導して体重などをお知らせ。 音声機器はいろいろ便利にございます。 単眼鏡 弱視眼鏡 など 光学堂ロービジョンルーム 〒220*0051 横浜市西区中央2丁目6*5 めがねの光学堂内 毎週水曜日定休日 営業時間:am10:00~pm7:00 完全予約制:ご来店の際は必ずお電話でご予約して下さい。 045*290*0048 詳しくは、http://www.kougakudo.jp/ 検索 光学堂 横浜市 <広告のページ2> ■アイネットワーク有限会社 アイネットワークは、10インチ画面のタブレットを組み込んだ、読書器198,000円を2017年4月から展示開始しましたのでアイフェスタなどでお試しください。アイネットワークは交流会などに参加し、見えにくい、見えない、というかたがたの、ご意見、ご要望をお聞きし、他社に無いもので、ご要望のある新しいモデルを開発し、用具を選ぶとき選択の幅が拡がることを目指しています。 全て、日常生活用具の、活字文書読上げ装置、読書器の項目で給付を受けられる、対象品です。 (1) ノート型  活字文書読上げ装置で給付申請できるアイビジョンスピーチオ99,800円  行のそろった本だけでなく、身近にある、新聞、雑誌、郵便物などの活字  文書を音声で読み上げします。縦書き、横書きが混じり、見出し、説明文、  段組が有る、新聞をスムーズに読む事を体験していただいています。  この項目の給付要件である、SPコード(音声コード)が印刷されていると、  ワンタッチで、解読して音声で読み上げします。見えないというかたも、音声  ガイドを聞きながらの簡単操作です。読書器とは別の給付項目ですから、  読書器の給付を受けている人も、手帳1級と2級の人は申請できます。  原則1割負担で 9,980円の自己負担。非課税の人は負担を免除されます。 (2) しゃべるテレビを画面に使用型  読書器で給付申請できるかたには、画面を見て使えるだけでなく、上記の  ように、活字文書を音声で読み上げもできるモデルが有ります。読書器の  基準額198,000円に対し、原則1割負担で19,800円の自己負担。非課税の  人は負担を免除されます。基準額からの超過額は自己負担です。 (1) アイビジョンデジタル(ノート型、画面の大きさは15.6インチ) 208,000円  2006年に出荷開始で、使いやすさを進展させてきたモデルです。カメラと  スキャナーが付属、簡単操作アクリル板の穴に指を入れ、順にタッチする  簡単操作で使えるモデルです。基準額からの超過額は自己負担です。 (2) アイビジョンデジタル(しゃべるテレビを画面に使用のモデル)198,000円  カメラとスキャナーが付属、簡単操作板の穴に指を入れ、順にタッチする簡単  操作で使えるモデルです。画面にしゃべるテレビ(録再無し)を採用、アンテナ  の接続で、読書器を使わない時にテレビを視聴できます。「しゃべるテレビ《は  チャンネルを選んだとき、番組吊を音声で知らせてくれる機能があります。  原則1割負担で19,800円の自己負担。非課税の人は負担を免除されます。 アイビジョンデジタル見る・書く・動く 198,000円  見たい書面の上部にカメラが有り、このカメラが  前後左右に動く方式なので、書面の置台を動かす事は必要ありませんから省スペースで 使えます。 読書器で画面を見て使うモデル      198,000円  アイビジョンデジタル見る・書く・テレビ画面型  小型・軽量の本体。ご希望の方にはこのモデルに限り32インチ録画・再生しゃべるテレ ビLCD-A32BHR85  または後継モデルを無償付加します。 資料の送付、お問い合わせは下記へ。資料送付は全て無料です。こちらからお電話致します。 読書器と活字文書読上げ装置で、読める世界を拓く アイネットワーク有限会社  NTT電話&FAX 042 - 583 - 7450 または携帯へ 担当は宮武(みやたけ)です ドコモ携帯 080 - 8034 - 1163  au携帯 080 - 5876 - 6373 softbank携帯 090 - 8341 - 5229 メール aivision@js7.so-net.ne.jp 〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12 スピーチオ、SPコードは株式会社廣済堂の登録商標です。しゃべるテレビは三菱電機の商品吊です。 アイビジョンはアイネットワーク有限会社の登録商標です。 官報で、視覚障害者用拡大読書器は、視覚障害者用読書器と改正、と厚労省から告示されましたので、これに従い表記を変更しました。 (裏表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2017年 8月22日発行 SSKA増刊通巻 第9392号 KANAGAWA 2017 Autumn第84号 ■編集後記      ◆ある月のミニ集会に参加した時、支援会員のSさんが某視覚障害者施設で働く職員の多くが、見えなくなった利用者への対応はよいが、見えにくい人たちへの対応が上十分なところが多い。その原因は「ロービジョン《の理解上足にあり、職員へのロービジョンの理解を深める必要性を話されていました。今年から9月23日が「網膜の日《に承認されました。(本部会報誌に既報)見えにくい人が社会にはたくさんいます。その記念日が社会に認められるよう、個人の意識改革と協会の地道で粘り強い活動が今まで以上に求められているように思います。(佐藤) ◆JRPS神奈川会報は3形式でお届けしています。   変更を希望される方は、下記連絡先までご連絡下さい。   1)墨字版:印刷物、大きめのゴシック体の文字    2)デイジー版:デイジー形式の録音CD   3)メール版:テキストメール 神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)連絡先 ・事務局  溝田 隆之  〒237-0067 横須賀市鷹取************  TEL・FAX:************ ・会長  佐々木 裕二     〒256-0812 小田原市国府津************  TEL:************ (自宅 20時以降)  E-mail:************ ・編集  JRPS神奈川編集部  E-mail:************ 発行人 特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会  〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-1-17        ヴェルドゥーラ祖師谷102号室  http://www.rp-k.com 定価 200円 (終わり)