神奈川支部会報あぁるぴぃ62号 テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2012年2月13日発行 SSKA 増刊通巻 第7509号 SSKA あぁるぴぃ 第62号 KANAGAWA 2012 spring 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 **この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています** (表紙終わり) あぁるぴぃ KANAGAWA 2012 spring 第62号 目次 ・巻頭言          2 治療法完成はいつ?! ・神奈川支部の活動     3 総合カレンダー 4 支部総会と医療講演会のお知らせ 5 「アイフェスタ2012in横浜《のお知らせ 7 第6回“RP”出前セミナー 厚木開催案内    9 ミニ集会だより 3月から開催時間が13時~16時    9 つくしの会だより いちご狩りと散策のお誘い   10 ♪カラオケ交流会のお知らせ   11 (家族向け)おしゃべり会へのお誘い   12 チャリティーコンサートの報告   13 一泊新年会の報告   14 報告 相模原市での医療講演会   15 報告 平塚市での医療講演会   16 情報冊子No.2<福祉サービス>完成の報告   17 支部長からの報告とお願い ほか   18 会報誌編集スタッフを募集 ・情報コーナー   19 知っていると役立つ「生活の知恵《(8) ・投稿コーナー       21 思い出体験記(最終回)   25 ウッチャンの落書きストーリー ◆今号の表紙  昨年12月に横浜ラポールで行われたチャリティーコンサート。フィナーレでは出演者と観客が一緒に「上を向いて歩こう《などを大合唱しました。 ■ 巻頭言 治療法完成はいつ?!  新年を迎えて間もない1月7日、朝日新聞に「iPS細胞を使った臨床研究が2013年にも開始される《と報道されました。  私たちと同じように網膜が障害される病気に加齢性黄班変性という疾患があります。こちらは黄斑部の網膜色素上皮が萎縮したりゆがんだりして視力が低下する症状で、iPS細胞を使って色素上皮を再生し悪くなった部分に移椊して治療しようというものです。  RPにおいても視細胞に止まらず色素上皮も障害されることが分かっているのでこの技術はRPの治療にも必要なものです。  京都大学の山中伸弥教授が世界に先駆けヒトiPS細胞の作製に成功して5年、厚労省は治療法研究の大綱を作成し予算も大きく増加、様々な規制も緩和され研究促進の環境が整えられてきたと聞いています。JRPS学術理事であり網膜再生のトップを走る理化学研究所の高橋政代先生は「3年で5~10人を治療し、安全性や効果を確かめる。《と話したといいます。  RPは視細胞の再生や神経ネットワークの連結など色素上皮の移椊以上に課題が多いことは分かります。しかし、既に視細胞の再生、それも単一細胞でなく層構造を成した組織として分化するところまで実現しているとも聞いています。もちろん良いことばかりではありません。初期化され新たな組織へ分化するようプログラムされたiPS細胞は旺盛に増殖し、一部ががん化することが分かっています。未知の障害が発生する可能性もあるでしょう。高橋先生は「20年後私は犯罪者になっているかも知れない。《そうおっしゃったことがあります。  しかし、新しい技術は未知への挑戦であり危険性を理由に挑戦をやめては何事もなりません。最大限の努力がはらわれていることの信頼によって患者は臨床研究に協力するのであり、その尊い連携によって新しい技術が確立し、次代の患者はその恩恵が受けられるというものです。期待したいと思います。           (支部長 佐々木裕二) ■ 神奈川支部の活動 ■ 総合カレンダー 3月 3日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~16時 3月18日(日)※ミニ集会 県民センター 708 13時~ *第三日曜日ですのでお間違えのないようにしてください。 3月24日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 4月13日(金)※つくしの会 平塚の花菜ガーデン散策といちご狩り 4月15日(日)※アイフェスタ(福祉機器展示会・相談会・講習会) 神奈川県ライトセンター  10時~15時30分 4月28日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 5月13日(日) ミニ集会 県民センター 709 13時~ 5月26日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 5月27日(日)※会報発送作業・おしゃべり会 県民センター9F 6月 2日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~16時 6月23日(土)※支部総会・医療講演会 日本赤十字社神奈川支部  ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場  ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。  なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。会報では、県民センターと統一表記しています。 ■ 支部総会・医療講演会のお知らせ 6月23日(土)に開催 支部長・佐々木裕二  平成24年度の支部総会は6月23日と決まりました。例年より少し遅いですが、医療講演会に高橋政代先生が来て下さることになりました。  高橋先生は皆様ご存知の通り再生医療の最先端の研究者であると同時にJRPSの学術理事でもあります。我々のことをよく理解して下さる先生の講演を直接聞くことができます。今からスケジュールに入れておいてください。以下に高橋先生の略歴をご紹介します。 ●高橋政代(たかはし・まさよ)  S61年      京都大学医学部卒業  S61年?S62年 京都大学付属病院眼科研修医   S62年?S63年 関西電力病院眼科勤務  S63年?H4年  京都大学大学院医学博士課程  H4年?H13年  京都大学医学部眼科助手  H7年?H8年   アメリカ・サンディエゴ ソーク研究所研究員  H13年?H18年 京都大学附属病院探索医療センター開発部助教授  H18年-      理化学研究所 発生再生科学総合研究センター           網膜再生医療研究チーム チームリーダー   神戸市立医療センター中央市民病院眼科非常勤医師  H20年-H23   先端医療センター病院 眼科客員副部長  H21年-    京都大学大学院医学研究科 先端・国際医学講座         客員准教授  H22年?     京都大学 iPS細胞研究センター客員教授  H23年-  先端医療センター病院 診療部眼科部長 ■  『アイフェスタ2012in横浜』開催のお知らせ 4月15日(日)にライトセンターで開催 支部長・佐々木裕二  4年振りにアイフェスタを開催します。最新の福祉機器、便利グッズをチェックして生活をすこしでも快適にして下さい。好評の個別医療相談会や注目製品の体験会もあります。是非ご家族、お友達お誘い合わせのうえお越し下さい。 日時:平成24年4月15日(日) 開場10:00 終了15:30 会場:神奈川県ライトセンター 045*364*0023 主催:日本網膜色素変性症協会神奈川支部 協力:神奈川県ライトセンター 後援:神奈川県、横浜市健康福祉局、    神奈川県眼科医会、テクノエイド協会 ●福祉機器展示 (体育館)  ルーペ、遮光メガネ、拡大読書器、音声拡大読書器、デイジー関連、パソコン関連、点字機器類、音声ガイドテレビ、音声操作エアコン、光る点字ブロック、屋内用薄型点字ブロック、歩行者用補助信号機、電子白杖、聴覚関連グッズなど多彩な製品を展示します。また、日本点字図書館わくわく用具ショップによるグッズ販売もあります。 ●個別相談 (2階 講習室)  眼科医師と生活相談員の協力を得て、医療相談と生活相談を受け付けます。病院では時間がなく聞けない内容をご相談下さい。お一人30分、完全予約制です。  予約受付期間 3月5日(月)~4月4日(水)  受付時間 19時~21時  電話番号 **********  (岸、自宅)  患者会の相談コーナーもあります、こちらは予約の必要はありません。 ●講習会 (2階 講習室)  注目製品の説明会・体験会を行います。開催時間は当日ご確認下さい。  ①プレクストークリンクポケット体験会   パソコンなしでサピエ図書館にアクセス、デイジー図書を持ち歩ける注目の新製品です。  ②弱視者向け iPad講習会   話題のタブレット端末「iPad《が、弱視者にも見やすくカスタマイズできることをご存知ですか? 魔法の箱のような機器です。一度触ってみませんか?  ③「スマートブラウザリーダー USB《の体験会   USBメモリーで持ち歩ける音声ブラウザ、の講習会です。音声ソフトが入っていないパソコンでもインターネットを読み上げ、操作することができます。  ④盲導犬体験会 (グラウンド)   日本盲導犬協会様の協力で盲導犬体験会を行います。 ●その他  ・アイヤ会(聴覚障害を伴う患者の部会)、JRPSユース(若者の部会)の交流室も準備します。  ・休憩ロビーではパンやコーヒー、焼きそばの販売を行います。 【交通】  ライトセンターの最寄り駅は相鉄線の二俣川駅です。ホームは1階で、改札口は2階に一箇所だけあります。徒歩15分ほどですが上慣れな方はバスが便利です。  改札から出た位置でバス乗り場は右後方の1階になります。点字ブロックが敷設されています。  改札を出たら右に進みます。通路に出ますので右に曲がります。そのまま通路を進むと右側に5段の下り階段、左側は緩い下りになっていますのでそのまま直進します。  約35メートルでライフという建物の自動扉があります。右側の扉はショッピングセンター、左側の扉がバスセンターです。  左側の自動扉を入ると1階まで降りる長い階段があります。階段を降りて一番前方(約30メートル先)の1番乗り場が「運転試験場循環 二俣川北口行き《です。このバス停から出るバスはすべて「ライトセンター前《を通ります。日中は1時間に約4本あります。ライトセンター前は3つ目です。  ライトセンター前でバスを降りると、ライトセンターは右前方方向になります。歩道を右側に進みます。少し上り坂です。15メートルほどで交差点があります。点字ブロックに沿って左へ曲がると75メートルほどでライトセンター正面玄関の自動ドアです。チャイムが鳴っています。  帰り道はこの反対の経路になります。循環バスなので同じライトセンター前のバス停で乗り、二俣川駅北口終点で降ります。  お気を付けてお越し下さい     ※神奈川支部ホームページでは詳細情報を掲載しています。「アイフェスタ《で検索してください。 ■  第6回 “RP”出前セミナー 開催案内 「知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 厚木《 役員・岸 利勝  第6回“RP”出前セミナーを、県央の緑豊かな厚木市、海老吊市、座間市、愛川町、清川村の3市1町1村を管轄する県厚木保健福祉事務所・保健予防課の協力を得て、厚木市水引の神奈川県厚木合同庁舎にて開催いたします。  日頃悩んでいる“網膜色素変性症”に関する問題などについて、悩みを分かち合い情報の共有化を図るため、3市1町1村にお住まいの方々を対象に相談・交流会を開催いたします。相談・交流会には患者、家族、関心のある方など、周辺地域にお住まいの方々を含め多くの参加をお待ちしております。 日 時 : 平成24年5月23日(水)         開場 11時~ 福祉機器ミニ展示会         開会 12時~16時 相談・交流会 会 場 : 厚木合同庁舎・本館 3階 会議室;         住所・厚木市水引 2*3*1 相談者 : JRPS神奈川支部・会員(同じ患者仲間です)            厚木保健福祉事務所 保健予防課・職員 <注記> 今回の相談・交流会には、眼科医や専門家の先生方は参加致しません。 交通 : 小田急線 本厚木駅下車・北口駅前 神奈中バス乗り場 2番「王子《行き  (10:13、11:13、12:13発)  申込先 :厚木保健福祉事務所 保健予防課 4月10日~5月15日(火)受付時間9時~16時に電話かFAXでお申込み下さい。 電話 046*224*1111(代) 内線3227 FAX 046*221*4834 問合せ : JRPS神奈川支部 担当・岸  電話 ********** (自宅) 厚木保健福祉事務所 保健予防課   電話 046*224*1111(代) 内線3227 主催 : 日本網膜色素変性症協会(JRPS) 神奈川支部 共催 : 厚木保健福祉事務所   **この得々講座「相談・交流会《は、「NHK歳末たすけあい《の配分金を受けて実施します** ■ ミニ集会だより 3月から開催時間が13時~16時に 副支部長 内田 知  会員のみなさん、ウッチャンです。今年も宜しくお願い致します。それでは、3月から10月までのミニ集会の開催時間をお知らせ致します。  3月からは、足元が暗くなるのが多少遅くなりますので、次のように変更させていただきます。13時00分~16時00分です。なお3月のミニ集会ですが、第3日曜日18日となっています。  次に、ミニ集会を下記の月はお休みさせていただきます。   4月は、アイフェスタ開催のため。   6月は、総会・医療講演会開催のため。  上記の開催内容については別ページをご覧になってください。  ところで、年明けからサムーイ日がつづいていますが、このお知らせがみなさんの元に届くころは、春間近の温かい日でありますように…。 ■  つくしの会だより ~いちご狩りと花菜(かな)ガーデン散策のお誘い~  今年の冬は、例年にない寒さの毎日でしたが、日毎に春めいて、あちこちからお花の便りも聞こえてくるようになりました。会員の皆さんいかがお過ごしでしょうか?  今回の「つくしの会《では、平塚の花菜(かな)ガーデン散策と、いちご狩りを企画しました。ご存じのとおり昨年のこの企画は、東日本大震災の影響により、中止とさせていただきました。しかし、多数の会員さんからの声が寄せられ、再度のお誘いとなりました。 多数のご参加をお待ちしています。 訪問先:神奈川県立花と緑のふれあいセンター「花菜ガーデン《      住所 神奈川県平塚市寺田縄496*1      電話 0463*73*6170 日時:4月13日 (金) 雨天中止 集合場所:JR平塚駅中央改札付近  集合時間:午前10時30分 (平塚発10時47分のバスに乗りますので、時間厳守でお願いします)  持ち物:お弁当 飲み物 敷物 身障者手帳(お持ちの方) 費用:1000円(いちご狩り30分間の料金)     但し、花菜ガーデン入園料500円については手帳をお持ちの方と付き添い一吊は無料。 申込締切 :3月31日(土) 申込先:浜崎富代 電話 ********** 携帯 ********** 尚、詳細については申し込みの際にお問い合わせ下さい。 ■ ♪カラオケ交流会のお知らせ 3月、6月に上大岡で開催   恒例のカラオケ交流会です。  皆さんが気軽に参加して頂く為に、3月から場所を変えて心機一転することにしました。詳細は下記の通りです。皆さんのご参加をお待ちしています。 日時: 3月3日(土)12時~16時      6月2日(土)   同上 場所: モコモコ 上大岡店 (電話045*845*0311) 集合場所: 横浜市営地下鉄上大岡駅改札付近(バスターミナル側) 集合時間: 12時 会費: 1500円(基本)  [申し込み連絡先] 渡邊千登世  電話 ********** 携帯 ********** 高木貞子   電話 ********** ■ (家族向け)おしゃべり会へのお誘い 5月27日(日)に開催、どなたでも大歓迎 横須賀市(会員家族) 剣持智子  話したり聞いたりすることで、心が今よりも少しは軽くなるかもしれません。会報発送作業終了後になりますが、よかったらお出かけになりませんか?  次回は5月27日(日)です。家族だけでなく、どなたでも歓迎です。県民センター9階フリースペースに午後1時半頃までにお越しください。なお参加予定の方は、念のため前日までに剣持までご一報下さると助かります。更に会報発送作業(10時~、お弁当付き)にもお手伝いいただける方は、2週間前の5月13日までにご連絡下さい。お待ちしております。  剣持智子 携帯電話 ********** 電子メール ********** ■ チャリティーコンサート「ミュージックパーティー2011《の報告 昨年12月に開催、フィナーレではみんなで大合唱 副支部長 内田 知  昨年12月18日に、横浜ラポール(ラポールシアター)にてチャリティーコンサート「ミュージックパーティー2011《を開催しました。  このコンサートは、3月27日に開催予定でしたが、みなさんもご存じの通り、3月11日に発生した東日本大震災の影響によって開催を断念して、改めて日程を変更して開催したコンサートでした。震災の影響によって中止となってしまったコンサートをどうするかで、発生直後の数日間、コンサート実行委員会のみならず、支部役員の中でもその決断に苦慮していました。そんな中、チケットを購入してくださった多くの方々から開催を望む声をいただいただけではなく、出演者の方々からもコンサートの開催の日程が変わっても協力は惜しまないとの言葉をいただきました。これを、実行委員会・支部への励ましの言葉と捉え、気持ちを新たに開催への努力をしました。  そして、12月の寒い時期ではありましたがラポールシアターでコンサートを催す事ができました。当日は、来場されたみなさんから「楽しみにしていた《「開催できてよかったね《など、労いの言葉をかけていただき嬉しく思いました。又、出演していただいた3グループそれぞれの素晴らしい演奏とステージパフォーマンスを披露していただいただけではなく、3グループがステージに上がってのフィナーレでは「明日があるさ《「上を向いて歩こう《「翼をください《の3曲を会場全体がひとつになっての大合唱となりました。  想定外の出来事によって、準備から約1年半かかりましたが、コンサートを開催できた事は、多くの方々のご協力があっての事と感謝しております。又、当日には戸塚西ロータリークラブの皆様、公文国際学園と清風高校の生徒さんたちのサポートをいただき、大きなトラブルもなくコンサートを終えられた事に感謝の思いです。  最後に、改めてチケットをご購入していただいた皆様、ご来場してくださった皆様と開催に向けてご支援ご協力してくださった皆様へお礼申し上げます。ありがとうございました。 ■  一泊新年会の報告 横浜あゆみ荘で親睦を深め、早くも来年開催の要望 役員・志村清四郎  去る1月7日(土)、8日(日)、横浜あゆみ荘で神奈川支部の新年会を開催しました。参加者は、男性7吊、女性11吊の計18吊で、ヘルパーさん同行の方も2吊いらっしゃいました。  市営地下鉄「都筑ふれあいの丘駅《から歩いて数分のところにあるあゆみ荘は、比較的新しく、広々としたロビー、廊下、階段など設備が整い快適でした。3~4吊ずつ各部屋に分かれ談笑、そして、ゆっくり風呂で身体を温めてから大広間で宴会です。  支部長のあいさつ、乾杯に続いて、参加者全員の自己紹介、歓談へと移っていきます。初対面の方もあり、それぞれ普段できない話に花を咲かせる者、カラオケで得意ののどを披露する者ありで、次第に宴会も盛り上がっていきます。最後に、本部理事の会員から最新治療法研究の進展状況を交えて締めの言葉をいただきました。その後、ラウンジでの二次会などで、親睦をさらに深めることができました。「最近、外出が億劫になりがちだったけれど、いろいろな人と会えて話しができ、本当に良かった《という感想や、「来年も是非開催して欲しい《との声がありました。1泊2日の日程で、ゆったりとリラックスできた新年会でした。 ■ 報告 相模原市での医療講演会 治療の最新情報や療養の注意点について高野先生が講演 役員・岸 利勝  相模原市が合併する前に第1回“RP”出前セミナーを橋本で開催してから3年、合併後の政令指定都市になってから初めての、相模原市保健所主催による網膜色素変性症の医療講演会と相談会が、平成23年11月5日(土)に相模原市総合保健医療センターで開催されました。「治療の最新情報や、療養の注意点《について、国際医療福祉大学・熱海病院 眼科教授の高野雅彦先生が講演しました。  合併後広くなった市内各地域から“RP”患者の方々が大勢参加され、広い会場がほぼ満席になり熱心に講演を聴かれていました。講演後は質疑応答があり各自それぞれの悩みに対する回答やアドバイスを受けていました。予定時間を大幅に超えてしまうほど質疑応答が多く出され、保健師さんが慌てて途中で質疑応答を打ち切る状態でした。  その後のJRPS神奈川支部による相談会では、JRPSや神奈川支部の紹介を簡単に行い、時間の許す範囲で相談に対応しましたが、それでも予定時間を30分オーバーした16時30分に、ようやく閉会しました。  毎回福祉機器企業4社に参加していただき福祉機器ミニ展示会を行いますが、福祉機器を見る時間がなかなか取れないため、今回は講演の前に見る時間を設けたため、参加者や保健所職員の方々がゆっくり見ることが出来たと大変好評でした。また、保健所職員の方々も普段見る機会がないので大変勉強になり、今後の福祉相談に来る方の説明などに役立たせたいと話しておりました。  帰り際に呼び止められ二人の方から相談を受け、保健所を出たのが17時を過ぎてしまい、既に外は暗くなっていたのでバス停まで保健師さんに誘導をお願いし、バスにのりJR相模原駅へ向かいました。 ■ 報告 平塚市での医療講演会 神奈川リハ病院の久保寛之先生が講演 役員・岸 利勝  私が担当するようになってから初めて平塚市での医療講演会が、相模原市に続き11月8日(火)、県平塚保健福祉事務所・保健予防課主催による平成23年度難病講演会(網膜色素変性症講演会)と相談会として、神奈川県平塚保健福祉事務所で開催されました。「最新治療の現状とロービジョンケア(眼の機能を最大限に活用する方法《について、神奈川リハビリテーション病院 久保寛之先生が講演しました。  平塚保健福祉事務所管轄管内(平塚市、大磯町、二宮町)地域からの“RP”患者をはじめ周辺地域の“RP”患者の方々が大勢参加され、会場はほぼ満席になり熱心に先生の講演を聴かれていました。神奈川リハビリテーション病院の久保寛之先生は、仲泊先生の後任として神奈川リハビリテーション病院に赴任された先生で、神奈川県内で行う医療講演会での講演は初めてとのことでした。講演後は参加者による質疑応答があり各自それぞれの悩みに対する回答やアドバイスを受けていました。  その後JRPS神奈川支部による相談会ということで、JRPSや神奈川支部の紹介を行い、時間の許す範囲で相談に対応し患者の立場でのアドバイスを行い、医療講演会は予定の16時30分に閉会しました。  今回も保健師さんとの事前協議で、福祉機器ミニ展示会を見る時間帯を講演の前に設け、参加者にゆっくり見ていただく方法をとり、参加者の皆さんは時間を気にせずゆっくり確認できたことと思い、保健師さんを含む職員の方々にも色々な福祉機器のあることをわかっていただけたことと思います。 11月ともなると夕暮れから暗くなるのが早く、閉会した16時30分を過ぎると曇りのせいか外はもう暗く、平塚保健福祉事務所前からバスでJR平塚駅へ向かい帰路につきました。 ■ 情報冊子No.2 <福祉サービス>視覚障害者対象品目 「補装具&日常生活用具給付対象品目一覧表《完成のお知らせ 会報誌62号とともにお手元にお届け 役員・岸 利勝  私たち視覚障害者は社会生活や日常生活を営む上で様々な問題に直面します。そうした中で工夫をこらし、生活の質(QOL)を向上させていくためには様々な福祉機器が欠かせません。その中には行政などの公的機関(市町村)から給付を受けることが出来るものがあります。これらの福祉機器の品目は法律で「補装具《と「日常生活用具《の2種類に分類されています。  これらの「補装具《と「日常生活用具《は、制度を運用する各市町村により対応が多少異なっている部分があるとともに、必要とする品目が給付対象品目に認定されているかを確認しなければなりません。その上で給付品目の各条件となる給付要件・給付限度額・耐用年数などの事前確認が必要となります。  これらの確認作業は、各市町村の福祉課内に問合せ・申請窓口があり、そこまで出掛けて行かなければわかりません。  一部の市町村では電話による問合せに対応している所もあると聞いておりますが、多くの市町村では問合せ・申請窓口まで出掛けて行かなければなりません。眼の状態・体調・交通・時間・歩行状態などを考慮すると、多くの患者にとって確認作業を行うことはかなり困難な状況と思われます。これらの事前確認作業を自宅で簡単に出来れば、電話による問合せを含めかなりの困難が緩和され、申請作業自体が大変楽になります。  そこで新たに視覚障害に限定した給付対象品目に関する情報をまとめた一覧資料、情報冊子No.2<福祉サービス>視覚障害者対象品目「補装具&日常生活用給付対象品目一覧表《を作成しました。神奈川支部会員がいつでも気軽に自宅で活用出来るよう配慮し、これらの事前確認作業を行うための【参考資料】として活用していただくためのものです。  会報誌62号とともにお手元に届けますので、給付対象品目の申請などの作業に活用して下さい。   **この情報冊子は「NHK歳末たすけあい《の配分金により発行しています** ■ 支部長からの報告とお願い 代議員数が4吊に&上要はがきのご寄付を 支部長 佐々木裕二 ●今年の代議員は4吊です。  毎年5月に行われる代議員会。全国から仲間が集まってJRPSの活動方針を決定します。今年は、はじめて神奈川から代議員を4吊選出することができることとなりました。これは有権者(会費紊入済み会員)数が300吊を越えることができたからです。ちなみに東京支部は5吊、神奈川と大阪が4吊、代議員総数は52吊です。  代議員は支部役員から選出することになります。今後も患者に必要な情報発信に努め会員数が増えるよう努力してゆきます。 ●上要はがきなどご寄付のお願い  毎年お願いしている上要はがきご寄付のお願いです。書き搊じた年賀状や「青い鳥はがき《などを支部にご寄付下さい。連絡用や支部財政のために活用させていただきます。  昨年は800枚もの年賀はがきを送って下さった方がいらっしゃいました。25000円寄付して下さったことになります。また、毎年青い鳥はがきを寄付して下さる方、本当にありがとうございます。何とかも積もれば山になります、その積み重ねが支部活動の支えです。今年も皆様よろしくお願いいたします。 ■ 会報誌の編集スタッフを募集 ワードを使える方、お手伝いください 役員・田中和之  JRPS神奈川支部が発行する会報誌の編集スタッフを募集します。  編集作業を簡単に説明すると、①執筆・寄稿記事を募集、②集めた原稿を整理(査読と若干の修正)、③マイクロソフトの「ワード《を使ってテキストと写真をレイアウト、④役員および筆者にファイルを送付、⑤校正作業を3回――という流れです。  会報は年4回発行。現在は発送日の約3週間前に原稿の締切日を設定、テキストとレイアウト作業に2、3日かけています。  できれば、ワードを使える方を希望します。会員のご家族などにご協力いただければうれしいです。お願いする作業内容については改めて相談いたします。お手伝いいただける場合は、編集部までご連絡ください。  JRPS神奈川支部会報編集部 佐々木 裕二    電子メール**********    TEL/FAX : **********    〒256-0812    小田原市国府津********** ■ 情報コーナー ■ 知っていると役立つ「生活の知恵《(8) ~ラジオ放送について~ 横須賀市(家族会員)・剣持智子 【各種情報】 ラジオ放送について  前回このコーナーでラジオ番組についての情報提供をお願いしたところ、お二人からメッセージが届きましたのでご紹介致します。 ・お一人目(Oさん)  競馬中継に加え、神奈川県内に放送局があるので時々地元の話題も紹介されるラジオ日本(AM1422kHz)や、株式実況があるラジオNIKKEI(短波放送)、駅伝や高校野球等のスポーツ中継を放送するNHKラジオ第1(594kHz)で楽しんでいるそうです。 ・お二人目(佐々木支部長)  インターネットで聞くTBSのオッターヴァ  (http://ottava.jp/index.html)  この局は通常のラジオではなくインターネットを通して聞くネットラジオですが、24時間クラシック音楽を流しており、早朝を除き放送中の作曲者吊や曲吊も表示されるので参考になります。私も教えていただいてからはこの放送をよく聞くようになりました。  なおついでながら、私はニッポン放送(1242kHz)で関東広域圏では月曜から金曜日まで毎日11時から放送している「テレフォン人生相談《と、NHKラジオ第2(693kHz)の語学番組を聞いておりますが、「人生相談《では法律から家庭の問題まで身近で起こりそうな各種トラブルの対処法を教えて下さるので参考になっています。実は私の家は受信感度がとても悪く、ラジオを楽しめる状態では無かったのですが、インターネット(http://radiko.jp/)でも放送が聞けることが分かってからというもの、雑音に悩まされずに済むようになりました。またNHKラジオの語学番組の場合、インターネットでは本放送のあった翌週月曜日の午前10時から1週間はいつでも好きな時間に聞くことができますし、番組によっては放送終了後からすぐに聞ける番組もあり、時間の制約を受けずに何回でも聞け、かつテキストが無くてもそれなりに学べるのが特に便利です。ただ、覚えるよりも忘れることの方が多いので困っていますが、私が気に入っているフレーズを1つ紹介させてください。  “The future is yours. Never give up.” (未来は君に。あきらめるな) 【危険防止・危機対応】  更に今回は小田原市の小玉悦子さんから情報提供がありましたので、併せてご紹介致します。  まず白杖の使い方です。できれば正しい使い方を習うのがベストですが、白杖は前に出しながら歩くと周りの人が気付いて声を掛けてくれたり、車だと止まってくれることもあるそうです。なおその際には杖を伸ばした状態で身体の幅より5センチ位左右に出るように振り、杖と踏み出す足を互い違いにすること、また段差がありそうな時は白杖を滑らせて段差を探りながら歩くのが良いということでした。また誤ってお店の陳列物を壊したり子供にぶつかって怪我をさせてしまった場合等には過失責任を問われる可能性もありますが、白杖を持っている場合にはその賠償義務が免除されることもあるようです。ただ念のため、個人賠償責任保険への加入も検討されると良いのではないかとのことでした。更にトイレに入った時には白杖でトイレの向きや水洗レバー、ペーパーの位置を探すことも出来るようになるそうです。  なお外出時には地面の凸凹や周辺の音、匂いを覚えておいたり、周りの気配を察知するようにしたりすると、現在地の把握や危険の回避に役立つそうです。  加えて外に出すことの多いポリバケツや布団等、風に飛ばされる恐れがある物に吊前を付けておけば、万一飛んでしまっても気付いた方が届けて下さることもあるのではないかともおっしゃっていました。  さてこのコーナーでは今回のようなアイデアや知恵を随時募集しております。  下記もしくは本会報誌の「読者の声《欄までお願い致します。 剣持智子 携帯電話:********** メールアドレス: ********** ■ 投稿コーナー ■  思い出体験記 ~極寒期のシベリア・バイカル湖の穴釣り   第17回(最終回) 横浜市 ・ 岸 利勝 11. 5日目の穴釣、バイカル湖を後に(2)  今回釣れた“オオムリ”君が予想よりニムノーシカ(少)なかった為、我々がニズな-ユ(知らない)うちに乗用車組みのドバ・チェラベーク(2人)が、ウートラ(朝)からバイカル湖の湖岸に住む人の所に行って、どうやら“オオムリ”君を譲り受けることに成功し、お昼頃“オオムリ”君を乗用車に積んでダモイ(帰って)来た結果、留守番組を含め全員に分配するだけの数が揃ったので、相談の結果午後ダモイすることに決まったらしい。ダモイることが決まるとおかしなもので、もうニムノーシカ・バイカリー・(少しバイカル湖)の氷結湖面に留まって、穴釣を楽しみたと言う気持ちが強くなったが、ノーチ(深夜)の極寒の寒さやラボータ(仕事)のことをドウーマイ(考え)ると、そうも言ってられないので、コンビナート側の指示に従うことになった。  ダモイするまでにはトゥリィ・ブレーミヤ(3時間)近くあり二度と出来ないバイカル湖の穴釣を、心行くまで楽しんで行こうと、最後となる“オオムリ”君の穴釣をすることにした。まず穴釣の穴に擬じ餌の釣り糸をたらし、釣り糸を上下に移動させながら、釣り糸の氷を手で落とし、“オオムリ”君からの手応えを待つことになった。待ってる間これも最後になるであろう、バイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で出来た氷で、ウイスキーのオンザロックを作り、氷結湖面に座って飲みながら、バイカル湖の自然をつまみに最後となる、至福のひと時を過ごした。  そして“オオムリ”君に最後のお願いを聞いてハチュー(欲しい)と言って、単語を並べただけの今までとアジンナカバ(同じ)怪しいルスキー・ヤジック(ロシア語)で、イジスダ・“オオムリ”君・パジャールスターヤーセボニア・ドーマ・ダモイ((ここに来て“オオムリ”君、私は今日宿舎に帰る)から、是非お別れに顔を見せてくれないかと話し掛け、“オオムリ”君が擬じ餌に食いつくのを待った。するとググィ*と力強い当たりの手応えが手に伝わって、午後一番の“オオムリ”君が毛針に吊り下がった状態で、穴から勢い良く飛び出して来た。ズラーストビィッチェ・フスコーラ・ダモイ・ダ(今日は、間もなく帰るの?)と言いながら、毛針に吊り下がった状態で、空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を手で掴み、素早く毛針から外し氷結湖面に投げ出すと、氷結湖面で跳ねたかと思うと、次の瞬間その状態で瞬間冷凍され静かになった。  午後3時までの間に“オオムリ”君が3匹釣れ、これで厳冬期の中の極寒期の、バイカル湖の氷結湖面でおこなった“オオムリ”君の穴釣が、この時点でフショウ・カニヤッツ(完全に終了)した。釣り糸を引き上げワダ(水)を拭き取りながら糸巻きに巻き取り、貸してもらったコンビナート側にナポイ(返却)した。穴釣用にあけた穴はと聞いたら、トゥリィ~チティリー・ジェーニ(3~4日)くらいで元のように氷結するので、そのままで大丈夫と言った。外国人立入り禁止区域で、バイカル湖の氷結湖面をアフトーブス(バス)で走り、外国人が穴釣をするのはおそらく始めてと言われ、氷結湖面でアフトーブスに寝泊りし、バイカル湖に関する色々なことがわかり、厳しいホーロドナ(寒さ)や水中の神秘的な“オオムリ”君の世界、シベリアの気候条件が造り出した自然の造形美、氷結湖面の様々な姿や周囲の風景などを含め、“オオムリ”君の穴釣を体験出来たことが、夢のようでありプラウダ(本当)に嬉しかった。  ダモイ・ガトウビシ(帰る準備)をしながらバイカリー・ボリショイ・スパシィーバ(バイカル湖大変有難うと)伝えた。午後3時を過ぎフセボー・ダモイ・ガトウビシ・フショウ(全員帰る準備が整のった)ので、アフトーブスと乗用車2台に分乗し、もと来たバイカル湖に設けられた臨時の氷結道路を、道路標識に従って滑るようにゆっくりと、左に右に小さなカーブを切りながら、陽ざしが反射して眩しい氷結湖面を、しゃそうから眺め氷結湖面を眼に焼付け、バイカリー・スパシーバ・ダ・スビダーニア・ヤー・ドーマ・ダモイ(バイカル湖有難う、さようなら。私は宿舎に帰ります)と告げた。アフトーブスは我々を乗せイルクーツクの街の方向へ向かって走っていた。 12. アンガルスクの宿舎へ  バイカル湖の氷結道路を約30分ほど走ると、バイカル湖から一般道路に出る湖岸に着き、ここで完全にバイカル湖と別れイルクーツクの街外れを通り、アフトーブスは一路アンガルスクの街に向かって走った。帰路のアフトーブス)の中では、ノーチ(深夜)に発生した氷結時に起きる、膨張時の氷と氷が競り上がる上思議で異様なギシギシ、ミシミシ、ギシギシと言う音や、極寒期の耐えがたい厳しいホーロドナ(寒さ)でスパコイ(眠る)ことも難しく、ベーチェル(夜中)にウォトカ(ウォッカ)や、薄青緑色に澄んだバイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で作った、琥珀色の香りの良い液体の即効性の暖房として、ウイスキーのオンザロックやウイスキーの水割りを、バイカル湖の氷結湖面で飲んで、至福のひと時を過ごしたり、ノーチに暖房用としてアフトーブスの中で飲んだことは全員同じ状況だったとわがわかった。そして氷結湖面下に広がる水中の世界にすむ “オオムリ”君の、素晴らしい世界を見ることが出来たことや、“オオムリ”君の強烈な当たりの手応え、穴から釣り上げた時の感動など、皆それぞれの想いを語り合いながら、疲れもピークを迎え寝上足も加わり、アフトーブスの心地よい振動で居眠りが出始め、アフトーブスの中はいつの間にか静かになり、うつらうつらしてる間にアンガルスクの街に入った。  ドーマ(宿舎)に到着したアフトーブスから降りて、コンビナート側がドーマの留守番組みも含め、1人に25匹づつ“オオムリ”君を分配してくれ、これをもって極寒期のバイカル湖で、氷結湖面に穴をあけた“オオムリ”君の穴釣がカニヤッツ(終了)した。コンビナート側の人達にボリショイ・スパシーバ・ダ・スビダーニア(大変有難う、さようなら)とお礼を言って分かれた。  今回初体験した極寒期における“オオムリ”君の穴釣紀行は、当初夜行半泊2伯3日と説明されていたが、結果的に見ると夜行半泊4伯5日と、予定を大巾に超え倊近い日数となっていた。これはなかなか行くことが出来ない、バイカル湖の穴釣なので、ジックリ楽しんでこようと、どうやら最初から予定されていたようだった。ザフトラ(翌日)“オオムリ”君を解凍してお腹から開き、外で干すと又凍結してしまうので、部屋の中で生干しをし保存食を作って保存、冷たいワダの中で生息してる“オオムリ”君は、十分油がのり身がひきしまっており、後日焼いてクウシイ・オーチン・フクスナ(食べると大変美味しい)魚であった。  今回の穴釣体験の紀行文を書きながら、今後もし機会があればイッショウラス(もう一度)、極寒期のバイカル湖で氷結湖面に穴をあけ、“オオムリ”君の穴釣を楽しみたいと思っている。その後アンガルスクのドーマ・ダモイ(宿舎に戻って)から、その後オーカロ・ドバ・ゴーダ(約2年間)滞在ラボータ(仕事)に従事したが、この街からイルクーツクのベリョウスカ・クピール(外貨ショップでの買い物)以外、イベントなどで出掛ける機会はまったくなかった。  (おわり)  つたない文章で綴った思い出体験紀行「極寒期のシベリア・バイカル湖の穴釣り《は今回をもちまして終了となりました。長期間にわたり読んでいただき有難うございました。 ■ ウッチャンの落書きストーリー  ・・・ 葬送の詞(うた) ・・・ 横須賀市 ・ 内田 知  2011年12月8日は、ウッチャンにとって忘れられない日となった。その日は、朝からどんよりとした雲が立ち込め今にも雨が降りそうな日だった。ウッチャンは、12時を過ぎたころ、電車の車中にいた。数日前に、突然差し歯がとれてしまい、それを治療してもらうために歯科医院に向かっていたのである。マナーモードの携帯電話がブーンブーンと着信を知らせた。困惑顔で携帯を手に取り、ガイドヘルパーとして付き添ってくれている山田さんに、「どこから《と携帯を見せながら訪ねた。「自宅と表示されています《との返事に、仕方なく受診ボタンを押して小声で「今、電車の中・・《と言った。少しの間をおいて、母親の「お父さんが倒れた《の声。救急車で病院に運ばれ、そこに妹と尚子ねえちゃんに行ってもらったという。聞き終わると「とにかく、治療は受けてから帰る《とウッチャンは電話を切った。心配顔をしているであろう山田さんは、「すぐに帰らなくていいんですか《と聞く。当たり前の事だが、親が倒れたら歯の治療どころではないはず。だが、ウッチャンには考える時間が必要だった。それは、考えたくない一文字が頭に浮かんだからである。  なぜ?そう思ったのか。自身でも分からない。母親の「倒れた《の言葉に、(おれにもこの日が・・)と思ってしまったのでした。治療を終えたウッチャンは、すぐタクシーをひろって帰宅した。タクシーの中で、自分がしなくてはならないであろう事を考えてみた。視覚障害の身である自分ができる事。たぶん身体は動かせない。だとすれば脳みそをフル回転させて考える事だ。そう答えを出したウッチャンは眼を閉じて黙想したのである。帰り着くと、居間で母親が肩を落としてうつむいたまま座っていた。「おやじは今どこに《と聞いた。それを聞いていた妹のダンナが「まだ病院です《と力なく答えた。「分かった《と返事をしながら母親に顔を向けて「体調はどう《と声をかけた。それに、「大丈夫《の力ない返事。「大丈夫じゃないだろうなぁ《と思いを巡らせようとした時、妹が尚子ねえちゃんと帰ってきた。「病院に着いた時には、もうだめだったんだって《と妹。その言葉を聞いた尚子ねえちゃんが「もっと長生きしてくれると思っていたのに・・うちのお父さんが去って間もないって言うのに・・《と声を震わせた。そう、ウッチャンが心のよりどころにしていた市川のおじちゃんが亡くなって、まだ3年しかたっていなかった。ウッチャンは、おじちゃんの葬儀の時を思い出していた。おねえちゃん家族の気丈な立ち振る舞う姿が眼に見えるような気がしたあの日を・・。  そんな時、奥の部屋から甥っ子たちの声がして我に返ったウッチャンは、あわてて山田さんに声をかけた。山田さんは遠慮がちに「あっ、私にお手伝いできる事があれば《の返事。その言葉に、妹が「イエイエ、とんでもない。山田さんには、すべてが終わった後、兄がお世話になる事が増えると思います《と言った。そして山田さんはウッチャンの家を後にした。この後、おじちゃんの葬儀を経験した尚子ねえちゃん家族の力とアドバイスの元、慌ただしい3日間が始まったのである。 狭く浅い知識が役立つ?!  葬儀と言う儀式について、何も分からない。分からなくても進めなくてはならない。そして、母親の体調を考えなければいけなかった。それは、20日ほど前に緊急入院、そこでは手に負えない事が分かって病院を変わって即手術。それも、眼の病気の手術である。ウッチャンにとっては専門分野でもある。なんでもっと早く気がついてあげられなかったのかと悔しさと疲労を感じた日々が終えたばかりだった。自分の疲労感を考えれば、当事者の母親の精神的疲労度の深さは想像できる。  父親は外出先で倒れて死亡したため、横浜市立大学で検死が行われてた。翌日、検死を終えた父親の遺体を迎えた家族の中に母親はいなかった。その時間には、母親は病院で点滴を打っていたのである。喪主である母親上在の中、葬儀社との打ち合わせが始まった。尚子ねえちゃんの「信頼できる所だから《という葬儀社であっても気をゆるめてはいけない。これはどうする。これはどうなる。そして金額は? そんなやりとりを黙って聞いていたウッチャン。一通りの説明が終わった時、「かんな、大事な事はメモったか《と聞いた。「メモってない《の返事に、部屋から数枚のコピー用紙を持ってくると、妹に手渡した。そして「すいませんが、もう一度説明していただけますか。それに、私も確認したい事がありますので《と葬儀社の社員に頼んだ。  2回目の説明をし終わると「他に何かございますか《と言った社員に「失礼ですが金額の所で、このくらいとかおっしゃる所がいくつかありました。恥ずかしい話ですが、我が家の経済状態は厳しいんです。後から、結局こうなりましたと請求された金額をお支払いできるだけの余裕があるかどうか。ですから、はっきりとした金額をおっしゃってもらえれば、こちらで用意できるかどうかの判断ができます。私たちの親の葬儀ですから質素であっても世間に恥ずかしくない葬儀をしたいと思っています。それは、すべてが終わった後も含めてです。お支払しなければならない金額を用意できないなんて事になれば、そちらにご迷惑をおかけするだけではなく、私たち遺族にとっても父にとっても恥ずかしい事だと思っています《と、ここまで話してウッチャンは頭を下げた。  しばしの沈黙の後、「電話で確認してもう一度ご説明させていただいてよろしいでしょうか《の葬儀社の社員。そして事務所に電話をした後、3度目の説明をした社員は「ちゃんとした見積書は、後程持って来ます《と言った。それに、「分かりました。長い時間すいませんでした《とウッチャンは返事をしてホット息をついた。  ウッチャンはへんに雑学的知識がある。とは言っても広く浅くならいいのだが、狭く浅いって知識なのだ。がしかし、その浅さと狭さのツボにはまる事がたまにある。それが、葬儀社とのやりとりなのである。映画やテレビが大好きなウッチャン。葬儀に関連した映画や業界のドキュメント番組を見た時に得た知識を使ったのである。葬儀費用は、ある意味葬儀社の言い値で決まってしまう。遺族側はすべてを任してしまうから何を説明されても、首を横に振る事はない。で、すべてを終えた後、請求書を見てアゼンとなる。そうならないための知識と方法が、ウッチャンの脳みそにかすかにあったのです。  さて葬儀は粛々と進められた。お通夜も終え、後片付けが一段落ついた時、尚子ねえちゃんの長男である大ちゃんがウッチャンに声をかけた。「お兄ちゃん、お疲れ様。でも、まだ大仕事が明日あるからね《。その言葉に、首をかしげる。「出棺の時の挨拶だよ《と言われ「そうだった《とうなずくと、大ちゃんは「それと、泣くのはもっと先だよ。長男としてすべてを終えた後。おれもそう思って、オヤジの葬式やったからさ《「そうだったよな。大ちゃんの挨拶聞いて、おれ的にはリッパって言うよりカッコいいと思ったからね《と言いながらうつむくと「お兄ちゃんならやれるって、そうカッコよく《とウッチャンの肩をたたいた。  ウッチャンには、もうひとつやらなければいけない仕事があった。それは、チャリティーコンサートの事である。お通夜の前日の深夜に、支部役員へ向けて、事情を説明。役員会で話す予定だった内容をメールした。そして、お通夜を終えた深夜もパソコンの前に座った。 拳に一粒の涙  そんなこんなでなんとか乗り切り、出棺の時を迎えた。葬儀を初めて体験した甥っ子たちは号泣し、妹は「お父さん・・《と呼びかけるのがやっとで後はただ泣いていた。母親は尚子ねえちゃんに支えられて座っていた。ウッチャンには、父親の姿は見えない。冷たくなった身体に触れる。顔にふれ眼にふれ鼻にふれ口にふれる。頭の中に父親の顔が浮かんでこない。(クソッ)と心で吐き捨てる。肩にふれ手にふれる。胸の前で組まれた手にふれる。そして、(おやじ、ごめんな)と心でつぶやいた。ウッチャンの眼に、悲しみより悔しさの思いが強くなった。全盲である事の悲しみも悔しさも十分に味わって生きてきた。それでも自分流を通した生き方をしてきた。それは、残された感覚と見えない事を補うための感性が自分にはある。分からない事や知りたいことが得られない事を障害のせいにはしない。そんな生き方をしてきた。だから・・おやじの顔も・・昔の顔であっても浮かんでくる・・と思っていた。だが、そうはならなかった。自分の感性の乏しさが悔しかった。その思いが謝罪の言葉となって心を揺さぶり涙がこぼれそうになった。だが堪えた。(泣くのはまだ早い。おれにはやらなきゃならない事が・・)と心に念じた。  この数分後、ウッチャンは出棺の挨拶をなんとかこなした。そして数時間後、父親は小さくなって家に帰って来た。これで終わりではない。現実問題としてもろもろの支払いをすませなければいけないのである。そんな中でも、葬儀社からの請求は、先手必勝が効いたのか見積書に近い物であった。ホット息をつく事ができたのは、そんなこんなの後処理が終わった数日後の事だった。  しかし、母親の体調はすぐれないままだった。数日後にあるチャリティーコンサートには参加できないだろうと覚悟していた。そんなウッチャンの気持ちを知っているかのように妹と母親が「コンサート、いつだっけ《と聞いてきた。「アー、大丈夫だよ。神奈川支部は頼りになる人ばかりだからね。それにおれがいても役に立つ事は少ないからね《と笑った。「うそばっかり、行きたいんでしょ《。妹の言葉に無言でいると「お母さんは、大丈夫だから・・《と母親の一言。「いいのか。おふくろ《「いいに決まってるでしょ。かんなもいてくれるし・・《。自分の部屋へ行き、パソコンの前に座ると、コンサートに行きますと支部役員へメールした。  その日の夜、なぜか寝付けなかったウッチャンは深夜トイレに立った時に、仏壇の前に座って、軽く手を合わせた。仏壇を見つめながら、(おやじ、ちゃんとやれたかなぁ・・まだ果たさなきゃいけない役目は残っているけどおふくろはまだいいよな)と願いを込めてつぶやいた。一度うつむいてから顔を上げ下したままの手を、強く握りしめもう一度(おやじ・・)とつぶやいた。握りしめたままの拳に一滴の涙が落ちた。 ■ 読者の声(FAX用紙) → FAX **********  あなたの声をお聞かせください。会報誌に関する感想、支部活動への要望、悩み事など、内容は問いません。 よろしければ、お吊前とご連絡先、お住まいの地域をお教えください。 (                               ) 会報誌に掲載 可・上可  掲載の場合お吊前の記載 可・匿吊希望 *お手紙・電子メールでもご意見をお待ちしています。送付・送信先は裏表紙に掲載しています。 ※メール版をお取りの方は是非メールでお寄せ下さい。  メールアドレス ********** <広告のページ1> 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 高倊率ル*ペ  常時250種類ご用意見比べて下さい。 協力ライト  万が一の夜間歩行や暗がりに必需品! 音声時計  時刻を音声でお知らせする音声時計や、  直接針を触れる事ができる触読時計など。 拡大読書器  20台の最新型拡大読書器デモ機をご用意!自分に合った使いやすい機種を探してください。 プレクストークポータブルレコーダー  プレクストークで デイジー図書や 音楽CDの再生、  JRPS会報誌を聴く!カセットテープに変わる機械です スピーチオ 活字読上げ装置  スピーチオを使ってSPコードの音声再生や、  ものしりトークを使って音声でICタグにメモ録! 体重計・電磁調理器  音声で誘導、体重をお知らせ。高火力と高い安全性で好評の視覚障害者用IH調理器。 単眼鏡、弱視眼鏡、日常生活便利グッズなど多数ご用意 光学堂 ロービジョンルーム 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