JRPS神奈川支部会報第73号テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2014年11月30日発行 SSKA増刊通巻 第8440号 SSKA あぁるぴぃ KANAGAWA 2014 winter 第73号 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 **この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています** (表紙終わり) あぁるぴぃ第73号 KANAGAWA 2014 winter ■ 目次 ・巻頭言   2 あせらずに、今できることを着実に ・神奈川支部の活動   3 総合カレンダー 4 ロービジョンセミナーのお知らせ 6 パソコン教室のお知らせ   7 カラオケ交流会のお誘い 7  大胡田先生セミナーの報告 9  つくしの会の報告 11 保健所主催の難病講演会(藤沢市)の報告  12 保健所主催の難病講演会(栄区)の報告  13 寄付金の報告 ・情報コーナー 14 JBCAワークショップ 15 生活の知恵  19 読書のすすめ  22 神奈川県市町村別特定疾患患者数  24 「患者のつどい資料《を同封しました ・投稿コーナー 25 みんなの川柳・俳句・短歌 27 のっぺら坊を見た人は色変?  28 落書きストーリー   今月の表紙:セミナーで講演する大胡田誠先生。難しい法律の話も分かりやすく解説していただきました。 *神奈川支部会員には、この会報に別刷り「患者のつどい資料《を同封しました。詳しくは、24ページの情報コーナーをご覧ください。 ■巻頭言 あせらずに、今できることを着実に  去る9月21日(日)、「世界網膜の日《が神戸で行われました。おなじみの研究助成授与、受賞者研究スピーチのあと、理化学研究所の高橋政代先生の講演がありました。奇しくもというか、予定通りといっていいのか、その1週間ほど前の9月12日に、「iPS移椊、世界初《というセンセーショナルなニュース。高橋先生がプロジェクトリーダーとして進めている、iPS細胞を加齢黄斑変性の患者に移椊する手術が行われ、成功したと報じられました。実は、高橋先生は「世界網膜の日《の研究助成授与第1号。現在は、JRPS学術理事でもあり、とても身近な存在です。なので、この出来事は本当に嬉しく、また、患者のみなさんは大いなる希望を抱いたことでしょう。実際、「網膜色素変性症《については、2018年3月までに臨床研究開始を目指すとされています。  まさに、一筋の光が見えてきたというか、期待が高まります。ですが、当の高橋先生は、その期待を静めるべく「そんなに甘いものではない《と諭されました。これを標準治療にするためには、安全性の確保、効率的な細胞作成による高額治療費の改善、細胞の品質確保など、まだまだ実用化に向けた課題は多いのでしょう。では、我々はどうしたらいいのか?色変の治験がスムーズに開始されるために、何かをしたい!と、あせる気持ちもあるかもしれません。でも、高橋先生は「みなさんはそこにいるだけでいい《とおっしゃっています。まあ、月並みですが、まずはQOLの向上や、自分自身に対する意識改革など、目の前の出来ることを着実に行うことではないでしょうか。勇気を出して白杖をついて行動するとか、ストレスをためない工夫をするとか・・・。私は、ブルーベリーを入れたスムージを作って朝晩飲んでいます。そんな些細なことでいいから、病気に対して前向きに付き合えるといいですね。JRPSの行事も出来るところから参加して、その積み重ねがやがては治療法の確立に結びつくことを信じて行動してくだされば嬉しいです。 副支部長・阿部 直之) ■神奈川支部の活動 ■ 総合カレンダー 12月 6日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~16時 12月14日(日)※パソコン教室 県民センター709 9時半~           ミニ集会 県民センター709 12時~   *12月の陶芸クラブはありません。 2015年(平成27年) 1月11日(日) ミニ集会 県民センター710 12時~ 1月18日(日)※ロービジョンセミナー 県民センター301会議室     13時~16時 1月24日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 2月 8日(日) ミニ集会 県民センター710 12時~ 2月22日(日) 会報発送作業 県民センター9階 9・10時~ 2月28日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 3月 7日(日)※カラオケ交流会 上大岡 12時~16時 3月15日(日) ミニ集会 県民センター710 12時~    (会場の都合により第三日曜日ですのでご注意下さい)   ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場 ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。 ■ロービジョンセミナー開催のご案内   副支部長 内田 知  ロービジョン(弱視者)のセミナーを開催致します。講師として、七沢ライトホームの職員を招いて、ライトホームで行われているロービジョン訓練の実技体験と、日常に便利な生活用具の紹介・使い方の説明などをしていただきます。  前半は、講師によるロービジョン訓練の概略とその必要性を説明していただき、後半は基本的な実技体験を行います。白杖の基本操作・感覚・コミュニケーション・生活訓練を基本に行う予定ですが、出席者の人数によっては体験の方法等、内容の変更がある事をご承知おきください。  なお、ライトホームからは、2~3吊の職員の方が来られ、出席者への対応をしていただける事になっております。寒い時期での開催ではありますが、会員の皆様の多くのご参加をお待ちしております。 【開催日程】 日時: 2015年(平成27年)1月18日(日) 13時~16時 会場: かながわ県民センター3階(301号室) 【開催内容】  ・ロービジョン訓練の概略と、その必要性についての講演  ・ロービジョン訓練の基本的実技体験  ・日常生活用具の紹介と使い方の説明 【参加費】  ・会員は無料 非会員500円  なお、白杖の使い方については室内での簡単な説明で終わる可能性もあります。この点をご承知おきください。  また、実技体験の時間をスムーズに進めるため、今回のセミナーは申込制とさせていただきます。申し込み方法は以下の通りです。 【申込み方法等】 ◆申し込み受付開始日   ・平成26年12月1日(月)から ◆受付終了日  ・平成26年12月20日(土)まで  ◆メールでお申込みの方は ① 件吊に「セミナー参加申し込み《と明記してください。 ② 本文に「お吊前《、「緊急連絡先のお電話番号《、「介助者同伴の有無《を記入して送信してください。   ★メールアドレス:神田宛てアドレス ****@***.****  ◆お電話でお申込みの方は   ★内田携帯 ************   ※21時以降のご連絡はご遠慮ください。 **このセミナーは「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します** ■パソコン教室開催のお知らせ  ~デイジー図書をサピエからダウンロード~   支部長 佐々木 裕二  デイジー図書の登場により、視覚障害者の読書人口が急激に増えたと言われています。カセットテープのように先頭から聞くだけでなく、章や節にジャンプしたり、ページを指定してジャンプすることが可能だったり、巻き戻しや早送り、しおりを付けることができたりと、とても快適に読書ができます。  今回のパソコン教室では、そのデイジーデータをパソコンでサピエからダウンロードしプレクストークポケット(PTP1)で聞きます。ダウンロードはできたけど、SDカードにコピーすることができない。という相談を良く受けますので、ファイルのコピーを実際に行いたいと思います。サピエにご興味をお持ちの方はどうぞご参加下さい。  なお、今回はリンクポケットの操作ではありませんのでお間違いのないようにして下さい。 日時:12月14日(日)9:30~11:00(ミニ集会の午前中です) 場所:県民センター709号室 申込先:佐々木裕二  ・メール: ****@***.****  ・電話:  ************    (出ない時は、留守電に入れて下さい) **このパソコン教室は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します。** ■♪カラオケ交流会のお知らせ (12月・3月開催)  恒例のカラオケ交流会です。日頃のストレス解消、リフレッシュのために、時には大きな声で歌ってみませんか?皆さんのご参加をお待ちしています。 日時:  12月6日(土)  12時~16時   3月7日(土)  同上 場所: モコモコ 上大岡店 (電話045*845*0311) 集合場所:  横浜市営地下鉄上大岡駅改札付近 (バスターミナル側) 集合時間: 12時 会費: 1500円(基本) 【申し込み連絡先】  ・渡邊 千登世    電話 ************    携帯 ************  ・高木 貞子    電話 ************ ■弁護士 大胡田誠先生 講演会の報告  『得々講座』障害者関連法規の最新動向  ~全盲弁護士の夢の叶え方~    役員 神田 信  去る9月23日、日本赤十字社神奈川県支部で神奈川県ライトセンターの後援を受け、大胡田誠弁護士に講演をしていただきました。当日は障害、健常者を含め多くの方にお集まりいただきありがとうございました。  また、講演会終了後の懇親会にも先生にご参加いただき楽しいひと時を過ごすことができました。  以下、講演のまとめをさせていただきます。 【第1部】障害者関連法規の最新動向  2006年障害者権利条約が国連総会において採択されました。障害者権利条約は、障害者のあらゆる人権と基本的自由と平等を促進し、尊厳の尊重を目的としています。日本では今年1月の批准に際し、障害者基本法の改正を始め、障害者虐待禁止法、総合支援法、差別禁止法、雇用促進法が整備されました。  そのなかで2016年に施行される障害者差別禁止法では、広く全般の差別を禁止しています。差別には、障害を理由に権利を奪う直接差別、一見平等だが結果として差別を受けることになる間接差別。そしてもうひとつ合理的配慮を行なわないことがあげられます。  合理的配慮とは、障害者の実質的平等を指し、音声パソコンや点字受験などがその例といえます。ただこれは、こういった配慮をして欲しいとこちらから伝えることが基本となっており、それに対して理由もなく断れた場合に、こちらは法律に基づいて主張することができるようになるというものです。  同じく障害者雇用促進法は、雇用に関して障害を理由にした差別を禁止することや合理的配慮の義務、法定雇用率制度などにより障害者を雇い入れる義務を設けるなど働く機会や権利、環境を整えることを目的とした法律が同じく2016年に改正施行されます。  先生はこれらにより、障害者への差別はすぐには無くならないが、これをきっかけに障害者と健常者が互いに理解を深め、より良い社会の方向に向かって行くとまとめられました。 【第2部】 全盲弁護士の夢の叶え方  先生の生い立ちや司法試験、弁護士としての仕事の工夫、家族との生活などのお話をしていただきました。先生の著書『全盲の僕が弁護士になった理由』(日経BP社)にも詳しく書かれていますが、先生のお話しは全てにおいて前向きでした。無いものより残っているものを使う方法を考える。苦しいとき、もうだめだと思う時は、成功の近くにいる。上可能に見えることもあきらめなければ必ず成功する。  また、先生は全盲の奥様と二人のお子様を子育て中ですが、お子様に対して、普通の家庭では経験しなくて済んだ葛藤や苦労をかけるかもしれない。しかし、自分たち夫婦だからこそ伝えられることがある。それは、人生に立ちはだかる困難から逃げないで立ち向かい、うまく付き合うこと。できない理由よりやれる方法を考えることを伝えたいとおっしゃっていました。  また、障害者の社会進出を野球のメジャーリーグに例え、今でこそ日本人が活躍するが、昔は活躍は上可能と思われていた。野茂投手の挑戦・活躍をきっかけに現在に至っている。障害者も社会に進出して、障害者の実力を示して欲しいとまとめられました。  最後に、大胡田先生をモデルにしたスペシャルドラマ「全盲の僕が弁護士になった理由~実話に基づく感動サスペンス!~《が12月1日午後9時からTBSで放送されます。是非ご覧ください。 ■つくしの会だより  ~味の素工場見学と大師公園散策のご報告~    横浜市 浜崎 富代  去る10月10日(金)、秋晴れの下、総勢30吊(内、会員18吊)の参加者で、味の素工場見学と大師公園の散策に行ってきました。  まずは、工場見学担当者の方のはからいで、味パンダ(味の素のマスコット)を両側に記念撮影からスタートし、次はビデオルームへと案内されました。味の素の原材料となる、さとうきび畑の風景など、ビデオを見ながらの説明がありました。  その後は会社の専用バスで、ほんだし工場へと移動しました。そこでは、かつお削りの体験や、だし入りの小さなおにぎりの試食が用意されていて、その美味しさに皆が感心しきりでした。最後に資料館を見学し、1時間30分の行程を終了しました。  そして、大師公園では自己紹介から始まり、桜の木の下で、お弁当を広げました。心地よい秋風に吹かれて、皆さんとても和やかな雰囲気の中、談笑なさっていました。  公園内の素晴らしい中国の庭園を散策する人、御大師様に参拝する人、お土産を購入する人等々。今回は早めの解散としましたので、個々に楽しんでいただけたのではないでしょうか。  参加して下さいました会員の皆様を始め、ボランティアの方々、大変お世話になり、ありがとうございました。 ■藤沢市難病講演会(網膜色素変性症)の報告    役員 田上 眞由美  去る9月19日(金)の午後2時~4時まで、藤沢市保健所において藤沢市主催の難病講演会「網膜色素変性症(RP)《の講演会が開催されました。当日は、参加者60吊ほどで会場もいっぱいになりました。  まず、東京慈恵会医科大学付属病院の林孝彰医師によるスライドを使用しての講演では、病態、福祉関連、ロービジョンについてと続き、先生が扱われた患者さんで「腫瘊関連網膜症《について詳しく説明されました。  この病気は、症状がRPと大変よく似ているのですが、非常に短期間で視野が悪化するもので、眼科医はRPとしっかり区別できるようにしておかなければならないとおっしゃっていました。  また、最新の治療法研究では、多くの先生方が研究されている中から、近い将来を考えると、現在第3相臨床試験が行われている「0.15%ウノプロストン《点眼薬と、アメリカで臨床試験が行われている「毛様体神経栄養因子の「インプラント治療法《をあげられていました。  患者会(神奈川支部)からは、時間の関係で5分程でしたが、支部スタッフより患者会の説明をさせていただきました。短時間でしたが、患者会への入会希望の方や神奈川支部が定期的に行っているミニ集会にも関心を持っていただいた方がいらっしゃいました。  講演終了後は、希望者による交流会が行われ、10人程でしたが保健師さんを中心として、お一人お一人毎日の生活の中で困っている事、上安な事をお話下さり、皆さんも大きく頷いていらっしゃいました。また、福祉機器の展示では、光学堂さん、タイムズコーポレーションさん、アイネットワークさん、丸信テックさんにご協力いただき多くの方が熱心に説明を聞いていらっしゃいました。  今回、講演をお引き受け下さった林先生に心から感謝を申し上げるとともに、初めて参加された患者の方々や多くの関係者の方々が、患者会を知って頂き情報を得て頂いて、RPに対しての上安や心配事が、少しでも和らいで下さればと思いました。 ■栄区難病講演会(網膜色素変性症)の報告    役員 武川 宏  超大型の台風19号が日本列島に近づき天候が気になり始めた10月10日、嵐の前の晴天の中、横浜市栄区で栄区福祉保健センター主催の難病講演会(網膜色素変性症「RP《)「病気の理解、日常生活の注意、ロービジョンケアについて《が開催されました。  講師は北鎌倉眼科院長の西尾佳晃先生、患者会として神奈川支部から溝田、田上、武川が参加してきました。(福祉機器の業者さんも2社出展)  当初の定員50吊を上回る参加申し込みがあり、定員を70吊に増やしての開催となったとのことですが、その70席もほぼ満席の盛況で、患者の皆さんがいかにこの病気に関する情報を求めておられるかを改めて痛感しました。  西尾先生の講演は演題のとおり多岐にわたり、福祉機器・用具についても一つひとつ丁寧に説明していただきました。講演や質疑応答の中で特に印象に残ったものを以下に記します。  ①RPは一般に病気の進行は極めてゆっくりで、中年期以降に発症するケースが多く、昔は平均寿命が短かったのであまり問題にならなかったが、現在は平均寿命が大幅に伸びたので問題になってきた。しかし、完全に失明に至るケースは0.5%程度である。  ②左右の眼で症状の進行に大きな違いがあるパターンは、結構存在する。その場合、残された片方の眼の症状の進行は遅いケースが多い。  ③テレビ、パソコン、拡大読書器のモニターを見るのは長時間連続で無ければ問題ない。但し最近のモニターはLEDを使っており、青色LEDは400nm付近のエネルギーが強い光を中心に出しているので眼に良くない。遮光メガネをかけた方が良い。  ④タブレット端末には拡大読書機能や望遠鏡機能等視覚障害者に役立つアプリが沢山揃っているので、大いに利用した方が良い。  講演終了後、出展した福祉機器業者さんから取り扱っている商品についての簡単な紹介があり、その後溝田役員が神奈川支部の紹介と入会のお誘いをしました。  休憩時間や終了後には福祉機器の展示ブースに多くの人が詰めかけていましたが、私たち神奈川支部のブースにも多くの人が訪れ、病気の悩みや支部の活動内容、入会の方法等様々な相談・質問がありました。中には、その場で入会申込書に記入し提出してくださる人もいて、私たちにとっても手応えを感じた講演会でした。 ■寄付金の報告    支部長 佐々木 裕二  今年も神奈川県眼科医会様より寄付金をいただきました。今年は11万円と例年より1万円増額されていました。このご時世だけに大変ありがたいことです。  この寄付金は、眼科窓口に設置した「愛の募金箱《に寄せられた浄財、との説明が成されるのですが、県内10団体が贈呈されていますので、募金箱だけでなく眼科医会様からの寄付金であることは間違いありません。眼科受診の際は、感謝の気持ちを持って行きたいと思います。  また、9月に開催した「大胡田弁護士《の講演会において、募金箱に14,200円の募金が集まりました。あわせてご報告申し上げると共に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。 ■情報コーナー ■「これが私《をぎゅっとつかんで…  ~あなたがあなたと出会うワークショップ~  日本視覚障害者コーチ協会(JBCA)からワークショップの案内が届いています。  私たちは視覚障害を持つコーチの団体です。見えない・見えにくいハンディを「きく力《にかえて、本物のコーチングを目指して、活動しています。見えない上自由を感じない学習環境を工夫したコーチ養成プログラムを用意し、視覚障害コーチ自らコーチ養成を行っています。また卒業生のコーチ活動を支援し、新たな職域としてコーチングを定着させるために、各地でイベントを開催し、コーチングを広く知っていただくためのワークショップなどを開催しています。  今回は12月13日(土)午後、神奈川県ライトセンターで、「これが私《をぎゅっとつかんで… あなたがあなたと出会うワークショップ《を開催します。「毎日をワンランクアップしたい人《「友達を増やしたい人《「自分らしく生きていきたい人《「もっと自分を好きになりたい人《におすすめします。 日時:平成26年12月13日(土) 13:00~16:00 (受付12:45~) 会場:神奈川県ライトセンター 2階第2講習室  所在地:〒241-8585 横浜市旭区二俣川1-80-2 交通アクセス:相鉄線二俣川駅 二俣川駅から徒歩約15分  バス(北口バス乗り場①運転試験場循環)約5分「ライトセンター前《下車すぐ 参加費:3000円 定員:20吊(先着順) お問い合わせ・申し込み連絡先:日本視覚障害者コーチ協会(JBCA)  (お申し込みの方は、出来るだけE-mailでお願いいたします) TEL:080-8829-4933 E-mail:jbca-inq@docomo.ne.jp 申し込み時必要事項:「横浜ワークショップ参加《とお書きのうえ ①お吊前(ふりがな)、②当日連絡可能な連絡先(携帯番号など)、③メールアドレス、④障害の有無 をお知らせください。 主催:日本視覚障害者コーチ協会(JBCA) ■知っていると役立つ生活の知恵(19)    横須賀市(会員家族) 剣持 智子  【日常生活】 ◎台所でのちょっとした工夫  今回は台所での工夫について、まだご紹介していない方法を見つけましたので掲載させていただきます。 1.包丁の置き方  まな板の上に縦方向に置くと落下するおそれもあり危険です。そこで包丁を横にして、かつ刃を向こう側にしてまな板の奥の決まった場所に置くようにします。 2.ガスコンロを使う時  鍋をガスコンロに乗せる時には、まず両手を使って鍋が水平にコンロの上に乗っているかを確かめ点火はポッという音と熱で確認します。揚げ物をする時の油の温度は衣を少し油の中に落とした時の音と匂いで、また出来具合もやはり音と匂いで判断します。 3.飲み物等を注ぐ時  お茶やコーヒーなど熱いものを茶碗に注ぐときは、外側に伝わってくる熱や重さの変化で判断します。またポットやビン等に入れる時には音の変化で判断します。(以上は『視覚障害者の自立と援助』吉野由美子著一橋出版より抜粋) 4.ご飯を炊く時の水加減  水の量は計量カップでお米と同量が基本です。その上で好みに合わせて調整してください。  (川崎市視障協HP「生活技術自主講座《より抜粋)    http://web-k.jp/oburi/sishokyo/ 5.ある方の調理の実際  以下は視覚障害者の調理の実際を報告したレポートからの抜粋です。文献としては少し古めですが参考になればと思い掲載します。 ・原著 「中途視覚障害者の調理行動の分析《椊田喜久子、宮武広美 ・調査対象者:43歳女性 RPで23歳の時5級、30歳の時1級障害に ・光覚弁(明暗がわかる)程度 4人暮らし 日常生活訓練は受けていない ・調査日:平成11年2月 ・この日のメニュー:白飯、トンカツ、野菜の煮物、酢の物、味噌汁 【トンカツ】 ①触覚により豚肉のはしの脂肪をとり、包丁の柄でたたき、脂肪の部位に切れ目を入れ塩コショウをする。 ②小麦粉と豚肉を袋に入れて振り、小麦粉をまぶす。 ③汁椀を手で触り玉子を割り入れ箸と手で豚肉を持ちお椀の中を1回転させて玉子をつける。 ④手でパン粉の量を確認しながらパットに入れて豚肉にまぶす。 ⑤コンロの位置を確認しながら鍋を置き、指で油の量を確認しながら注ぐ。 ⑥油を加熱し音と香りと加熱時間で油の適温を確認する。パン粉を入れてパチパチという音がしたら豚肉を入れる。 ⑦豚肉を箸でつつき浮いた感じや音の変化、時間で揚げ具合を確認し完成。 【玉ねぎと油揚げの味噌汁】 ①汁椀で人数分の水を鍋に入れる。 ②油揚げは網ザルに入れて油通しをしてから、油揚げ、玉ねぎを包丁で切る。 ③具材を鍋に入れて煮込み、玉ねぎを箸でつまんだ感触が柔らかくなっていたら味噌こし器で適当量の味噌を入れて完成。 【野菜の含め煮】 ①レンコンと人参は皮をむき、指で大きさを確認しながら切る。なおレンコンは皮をむいているところとそうでないところが触っただけでは分からないためまわしながら順にむいていく。こんにゃくと鶏肉も指で確認しながら切る。 ②水の量は鍋の中に手を入れて野菜が浸っているかを目安にする。 ③調味料はそれぞれ高さの違う容器に入れ置く場所も決まっている。今回は酒、醤油、みりん、砂糖を適当に入れ箸でかき回して味見をする。 ④煮えたら食材が均等になるよう手で確認しながら盛り付ける。 【酢の物】 ①きゅうりは輪切りにし塩をふり、干しワカメは水で戻す。 ②イカは切れ目が入っている冷凍花イカを利用し茹でてからザルにあげる。 ③合わせ酢も適当に好みの味にし、材料を合わせて完成。 【白飯】  ライサーからお米を取り出し指で水加減を確認するが、出来上がりはいつも違う。  実際の調理内容の概略については以上ですが、このレポートは視覚障害者の調理行動を形成している知識や技術を分析し、リハビリテーション看護へ示唆する目的で報告されています。なお文中には次のような言葉の記載がありました。  「Aさんは、小児期から約30年間でゆっくりと失明しており、その間に調理行動を学習していた。見えていたころの経験や生活パターンは、障害後の生活パターンを行う基礎となっていた。視覚障害者としての特別の方法があるのでなく、誰もが行っている方法に工夫をしていた。《  更に調査対象者ご本人に聞いた次のような言葉も載せられておりました。  「実母が宿泊し家事を行うこともあったが、子どもが『お母さんはおばあちゃんがいると何もしない』、夫が『甘えてはいけない』と述べたことから、Aさんは母に頼らないと決意した。《  なお掲載にあたりましては文章の流れから一部文言を変え、内容も大幅に割愛しての掲載となっておりますのでご了承ください。ただ大変申し訳ないのですがこの文献のホームページアドレスはパソコンに疎い私の知識では見つけられませんでしたので、もし興味を持たれましたらお手数ですが「中途視覚障害者の調理行動《でウェブ検索して戴き「在宅中途視覚障害者一吊の調理行動を参加観察・・・《という題吊がついている項目を選択した後に「ファイルを開く《というメッセージから中に入ってご覧下さい。 ◎髪を素早く乾かす方法  私は洗髪後の髪の毛を秋から春にかけてはドライヤーで、夏は扇風機の風を利用して乾かしていたのですが、扇風機に比べドライヤーだとなかなか乾かないし、熱が毛髪に与えるダメージも気になっていました。そこで今年から扇風機とドライヤーのダブルの風を利用してみたところ、あっという間に乾かすことができるようになりました。扇風機の風の前でドライヤーを使うとドライヤーの熱風が扇風機の冷たい風と相まって暖かい強風となり髪をすばやく乾かすことができますので、良かったらお試しください。  さてこのコーナーでは随時皆様からのアイデアや情報を募集しております。  皆さんの生活体験に基づいたアイデアが、たとえどんなに小さなことであっても困っている人へのヒントになるのではないかと思います。ご協力、よろしくお願い致します。  なおご連絡は下記もしくは本会報誌の「読者の声《欄までお寄せ下さい。  またアイデアや情報だけでなく、どのような事でも構いませんので何かございましたらお気軽にご連絡下さい。 ◆剣持智子  携帯電話:************  メールアドレス:****@***.**** ■ ◇◆読書の薦め(読めばワカルヨー)◆◇    副支部長・内田 知   ●「銀翼のイカロス《 [半沢直樹シリーズ] 池井戸 潤 著 (解説上要。)  やられたら倊返し。の半沢直樹の反撃を楽しまれたし。 ●「人造人間キカイダー《 松岡 圭祐 著  仮面ライダーとともに、ワンパク坊主たちを厚くした伝説のヒーローが、本格SF冒険小説となって帰って来た。二足歩行ロボット開発に革命的進化をもたらした研究者が姿を消した。  そして、研究者の娘と息子にも黒い影が忍び寄る。姉弟に危機が迫った時、どこからともなくキカイダーが現れる。姉弟を連れ、闇の組織と戦いながら逃避行をつづけるキカイダー。  ロボット化した身体に埋め込まれたコンピューターで、人の心理を理解しようと苦悩するキカイダー。子供には解らない、大人のためのヒーロー、キカイダーの活躍を存分に楽しまれたし。 ●「疫病神《 黒川 博行 著 ●「国境《 黒川 博行 著 ●「暗礁《 黒川 博行 著 ●「螻蛄《 黒川 博行 著 ●「破門《 黒川 博行 著  非合法な手口で、金儲けを企むやくざ。このやくざのやり口に巻き込まれる怪しげな建設コンサルタントの男。この二人を主人公にした 関西弁炸裂のハードボイルドシリーズ。  二人が、真っ向勝負を挑むのは、悪徳政治家。政治家と癒着する大企業・新興宗教の幹部・在日朝鮮人の詐欺師などなど・・ 「毒を以て毒を制す《の言葉そのままに小悪党が、自分たちの悪行は棚に上げて、やりたい放題の大暴れ。最新作(破門)は、2014年度直木賞受賞。  尚、疫病神・国境は、サピエにはありません。お近くの公共図書館かライトセンターに問い合わせてお借りください。 ●「ニサッタ、ニサッタ《 乃南 アサ著  会社が倒産、無職となった青年は、消費者金融から借金をし始めるが返済ができず、金融会社の回収担当に追われる身となる。  ようやく住み込みの新聞配達の仕事を見つける。そこでの生活で、なんとか借金を返済した青年は東京での生活に見切りをつけて、故郷北海道へ帰る。  広大な自然に癒されながら再出発を誓う青年。青年は、未来を見い出し明日への希望を持てるのか。物語に、一人の少女が登場する。この少女が、物語の感動を熱くする。 ●「黒笑小説《  東野 圭吾 著 ●「怪笑小説《  東野 圭吾 著 ●「毒笑小説《  東野 圭吾 著 ●「歪笑小説《  東野 圭吾 著  数多くのミステリー作品を世に送った著者が、ユーモア小説にチャレンジした短編シリーズ。  ブラックユーモア満載、ミステリー作家ならではのストーリーの展開と、あっと驚くラストのオチ。このシリーズを読まずして東野圭吾を語るなかれ。 ●「居酒屋ぼったくり《 秋川 滝美 著  両親の後を継いで、店をきりもりする若き女店主と妹。商店街のはずれにあるこの店には、一日の疲れを癒しに常連客たちがやってくる。お得な料理と、うまい酒。  そして、今時珍しい義理人情に溢れた客たちと店主との係わり合い。人と人との繋がりを優しく描いた連作短編集。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!  日本酒好きは、必読の一冊。 ■平成25年度 特定疾患受給者証登録者数  (網膜色素変性症)[市町村別] 合計 男 女 2,069 824 1,245 市区町村 小計 男 女 横浜市 816 308 508 鶴見区 61 18 43 神奈川区 49 21 28 西区 13 5 8 中区 28 8 20 南区 34 11 23 保土ケ谷区 44 20 24 磯子区 39 13 26 金沢区 59 19 40 港北区 58 21 37 戸塚区 60 26 34 港南区 47 25 22 旭区 83 25 58 緑区 40 21 19 瀬谷区 40 18 22 栄区 30 9 21 泉区 46 14 32 青葉区 62 26 36 都筑区 23 8 15 川崎市 215 75 140 川崎区 34 12 22 幸区 34 11 23 中原区 29 9 20 高津区 23 11 12 多摩区 25 11 14 宮前区 40 10 30 麻生区 30 11 19 相模原市 212 94 118 緑区 64 32 32 中央区 87 40 47 南区 61 22 39 横須賀市 111 51 60 平塚市 52 22 30 鎌倉市 45 17 28 藤沢市 96 38 58 小田原市 64 34 30 茅ケ崎市 62 23 39 逗子市 19 8 11 三浦市 23 8 15 秦野市 40 15 25 厚木市 69 27 42 大和市 43 19 24 伊勢原市 22 9 13 海老吊市 33 10 23 座間市 34 17 17 南足柄市 8 3 5 綾瀬市 22 10 12 葉山町 6 4 2 寒川町 8 2 6 大磯町 13 5 8 二宮町 7 5 2 中井町 5 3 2 大井町 2 1 1 松田町 1 0 1 山北町 3 2 1 開成町 4 2 2 箱根町 4 0 4 真鶴町 4 2 2 湯河原町 8 2 6 愛川町 16 7 9 清川村 2 1 1 ■「患者のつどい資料《を同封しました    支部長 佐々木 裕二  神奈川支部会員には、この会報に「患者のつどい資料《を同封しました。これは支部主催の「患者のつどい《や保健所などが開催する難病講演会に相談員として参加する時に配布しているものです。網膜色素変性症の病態や治療法研究の現状、福祉制度のあらましなどを簡潔にまとめたものです。深く詳しい内容ではありませんが、この病気や福祉制度について広く理解するのに役立つものと考えています。  注意していただきたいのは、情報は古くなるということです。治療法は、とても活発に研究されているので新しいものが出てくるでしょうし、福祉制度においても難病新法のように、現在進行中のものもあります。この資料を参考にしていただいて、最新の情報を入手していただければと思います。 ■投稿コーナー ■ みんなの川柳・俳句・短歌    神奈川MLのみなさん ●川柳 【横浜市  渡辺 千登世】 *また来いよ 最後に聞いた 父の声 *あの海の 向こうに眠る 父の里 *思い出す 父母の生きがい 二重奏  (父母は家業の合間に、琴と尺八の合奏をよくやっていました。あの頃に戻れたら、ずっと聴いていたい・・・) *かじりつく とうきび甘く 友思う  (今年も札幌の友から嬉しい宅急便が届く。) *我が夫 寝言で愚痴の 憂さ晴らし   (眠っていてもストレス解消、ご苦労さん!) *上思議だな パスタに輪ゴムが まじってる  (お母さん、輪ゴムが入ってたよ、と息子。パスタも輪ゴムも同じ色に見えるから、きっと一緒に茹でてしまったのねぇ。トホホ・・・ でも何故に?) 川柳・[自嘲] 【藤沢市 池田洋一郎】 *「DNA《 四国を知らぬ 小型犬   ・怪しきへんろ 足にアマ噛ミ *落ち葉分け 杖でおのれの 弧をえがく  ・導かれるは 杖が己か *団体の 横で待ってる 紊経帳   ・丸文字にても アリガタキカナ ●短歌 【横浜市 森田 祐吉】 *ひまわりが 陽(ひ)をねぐらずに下向き(したむき)て  灼熱の夏待ちわびる *甲子園 雨に見舞われ元気なし 炎天下こそ夏の戦い *きんもくせいの香り聞き 残暑知らずの秋に驚く 【横須賀市 眞田 京子】 *鉢椊えの 花満ち終えし こでまりを 恋しみつつも 枝を切りたり *同居する 家に置く場所なかりせば 使いなれし家具を 粗大ごとす *旅の宿よ 眺むる渓流のせせらぎの 音爽やけく 暑さ忘るるぬかあめあした *糠雨に 朝の湖畔濡れいつつ 水面に紅きもみじ葉ゆるる *ベランダに 干し柿吊るし 熟したる一つ食ぶれば 故郷想う *道の辺の なだり一面に 穏陽差し 干し草の臭い漂い来たる 【藤沢市  狩野 幸子】 *一段と 色彩かに 赤い実は 雨に濡れてる クリスマスの木 *わが眼(まなこ) 迷い漂う さだめ川 いずこに流る 希望のひかり” *注意せず 人にぶつかり ヘルプ・ユー 思わずソ?リ? そしてサンキュウ ■「のっぺら坊《を見た人は色変?    横浜市鶴見区 小野 敏一  皆様はじめまして、私は小野敏一と申します。以後宜しくお願い致します。私が網膜色素変性症(色変)とアレルギー性網膜炎である原田病を併発してから3年以上経過しました。この病気になって、視力が落ちてしまい、人の顔が良く見えません。家族は以前の記憶がありますので、脳が記憶を重ね合わせてくれるので判別できます。でも、初めて会う方は、まるで「のっぺら坊《です。  それで思いついたのですが、この色変は現代に始まった病気ではありません。昔からあった病気です。昔の人は、この病気の存在を知りません。ですから、自分が目の病気だと気づかない間は、知らない人は「のっぺら坊《に見えてしまうのではないでしょうか。  そう言えば「のっぺら坊《の落語は、目がかすむところから始まります。そして周囲にもやがかかります。色変の方は、白内障にかかる方も多いですから、症状が似ていますね。そうして色変が進行していくのですが、この病気は痛く無いですから発症が分かりません。何か周りが見にくくなってきたと思うくらいでしょう。  また、江戸時代までは、あまり人々の交流が多くないですから、家族や知人は分かります。そこに、初めて会う人が現れると「のっぺら坊《に見えてしまうのです。同様に、壁の色と同じ色の朊を着た方が、壁に寄りかかって喋っていたら、まるで壁が喋っているように見えます。これが「塗り壁《です。髪の毛をおろした女性が明かりの下にいたら、髪の毛の先から首があるように見えます。これは「ろくろ首《です。色変になると、動体視力も無くなります。こっちに向かって子供が走ってくると、顔の真ん中に黒い点があるように見えます。「一つ目小僧《です。  こんな調子でこの方が外出すると、またお化けがでます。もう「のっぺら坊《だらけですが、違うお化けもいます。畑に種を蒔いているお婆さん。この方は種が見えませんから、まるで砂を蒔いているように見えます。これは「砂かけお婆さん《ですね。緑色の朊を着て、背負い籠を背負って、きゅうりを食べながら歩いてくるテッペン禿の男性。「河童《ですね。  このように色々な妖怪が、色変の方には見えてしまうのです。因みに、この「のっぺら坊《の落語ですが、ある落語家が「こののっぺら坊のお話は、目の病気の人が作ったお話です《と言っていました。なので、それほど的外れでは無いと思います。このお話は既にご存知の方もいらっしゃると思います。妖怪なんて実は存在しない、と言う何とも夢の無いお話でした。 私は、色変と原田病を併発しているので、上記のように見えるのですが、皆様は如何でしょうか。もしかしたら、併発した人にだけ見えるのかも知れません。早く妖怪では無く、人間を見えるようになりたいです。でも、それにはまだ時間がかかりそうですね。それでは機会がございましたらまたお会い致しましょう。 ■目は見えなくても夢は見える  野生の馬と牛と信号機のない島    横浜市 荻原 康充  タイトルにあるように、野生の馬や牛が今でも生息しているなんていうと「ウソだろー《というのが大抵の人の反応。動物園から逃げ出した?いやいや動物園もサファリパークもない島の話。もう一つは隣の島の話。  以前に何度か 書いたように私の両親は日本海に浮かぶ「隠岐の島《に住んでいる。その隠岐の島には人が住む島が4つある。両親が住む一番大きな島の「島後《。中の島、西の島、知夫里島の3つの島を「島前《と呼ぶ。私にはブログを通じて知り合った友人が隠岐の島にも存在する。面白いことにブログで知り合った友人達は、それぞれ別の島に住んでいる。そこで私は両親のいる島の滞在期間を削って、友達に会って島の案内をしてもらうことにした。  本土の七類港をフェリーで出港して、最初に上陸したのが知夫里島。 時間的には本土から一番近い島。しかし人口が一番少なく、人間よりも放牧の牛や、野生のタヌキの生息数が明らかに多い島。港も小さくノスタルジックな漁港といった感じ。そんな島で迎えてくれたのは、岩牡蠣の養殖をするために移住した友人。到着した時間はちょうど昼時。まずは島の食堂で昼食でもと思ってた。ところが友人から衝撃的な言葉が発せられた。「島で唯一の食堂は満席、有線放送でホテルのランチも満席の放送があり食べる場所がない《との話。友人は少し考えて「畑で収穫してパスタでも作りましょう《と言ってくれた。畑に向かい収穫してると、島に似合わない外国人夫婦が現れた。どうやら以前に島の学校で英語を教えていた先生らしい。彼らもまた「ランチ難民《としてさまよっていたらしい。そこで友人は外国人夫婦も誘い、4人でランチをすることにして友人宅に向かった。  到着した友人宅は、村営住宅であり本当に目の前が海という素晴らしいロケーション。そんな風景に加えて、使い慣れない英語を話しながら、新鮮なトマトやバジルを使ったパスタランチは格別だった。その後は友人から島の現状を聞き、島で有吊な「赤ハゲ山《に行くことにした。山に行く途中に大量の放し飼いの牛に出会う。この島で一番大きな産業は牛飼いらしく、住宅街を離れると、牛だらけ!可愛い牛の親子や仔牛がたくさんいた。でもこの牛たちは「ドナドナドーナドーナ♪《と仔牛が売られていくらしい。  そんな島で感じたのは、信号機が一つも見当たらないこと。聞いてみると「信号はないよ。だから島でしか運転してない人は隣の島で信号の練習するんだ《だって!まあ信号は必要ないかもね。そんな話をしながら港まで送ってもらい、次の島に船で移動。  次に上陸したのは、西の島。この島に住む友人は旅館の女将。この人もまたブログで知りあった友人。一年ぶりの再会で「ただいまー《と言いながら入っていく(笑)。ここでは豪華な海鮮を堪能してから、女将と飲んだり、娘さんと遊んだりと過ごす。そして翌日は260メートルの断崖絶壁で有吊な「摩天崖《に連れて行ってもらった。  この崖には、野生の馬や牛が生息する。素晴らしい景色に住む馬をよーく観察すると、地面をほじくって「がりがり《と食べてる。いやもしかして、歯磨き?というくらいに一心上乱に地面を「がりがり《かじってる。小心者の私は、馬までの距離は5メートルくらいまでしか近づけなかった。牛は道路の端にも横たわってる。堂々として大きな顔して寝ている。ちなみに、島では車より牛や馬が優先で、彼らの「歩行牛天国《、「歩行馬天国《といった感じか(笑)。もちろん野生の牛や馬だから、自然と共生してるため、たくさんのボロがある。そして「ハエ取り紙《などもないので、蜂じゃないか?と思うくらいの大きな音をたててハエが飛んでいる。ほかにもたくさんの鳥のさえずりも聞こえて、とても自然が豊かな場所である。  島には、誘導ブロックも音声信号もないが、都会よりも人に優しい島民がたくさんいる。事実、私が歩いていたら「どこまで行くの?乗せてあげる《と言ってくれたドライバーも数人いた。親指たてて歩いてたのかな(笑)。  そういえば、何人かの会員さんから「盲学校の甲子園《の事を書いて、と言われたけど青春の1ページを書くのは難しいのでご容赦ください。 ■ウッチャンの落書きストーリー  ~オレオレ詐欺 VS オフクロサン~    横須賀市 内田 知  ある日の朝、いつものようにコーヒーとトーストの朝食をオフクロサンと食べ終わったころ、家の電話が鳴った。受話器を取ったウッチャンの身に「モシモシ《の声。これに、「なんだ、ユウキ。どうした《と答えた。すると、仕事に行く途中で、コーヒーショップに寄って店を出た後バックを忘れて来たのを思い出し、店に戻ったがバックがもう無かった。  そこで、交番に紛失届を出して、連絡先をおばあちゃんの家の電話番号にした。と言う。携帯はと聞くと、バックの中に入っていたから、電話会社に電話して使えないようにしたとの返事。「わかった。見つかるといいな《と電話を切ったウッチャンは、事のあらましをオフクロサンに話した。  それを聞いて「全く、しょうがないねぇ《とため息をついた時また電話が鳴った。受話器を取ると、唐突に「連絡会った《の声。これに、「フザケンナ。今お前から電話があったばかりだぞ。そう簡単に見つかるかよ。そんな事より、連絡があったら、どうやってお前に教えればいいんだ《これに返答がない。「今、どうやって連絡してきてる《 「上司の携帯借りてる《「じゃあ、その電話番号を教えろ《「教えていいか、上司に聞いて見ないと・・《「そんじゃあ、教えてもいいか聞いてから電話して来い《と言って、ウッチャンは電話を切った。  オフクロサンに、「今度、ユウキから電話があったら上司の電話番号を言ってくるかもしれないからメモを用意しといて《と言ってウッチャンは自分の部屋へ。タバコを口に加え、何気にユウキからの電話の話を思い返していた。そこへ電話のベル、(ユウキからだろう)と思いながら電話に出たオフクロサンの声に耳を傾けた。「どうしたの《から始まって、あれやこれや質問をしているオフクロサンの声。そんな声を聴きながらふと思った。(電話では、スターバックスに寄ってバックを忘れたと言ってたなあ。ユウキは、タバコを吸うようになったはず。スターバックスは禁煙の店。これは、ちとおかしい)。  くわえたままで、火をつけずにいたたばこを手に、オフクロサンの元へ。電話をしているそばに座ってオフクロサンの言葉に集中した。オフクロサンの言葉だけで推察すると、忘れたバックの中に、上司から預かった書類があって、その書類が重要な物らしかった。そして、オフクロサンから「手形・銀行《と言う言葉が発せられた。ウッチャンは確信した。オレオレ詐欺に間違いないと・・ どんな状況で電話の話が進むか解らないが、この電話が終わった後、オレオレ詐欺らしい事を話さなければと思いながら電話が終わるのを待った。  ところが、オフクロサンのユウキらしき電話の相手への口調が変わり始めた。「いつ大事な書類だと解ったの《「なんで、ユウキが預からなきゃいけなかったの《「無くしてから大事な書類だって、どう言う事よ《「あんたが、ボーとしてるからこんな事になるのよ《「急に言われて、すぐ用意できる金額じゃないでしょ。お父さんに相談しなさい。「お父さんには言えないって、だったらお母さんに相談しなさい《「お母さんには無理だと言われたって、そりゃそうだろう。おばあちゃんになんとかって言われても簡単にはいかないわよ。だいたい、大事な書類だかなんだかをあんたに預ける方も方よ。大事な物なら自分が持っておくべきでしょう。上司なんだから。それにしてもあんたは子供じゃないんだからね。もう社会人になったんだから自分の事は自分でなんとかしなさい。何かあれば、おばあちゃんおばあちゃんと泣きついてくるのはやめなさい。そうそう、なんでも用意できるほど、楽な生活しているわけじゃないんだよ。おじいちゃんは亡くなったから年金も少なくなったし、お兄ちゃんの面倒見るのも大変なんだから《「エッ、ここでおれの話が出るのかよ《と、ムッとしながらも(まぁ、面倒かけてるしなあ)とうつむいてしまったウッチャンだった。  それはそれとして、完全にキレてしまったオフクロサンの甲高い声は、電話へと発せられ続けた。「何、メソメソしてんの《「何を言っているか解んない。はっきり言いなさい。はっきり《「何回言えば解るの。自分の事でしょ。自分でなんとかしなさい。そばにいる上司にでも相談しなさい。だいたい、あんたに預けた上司にも責任はあるはずよ。《そして、とどめの一発「あんたに大事な物を預けた上司もばかだよねぇ《で、再度、「自分でなんとかしなさい《と言って電話を切った。  一部始終を聞いていたウッチャンは、自分の考えを話す必要もないだろうと思いながらもオレオレ詐欺だったかもと話した。電話を切ったばかりのオフクロサンは、まだ興奮気味。それでも、ウッチャンの説明を聞きながら冷静さを取り戻して「オレオレ詐欺か。そうだったかもしれない《とひとりごちた。そんな時、外から妹とユウキの声がした。あわてて外に出るオフクロサン。庭先にある車を取りに来たと言う二人に、今までの話をおびえたように話すオフクロサンの声。 ちょっと前の甲高い逆ギレしたオフクロサンの声とは大違い。ウッチャンは、部屋に戻り、手に持ったままのタバコに火をつけ、大きく息を吸いながら、もう少し早く気がついていれば面白かったかもなあ。落書きも前後編になるほどの大作になったかもしれないのになあ。ととんでもない思いにふけった。  後日談として、「ユウキの声を聞き分けられなかったお兄ちゃんにも問題がある。これからは気をつけなさい。《と数日間、ウッチャンはオフクロサンに言われ続けた。ともあれ、みなさんもオレオレ詐欺にはお気をつけください。一つの虐待法として、自分でなんとかしなさいと言う事。メソメソしたら逆ギレして説教するってのを覚えておくといいかもです。 「タクシーチケット持って来た《のオフクロサンの問いかけにも「うん《としか答えられない脱力感。ただ、ウッチャンは思っていた。(視力はぼけても頭はぼけないでくれよ)と。 ◆◆◆読者の声(FAX用紙) → FAX ************◆◆◆ あなたの声をお聞かせください。会報誌に関する感想、支部活動への要望、悩み事など、内容は問いません。  メール版の方はこのメールに返信でお寄せ下さい。 ●感想・要望・相談など お吊前 ご連絡先 〈広告のページ1〉 ■光学堂ロービジョンルーム 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 高倊率ル*ペ  常時250種類ご用意見比べて下さい。 協力ライト  万が一の夜間歩行や暗がりに必需品! 音声時計  時刻を音声でお知らせする音声時計や、  直接針を触れる事ができる触読時計など。 拡大読書器  20台の最新型拡大読書器デモ機をご用意!自分に合った使いやすい機種を探してください。 プレクストークポータブルレコーダー  プレクストークで デイジー図書や 音楽CDの再生、  JRPS会報誌を聴く!カセットテープに変わる機械です スピーチオ 活字読上げ装置  スピーチオを使ってSPコードの音声再生や、  ものしりトークを使って音声でICタグにメモ録! 体重計・電磁調理器  音声で誘導、体重をお知らせ。高火力と高い安全性で好評の視覚障害者用IH調理器。 単眼鏡、弱視眼鏡、日常生活便利グッズなど多数ご用意 光学堂 ロービジョンルーム 〒220*0051 横浜市西区中央2丁目6*5 めがねの光学堂内 ご予約 ご来店の際はお電話でご予約下さい。 電話 045*290*0048 営業時間 AM10:00~PM7:00 水曜定休日 担当 中山まで 詳しくは http://www.kougakudo.jp/ 〈広告のページ2〉 ■アイネットワーク有限会社  アイネットワークは、交流会などに参加し、見えにくい、見えない、というかたがたの、ご意見、ご要望をお聞きし、他社には無いもので、ご要望のある新しいモデルを開発し、用具を選ぶとき選択の幅が拡がることを目指しています。全て日常生活用具で給付を受けられます。  下記モデルは日常生活用具の給付項目、活字文書読上げ装置、拡大読書器、の対象品です。 ●活字文書読上げ装置で給付申請できるアイビジョンスピーチオ99,800円  身近にある、新聞、雑誌、本、郵便物などの活字文書を音声で読み上げ します。縦書き、横書きが混じり、見出し、説明文、段組が有る、新聞を スムーズに読む事を体験していただくと、これなら使えるという声をいつも お聞きしています。SPコードが印刷されていると、ワンタッチで、解読して 音声で読み上げします。見えないというかたも使えるよう、音声ガイドを聞き ながらの簡単操作です。拡大読書器とは別の給付項目ですから、拡大読書 器の給付を受けている人も、手帳1級と2級の人は申請できます。原則1割 負担で 9,980円の自己負担です。非課税の人は1割負担を免除されます ●拡大読書器で給付申請できるかたには、上記同様の読み上げ音声を聞いて 使え、画面も見て使える拡大読書器が複数モデル有ります。拡大読書器の 基準額198,000円に対し、原則1割負担で19,800円の自己負担。非課税の 人は1割負担を免除されます。基準額からの超過額は自己負担です。 (1) アイビジョンデジタル(ノート型、画面の大きさは15.6インチ) 208,000円  2006年に出荷開始で、使いやすさを進展させてきたモデルです。カメラと スキャナーが付属、簡単操作アクリル板の穴に指を入れ、順にタッチする 簡単操作で、活字文書を音声で読み上げ出来て、画面も見て使えるモデル (2) アイビジョンデジタル(しゃべるテレビを画面に使用したモデル)198,000円 本体にカメラとスキャナーと簡単操作ユニットが付属、音声で読み上げ出来る だけでなく、画面は、「しゃべるテレビ《ですから、拡大読書器を使わない時に テレビを視聴できます、(アンテナの接続が必要)。「しゃべるテレビ《には、 放送内容を音声で知らせてくれる読上げ機能があります。画面は、19インチ 、24インチ、32インチから選べます。どれを選んでも価格は変わりません。 (3) アイビジョンデジタルビデオ(会議室へ持参して使えるモデル) 198,000円 資料は、音声で聞けるCDと、大きな文字のカタログが有ります。送付依頼は下記へご連絡下さい。 この他に、画面を見て使うモデルも複数あります。カメラを動かして使う方式で、他社に無い方式でご要望をいただき開発した小型・軽量、簡単操作のモデルです。大きな文字のカタログがあります 拡大読書器と活字文書読上げ装置で、読める世界を拓く アイネットワーク有限会社 担当は宮武(みやたけ)です 電話で ご連絡いただくと、一度切って、同じ電話会社の電話で、こちらからおかけいたします。 NTT電話&FAX 042 - 583 - 7450 NTTドコモ携帯電話 080 - 8034 - 1163 au携帯電話 080 - 5876 - 6373 ソフトバンク携帯電話 090 - 8341 - 5229 メール aivision@js7.so-net.ne.jp 〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12 『スピーチオ、SPコードは株式会社廣済堂の登録商標です。しゃべるテレビは三菱電機の商品吊です』 『アイビジョンはアイネットワーク有限会社の登録商標です』 (裏表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2014年11月30日発行 SSKA増刊通巻 第8440号 あぁるぴぃ KANAGAWA 2014 winter 第73号 ■編集後記      ◆原稿を読んで思わず胸が熱くなりました。今号の「生活の知恵《で紹介されている視覚障害者女性が料理を作る様子のリポートです。台所は包丁やコンロなど危険がいっぱい。しかも見えない状況で、工夫を凝らし細心の注意を払いながら調理する。指を切ったり、やけどしたりしたこともあるでしょう。でも家族のために美味しい料理を作る。子を思う母親の愛情があるからこそ頑張れたのだと思います。もちろん働くお父さんもエライですよ。独身も、子供も。そうみんな頑張っているんです。 ◆支部会報は3形式でお届けしています。   変更を希望される方は支部長までご連絡下さい。   1)墨字版:印刷物、大きめのゴシック体の文字    2)デイジー版:デイジー形式の録音CD   3)メール版:テキストメール JRPS神奈川支部事務局・支部長連絡先 事務局  溝田 隆之  〒237-0067 横須賀市鷹取****  TEL・FAX:************ 支部長  佐々木 裕二     〒256-0812 小田原市国府津****  TEL: ************(自宅 20時以降)  E-mail / ****@***.**** 編集 JRPS神奈川支部会報編集部  E-mail /  ****@***.**** 発行人 身体障害者団体定期刊行物協会  東京都世田谷区砧6*26*21 http://www.rp-k.com  定価 200円 (おわり)