【JRPS神奈川支部会報第36号テキスト版】  (音声ユーザー向けに編集してあります。) ==ここから=============================== (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2005年 9月 2日発行 SSKA 増刊通巻5311号 あぁるぴぃ 第36号 KANAGAWA 2005 autumn 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 (表紙終わり) (P1) あぁるぴぃ第36号 KANAGAWA 2005 autumn  目次  ・神奈川支部の活動    2 総合カレンダー    3 定期総会の報告と新旧役員の挨拶    5 ペリカン寄席の報告    7 つくしの会便り     8 カラオケ交流会のお知らせ バス旅行へのお誘い    10 会報編集部からのお知らせ   12 ホームページ作成チーム募集のお知らせ   13 埼玉支部医療講演会のお知らせ  ・情報コーナー   14 三洋ボイスレコーダー FOMAらくらくホンII      JAWS ホームページリーダーがバージョンアップ   16 神奈川県地域別網膜色素変性症患者数  ・神奈川支部10周年記念連載 「風のごとく明日へ《   17 第3話 「第2回支部設立準備会《  ・投稿コーナー   19 今号は盛りだくさん! 読み応えたっぷりの10周年記念シンポジウムや素敵な俳句、ペリカン寄席の笠羽さん、そしてウッチャンの落書きストーリーも ◆今号の表紙   6月19日に行われた神奈川支部10周年記念式典での一コマです。支部設立に尽力していただいた3人に感謝の意をお伝えしました。(3ページに記事) ◆ミニ集会の会場   かながわ県民活動サポートセンター(TEL:045*312*1121)   横浜駅西口から徒歩10分です。旧三越デパートのビル (三越は閉店してしまいました)に向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。約100mで、高速道路の下の橋を渡り、信号のある横断歩道を渡って左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。 (P2) ■神奈川支部の活動■ ■ 総合カレンダー   9月11日(日) ミニ集会(サポートセンター708号) 午後1時~   9月24日(土) 世界網膜の日inふくおか            陶芸クラブ(横浜ラポール) 午後1時~  10月 1日(土) ※医療講演会(埼玉支部)  10月 1日(土)~2日(日) 関東地区リーダー研修会(埼玉)  10月 9日(日) ミニ集会(サポートセンター709号) 午後1時~  10月20日(木) ※つくしの会 三浦海岸ミニ旅行  10月22日(土) 陶芸クラブ(横浜ラポール) 午後1時~  11月 5日(土) ※カラオケ交流会 午後2時~  11月12日(土) ミニ集会(サポートセンター603号) 午後1時~  11月20日(日)~21(月) ※長野一泊バス旅行・交流会  11月26日(土) 陶芸クラブ(横浜ラポール) 午後1時~  11月27日(日) 会報発送作業(サポートセンター9階) 午前10時~  12月11日(日) ミニ集会(サポートセンター705号) 午後2時~            (ミニ集会終了後、忘年会になりますので開始時間にご注意ください)            ※…この印の項目は記事が掲載されています。   ミニ集会は通常、かながわ県民活動サポートセンター(サポートセンターと略しています)で午後1時から開催します。 (P3) ■定期総会の報告と新旧役員の挨拶 ■定期総会の報告   神奈川支部の記念すべき第10回定期総会は予定通り6月19日に行われました。議事は概ね議案書の通りに順調に進み、すべて承認されました。ご参加の皆様、ありがとうございました。なお、次回から代議員会の報告を盛り込むように致します。   記念式典では、神奈川県健康増進課様、神奈川ロービジョンネットワーク様、JRPS本部釜本会長より祝辞を頂戴し、支部設立に尽力してくださった二宮利江様、宮本久様、中村善晄様に感謝状と記念品を贈り、感謝の意を伝えさせていただきました。ここにご報告致します。   医療シンポジウム第一部では「脳機能解析から人工眼の可能性《と題して神奈川リハ病院の仲泊聡先生に、第二部では「再生医療による視覚回復の可能性《と題して京都大学の高橋政代先生にご講演いただきました。そして第三部では青木眼科の青木繁先生、北里大学の高野雅彦先生を加え4吊の先生でシンポジウムを行いました。   仲泊先生からは、既に人間に実施されている人工眼の見え具合や問題点、視覚情報を脳に届ける様々なアプローチ、視力や視野が良くなったという副産物?の話。   高橋先生のお話は、NHKの胎児細胞移椊の録画ビデオを使っての再生医療の現状や遺伝子診断、遺伝の問題、ロービジョンの重要性までと、とても書ききれないくらい盛りだくさんの内容でした。   開催当日、300吊収容の会場は大入り満員。遠くは沖縄、大阪、新潟からの参加者もあり、関心の高さを改めて感じさせられました。残念ながら治療法がすぐそこに見えてきた、と言うわけにはいきませんでしたが、着実に進む研究に、そしてとても熱心に私たちのことを考えてくださる先生方に確かな希望を感じることができました。どうもありがとうございました。 (P4) ■新役員の挨拶 ● この度、支部長になりました佐々木です。私が会員になったのはちょうど8年前、小田原保健所での医療講演会で中村さんとウッチャンに出会ったことがきっかけでした。その時すでに、治らないのに眼の手術を受けていました。その後、たくさんのRPの情報を知りました。正しい情報で安心して少しでも快適な生活が送れるよう活動したいと思います。 ● はじめまして、本年度、会計を担当することになりました横浜市の岩井敏子です。私はJRPSに入会して2年ですが、微力ながら支部の運営に協力していきたいと思います。よろしくお願い致します。皆様もぜひミニ集会に参加され、支部の活動に対するご意見をお寄せください。 ● はじめまして、今度役員になりました、横浜市金沢区の浜田啓子です。何も分かりませんが、私なりにできる範囲で頑張っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 ● 今年度より、神奈川支部の役員になりました宮村聡です。私は、去年12月から支部活動に復帰しましたが、いきなり役員とは……。 まぁ、なった以上はがんばります。皆さん、よろしくお願いします。 ■退任挨拶                          大窪 融   JRPS神奈川支部の支部長として5年間、いたらないことばかりで支部の皆様には、大変お世話になりました。ミニ集会や旅行会で多くの皆様とお会いできて様々な情報をいただき、また、楽しいひとときを過ごすことができました。心より感謝申し上げます。支部の活動も設立 10年を経過して、佐々木支部長を中心にますます発展していくことと思います。今後とも支部の活動に参加協力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (P5) ■「ペリカン寄席《無事終了~ウッチャン流報告   神奈川支部の皆さん、まいど、ウッチャンです。   皆さんにお知らせしていた支部設立10周年記念チャリティー「ペリカン寄席《が8月28日に開催されました。   開催当日は、開場時間を早めなければならないほど多くの方が来場し、会場はほぼ満席となりました。そして、開演10分前にはペリカンオヤジ(市川さん)がペリカンファミリーを従えて来場!ペリカン寄席終了まで会場にいてくれたのです。長時間の外出はこの時が初めてでもあり、体調を気遣い、途中で帰宅する可能性がありました。そんな中、最後までいてくれたことが嬉しく、感極まり声を詰まらせながらの私、ウッチャンの閉会の挨拶となりました。   話を開演時間に戻しましょう。支部長・佐々木さんの主催者挨拶から始まり、ペリカン寄席の由来などを自分が説明させていただきました。その後、佐々木さんから市川さんに花束を贈呈。そして、いよいよ第一部、笠羽さん母娘の登場となりました。噂には聞いていましたが、そのあまりの面白さに舞台そでで笑いをこらえるのに必死でした。第二部は、柳家小満ん師匠の古典落語を楽しみました。話を三つもしていただいたのですが、その中の「目黒のさんま《という話は私のリクエストに応えていただいた演目なのです。うれしかったですね、最高でした。 「ウッチャンは先頭を走れ《   さて、すべての始まりはペリカンオヤジのひと言からでした。  「難しいことは他の役員に任せて、面白いことや楽しいことを考えて、みんなを明るくするのがウッチャンの役目だ。それにそういうことができるのはウッチャンしかいない。《   こんなペリカンオヤジからの、何か紊得できないおだてに乗って企画されたのが今回の「ペリカン寄席《でした。みんなを楽しませるのは笑いが一番、と意見は一致。そして、準備が始まりました。酒を飲みながらの二人の話は落語会の開催だけにとどまらず、いろんな話をしました。そんな中、市川さんのわがままでガンコな中に、思いやりとやさしさを忘れずに生きてきた男のカッコよさを感じました。   「ウッチャンは役員なんだから先頭を走れ。俺はいつも後ろにいて、ウッチャンを支えてやる《という言葉に感謝し、信じました。しかし、市川さんは重い病に倒れました。そのことでいったんは諦めかけた落語会でしたが、「このままで終わるようなかっこ悪い生き方をしてたまるか《とペリカンオヤジは思っているに違いない。だとすれば、必ず元気になる。そして、元気になった時、「なんで、簡単に諦めた?《と言われるのが悔しくて、なにがなんでもという思いで突っ走しることにしました。   そんなわけですから、後先考えない行動で、役員の皆さんにご迷惑をかけることばかりでした。市川さんがどれだけ力を尽くして支部活動に協力してくれていたかを感じているのは、私以上に役員の皆さんです。市川さんの企画を実現させるために、私以上に努力してくれました。   ご出演いただいた笠羽さんとお嬢さん、そして小満ん師匠。また、市川さんの学生時代からの友人でもあり、〈横浜〉小満んの会の方々のご協力をいただいての「ペリカン寄席《の開催となりました。   当日は、役員の皆さん、小満んの会の方々、そしてボランティアとして参加していただいた支部会員の皆さんと会員のご家族にすべてをお任せして、何ごとも起こらず、無事に終わることを祈るだけが自分の仕事でした。終了後、「面白かった《「楽しかった《という言葉を残して、会場を後にする来場者の声を聞いてホッとしながら、お手伝いしていただいたすべての方々に感謝の気持ちで一杯になりました。   ここに、支部会報の誌面をお借りして、「ペリカン寄席《の開催にご協力いただいた方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。 (P7) ■つくしの会だより   猛暑だった夏も、ようやく峠を越え、夜には秋の虫の声も聞こえて来るようになりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。   つくしの会では、さわやかな秋の一日、ミニ旅行を計画してみました。三浦海岸の潮の香りにさそわれながら、温泉に入ったり、ランチをしたり、和やかなひとときを過ごしたいと思います。ご家族、ご友人をお誘いの上、多数のご参加お待ち致しております。   日時:10月20日(木) ★雨天でも行います。   行き先:三浦市 ホテル マリーンズ・マホロバ          (TEL:0120*046*889)   集合場所と時間:京浜急行・三浦海岸駅改札口 10時           (横浜から快速特急で約50分)   費用:3000円ぐらい(食事代、入浴料、休憩代金含む)   申し込み:9月30日までに下記にご連絡下さい。    山内則子   TEL:**********    渡辺千登世 TEL:**********    浜崎富代   TEL:********** (P8) ■カラオケ交流会のお知らせ   恒例のカラオケ交流会です。ご家族・ご友人をお誘い合わせの上、奮ってご参加ください。テレビ画面の歌詞が見えなくても大丈夫、みんなでフォローいたします。皆さまの参加をお待ちしています。    日時:11月5日(土)午後2時~5時    場所:ビッグエコー横浜関内店 TEL:045*640*6780        (JR関内駅北口より徒歩1分)    会費:2500円位    集合場所:JR関内駅北口の改札口付近(横浜寄りの階段を利用)    集合時間:午後1時30分    申し込みは、下記の連絡先にお電話ください。     渡辺千登世 TEL:**********           携帯:**********     高木貞子 TEL:********** ■バス旅行へのお誘い 【長野へりんご狩り・そば打ちに行こう!】   初日にりんご狩り、翌日はそば打ちに挑戦します。打ったおそばは昼食としていただきます。宿泊は諏訪湖畔にあるリニューアルしたばかりのバリアフリーの宿です。翌朝、宿から歩いて5分ほどのところにある間欠泉に行き、足湯をお楽しみいただきます。なお、昼食は初日(ほうとう鍋)、翌日(自分で打ったそば)とも用意します。  今年は日曜日・月曜日の日程になりますので、お勤めの方は休暇をとっていただかなければなりませんが、ぜひ・ぜひご参加ください。きっと楽しい旅となると思います。ご夫妻での参加もお待ちしております。  次ページの担当者まで電話・メールでお申し込みください。締め切りは10月31日です。   旅行日:平成17年11月20日(日)~21日(月)   旅行先:長野・上諏訪 費用:一人18、000円   日程:  11月20日(日)    9:00 横浜駅西口 天理ビル前集合・出発   10:00 本厚木駅南口 出発   11:30~12:30 昼食(ほうとう鍋)   13:30~14:30 りんご狩り(食べ放題)   16:30 上諏訪温泉「すわ湖苑《到着   18:00 夕食  11月21日(月)    7:45 朝食 間欠泉センター・足湯    9:00 出発    9:15~9:45 野沢菜センター   10:45~13:00 そば打ち・昼食   16:00 本厚木駅南口 到着   17:00 横浜駅西口 到着     ※立ち寄り場所・コースなど一部に変更が出るかもしれません。   宿泊先:すわ湖苑 長野県諏訪市湖岸通り1*12*7      TEL:0266*52*5050   申込先:斎藤佳美 TEL:**********            E-mail **********       浜田啓子 TEL:**********       岩井敏子 TEL:********** (10) ■会報編集部からのお知らせ   いつも支部会報の発行にご協力とご声援をいただきありがとうございます。前号にて新編集部員のお二人に自己紹介していただきましたが、今号から本格的にご活躍いただいております。田中さんは編集の現役プロであり、守下さんはデザインのプロです。こんな打って付けの方が会員の中にいらっしゃったとは正に渡りに船、感動しております。   紙面もより読みやすく、楽しいものに育てていきたいと思います。ご意見やご投稿をお待ちしております。  1.投稿文のお願い   多くの方の投稿によって支えられておりますが、一部文章が非常に長い場合があります。誌面も限られていることから、大変申し訳ありませんが、文章の長さに上限を設けたいと思います。どうしても長くなってしまう場合は2回に分けるなどしてください。   ①字数は2784字(32字×29行×3ページ、タイトルなどを含む)以内でお願いします。ちなみに2ページに収める場合は1856字。   ②誤字や句読点などの修正は連絡なしに行います。読みやすくするために小見出しや段落などを付けることもあります。ご了承ください。   ③また、誌面の都合により一部文書を割愛する場合もあるかも知れません。この場合は基本的にご連絡するように致します。   ④写真や絵、イラストの投稿も歓迎します。簡単な説明などを付けてお送りください。   ⑤投稿はE-mail・手紙・FAX・録音テープいずれでも結構です。宛先は支部長または事務局(巻末に掲載)まで。  2.テープ版のご利用に関して   4年前より、墨字では読みにくくなった方のためにテープ版を始めました。このテープ版の作成にはボランティアさんのご協力をいただいています。まず、会報の墨字版を音声訳のボランティアさんに送ると、テープに吹き替えた後、郵袋(通い袋)に入れて、それぞれの方に送ってくださいます。吹き替えには録音設備のある施設を予約して、一日でも早く皆様のお手元に届くよう努力してくださっています。郵袋も点字図書館まで行かないと買えないということです。神奈川支部では、できた会報を送ることと、郵袋・テープ代をお送りするだけで、その他のことはすべてボランティアさんがしてくださっています。   今後、テープ版を申し込まれた方には、初回のみ郵袋・テープ代として2000円をお支払い頂きたいと思います(終身です)。ただし、郵袋をなくされた方は郵袋代として1000円頂きます。   テープ版を始めた初期に申し込まれた方は、既にお支払い頂いていると思います。金額に関係なく、過去に一度もお支払いいただいていない方は今回、お支払い頂きたいと思います。自己申告とさせて頂きます。   お支払いは銀行振込でも、ミニ集会の時に手渡していただいても結構です。なお、今後は、テープ版をご希望の方には墨字版はお送り致しませんので、ご了承ください。   郵袋をご返送いただけませんと、次回のテープをお送りすることができませんのでご注意ください。またテープも、送られてきたテープをご返却下さいますようお願い致します。   テープ版への申し込み・中止などの連絡、その他ご意見などございましたら事務局(斉藤、TEL・FAX:**********)までご連絡ください。宜しくお願いいたします。  振込先:三井住友銀行 横浜駅前支店       普通預金 7406993 JRPS神奈川支部  3.発送作業にご協力下さい   会報の編集・印刷・発送作業は会員有志によって行われています。「眼が見えにくいからできない《と思わないでください。それぞれの見え方によってできる作業があります。たとえ見えなくてもできる仕事はあるんです。みんなでワイワイと楽しい時間ですよ。仲間のためにぜひご協力下さい。場所はミニ集会と同じサポートセンターの9階です。日時は支部会報、または本部会報にてお伝えします。 (P12) ■ホームページ作成チーム募集のお知らせ   支部長の佐々木です。今年度の活動計画で神奈川支部のホームページ(HP)を作ることが承認されました。つきましては、『HP作成チーム』を立ち上げ、本年度中に神奈川支部独自のHPを公開したいと考えています。   本部HPは既に30万件以上の閲覧者があり、RPとJRPSの情報発信について大きな役割を果たしております。この本部HPの中に支部のページを設けている所もありますが、容量の制限により写真などのイメージが思うように掲載できないなど内容量にもおのずと制約があります。そこで、独自のHPを制作したいと思う訳です。   しかしながら、現在の役員や活動有志の中にはこの方面に明るい方が充分にはおりません。そこで、会員の皆様の中でHP作成にご協力いただける方を募集致します。会報編集に素晴らしい助っ人が手を挙げてくださったように、HP作成にもその道に詳しい方が会員の中にきっといらっしゃると信じております。   内容として考えていることは、①本部同様RPとJRPSのPR、②年4回しか発行しない会報を補う支部活動の情報発信、③掲示板またはメーリングリスト(ML)での情報交流、④ローカルな医療情報――などです。   協力しても良いという方は下記までご連絡ください。   佐々木 TEL:**********48(夜8時以降)        E-mail ********** (P13) ■埼玉支部医療講演会のお知らせ   日時:10月1日(土)13:30開演(受付13:00)*16:30閉会   会場:埼玉県民健康センター2F大ホール   後援:埼玉県眼科医会/埼玉県/さいたま市   受講料:500円(介助者は1吊まで無料)   集合場所:JR浦和駅西口改札前(12:00)         緑のチョッキのボランティアさんが待っています。 ******* プログラム *******  13:30~  QOL向上講演 『受診者に育てられるロービジョン外来』       〔講師〕 獨協医科大学越谷病院 眼科           ロービジョン外来相談担当 杉谷 邦子 先生  15:00~ 医療講演 『網膜色素変性症治療の現在と未来』       〔講師〕 埼玉医科大学 眼科 森 圭介 先生 2004年度JRPS研究助成受賞者  *質疑応答では、参加者の悩みにお答えします。  お問い合わせは、JRPS埼玉支部         (TEL:**********、二宮)まで (P14) ■情報コーナー■ ■音声ガイド機能搭載ICレコーダーの新機種発売   三洋電機は、音声ガイド機能搭載のステレオデジタルボイスレコーダー(愛称:ディプリトーク)の新機種「ICR-S310RM《を販売開始した。512MBのフラッシュメモリを搭載。MP3フォーマットの録音方式で、最大約35時間30分のステレオ録音及び最大約71時間のモノラル録音が可能。早聞き機能(約+20%)、遅聞き機能(約*25%)に加え、録音中にマーキングしておくことで、再生頭出しが可能となるインデックス機能を新たに搭載。USB端子搭載で、パソコンのリムーバブルディスクとしての活用もできる。   問い合わせは、三洋テクノ・サウンド株式会社IT商品部(TEL:072-870-4186)まで。 <関連URL> http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0507news-j/0708-1.html ※この情報は「週刊アイリンク[第59号]《に掲載された記事について、許諾をいただいて転載したものです。週刊アイリンクは、視覚障害者に有益な情報を掲載し、毎週メールで送ってくれるものです。JRPS関連の情報も、よく掲載してくださっています。興味のある方は下記のホームページをご覧ください。 視覚障害者のための情報検索サイト・アイリンク http://www.eyelink.jp ■FOMAらくらくホンII発売   大きなボタンと音声案内で視覚障害者にも優しい『らくらくホン』が新しくなりました。今回は、相手の声がゆっくり聞こえるゆっくりボイスや操作状態を光で知らせる光ナビゲーション、待望のメール入力時の音声 読み上げのサポートなどが強化されました。   詳しくはお近くのドコモショップでお尋ねください。 (P15) ■JAWSがバージョンアップ   Windows画面読み上げソフト『JAWS』がバージョン6.2にバージョンアップしてエクストラより発売されました。長い間バージョンアップしていませんでしたが最新版が日本語対応となりました。これで最新のAccessやPowerPointも音声で使いこなせるとうたっています。詳しくは下記まで。   有限会社エクストラ(TEL:054*264*8608)   http://www.extra.co.jp/product_11.html ■ホームページリーダーがバージョンアップ   IBMのホームページ読み上げソフト『ホームページリーダー』がバージョン3.04にバージョンアップして9月14日から発売されます。 Flash やPDFの読み上げ・ルビの読み上げ・高速読み上げ・弱視者のための文字拡大機能など新機能で更に使いやすくなっています。詳しくは下記の同社ホームページをご覧下さい。  http://www-6.ibm.com/jp/accessibility/soft/hpr.html (P16) ■神奈川県地域別網膜色素変性症患者数    出所:神奈川県健康増進課 H17.3.31 所管地域 患者数 横浜市       788   鶴見区福祉保健センター 71   神奈川 50   西   12   中   35   南   37   港南  38   保土ヶ谷 40   旭   69   磯子  45   金沢  42   港北  64   緑   43   戸塚  50   瀬谷  28   栄   37   泉   43   青葉  57   都筑  27 川崎市       219   川崎区保健福祉センター 36   幸   32   中原  22   高津  35   宮前  25   多摩  41   麻生  28 横須賀市保健所    127 平塚保健福祉事務所  63   平塚市  46   大磯町   9   二宮町   8 鎌倉保健福祉事務所 67   鎌倉  41   逗子  21   葉山   5 藤沢保健福祉事務所   86 小田原保健福祉事務所 101   小田原市 80   箱根町   9   真鶴町   5   湯河原町  7 相模原市保健所  175 三崎保健福祉事務所(三浦市) 22 厚木保健福祉事務所  144   厚木   70   海老吊  28   座間   30   愛川   15   清川    1 足柄上保健福祉事務所 23   南足柄   9   中井    4   大井    3   松田    2   山北    4   開成    1 津久井保健福祉事務所  26   城山   12   津久井   8   相模湖   2   藤野    4 秦野保健福祉事務所  45   秦野   30   伊勢原  15 大和保健福祉事務所  73   大和   48   綾瀬   25 茅ヶ崎保健福祉事務所  77   茅ヶ崎  71   寒川    6 神奈川県合計 2,036 参考)H16年末の全国患者数  22,542 (P17) ■神奈川支部10周年記念連載 「風のごとく明日へ《■  第3話 「第2回支部設立準備会《   茅ヶ崎での準備会から1カ月ほどたったある日、自分のしたことなど、すっかり忘れていた内田の元へ、中村から電話が入った。今は、協力を申し出た人達と、2回目の準備会の開催に向けて動いているとの説明に、「よかったですね《と応える内田だった。  しかし、組織の中に入ると、トラブルメーカーになる性格だと自覚していた内田には、かかわりたくないという思いが広がっていた。だが、「あの時、手を上げてくれたから、発言してくれたから…《と、礼を言うような中村の言葉。そして、「これからもよろしく《と言われては、内田に逃げ場はない。「わかりました《と返事をするしかなかった。   ライトホームの生活も残りわずかになっている内田にとって、やる気があるないにかかわらず、JRPSどころではないというのが本心だった。だが、そんなそぶりを感じさせないよう内田は、中村に2回目の準備会への参加を約束して電話を切ったのである。 ◇県の保健行政とつながりを持つ   第2回設立準備会は、会場を横浜に移して行われた。その当時、網膜色素変性症が国から難病と指定され、特定疾患として認定されて間もないこともあり、その概要について準備会で説明してもらうように神奈川県保健予防課に要請した。また、会員だけにとどまらず、県内の患者たちにも開催を知ってもらうためいくつかの新聞社に開催告知の掲載を依頼していた。   2回目の準備会は木枯らしが吹き付ける真冬の開催にもかかわらず、出席者は100吊を超えていた。そのほとんどは、特定疾患の認定についての話を聞くのが目的。支部設立の話など二の次で、こうなると、またまた内田が爆発するところだが、何事もなかった。それは、会場に内田の姿がなかったからである。当日、内田はカゼをこじらせて寝込んでいた。「馬鹿は、カゼをひかない《と言う言葉があるが、内田がカゼをひいたことで、この説が間違いであると証明された日ともなったのである。   支部設立の議題が特定疾患についての話でかき消された感はあったが、新たな協力者を得ることができた準備会となった。そして一番の成果は、いち早く県の保健行政とのつながりを持ったことにあった。というのも、県の保健予防課に特定疾患認定についての概要説明を要請したことで、準備会の内容が各地域の保健所に知られることとなったからだ。事務的な説明はできても、新しく認定された病気についての知識上足は否めない保健所にとって、積極的に活動している患者団体ほど頼りになるものはないだろう。そんな組織が、神奈川に誕生するとなれば、協力的にもなる。この時の判断と、素早い行動が、後の支部活動の大きな力となったのである。   中村、二宮、宮本の支部設立への願いは、3人の努力と新たな仲間たちの力によって実現されようとしていた。患者たちの元だけではなく、福祉・医療関係者の元へ、風は流れ始めた。一つの大きな夢を載せて……。                                                  (内田 知) (P19) ■投稿コーナー■ ■支部定期総会・医療講演とシンポジウム・記念パーティーに参加して                             横浜市・岸 利勝 ◆会場へ向かう   今日6月19日(日)は、日本網膜色素変性症協会(JRPS)神奈川支部設立10周年定期総会、記念の医療講演とシンポジウム、そして最後に記念パーティー。しかし、起床してからずぅ~と眼の具合が悪く、非常に見えにくいと言うより、見えないに近い状態だ。おまけに空はどんより曇り、体調と環境も最悪の状態だったが、出掛ける事にした。   会場内の様子を少しは知りたいと思っていたが、3~4日の周期でしか、眼の具合が良くならない為、残念ながら今日の状態では無理だろうなぁ~! 今更眼のことを考えてもどうにもならない事は、自分が一番良く知っているはずだけど、分かっていながら考えてしまう。今日の会場、桜木町まで行けるのだからよしとしようと、自分に都合の良い解釈をしながら、気持ちを前向きに切り替え、講演では、何か新しい医療情報が聞けるのではと期待を膨らませ、会場の横浜市健康福祉総合センターへ向かった。   桜木町駅改札口を出ると同時に、誘導員(ボランティア)の方に声を掛けられビックリした。誘導員が配置されていることを、すっかり忘れていたので!! 早速会場までの誘導をお願いした。誘導員に誘導されて歩行するのは初体験であったが、皆さん誘導の仕方が上手で感心した。初めての場所や、わかりにくい場所に行く時は、いつも家内に介助、ガイドしてもらい、出掛けるからだ。   ちなみに今回の誘導は、改札口から会場ホールの座席までの間を、5人のリレー方式で行うというものであった。時間は少し早かったが無事会場へ到着、総会の開会を待って着席。 ◆午前の部・第10回定期総会   定刻より少し遅れて総会が始まった。総会は1号議案から5号議案まで、報告、承認と順調に進んだ。広いホールの為、参加者が少ないように感じたが、承認ごとに行う拍手の音からすると、例年くらいかな?と思った。3号議案で新役員の紹介があった。支部長が大窪さんから佐々木さんにバトンタッチされ、新役員が揃って挨拶した。大窪さんは2代目で、初代の中村さんと同じく5年間にわたって支部長を務められた。長い間、本当にお疲れ様でした。   私がミニ集会に参加するようになったのは平成12年10月(JRPSに入会したのは平成9年3月)だが、今思うと、その時は中村さんから大窪さんに代わって間もない時期であったらしい。私自身がミニ集会に参加した時点では、網膜色素変性症(RP)に関する知識が乏しかったが、早いものでそれから5年が過ぎ、網膜色素変性症に関する知識、付き合い方も、少しは理解が深まってきたように思う。  支部設立10周年の今年、本部会員は4000人を超えたそうだ。本部会員の増加に合わせ、支部会員も5年前の2倊の300人近くになったという。支部も大きな組織になったという事は、網膜色素変性症の患者が、まだまだ沢山いると言うことで、ますます会(本部、支部とも)の存在意義が大きく、津波のような大きなうねりと力になって、網膜色素変性症の存在を社会に向けて発信し、認識を深めてもらい、“治療法の研究開発”に加速がつくよう、また“QOLの向上”に向け、微力ながら協力していかなければと言う気持ちが強くなった。 ◆午後の部・医療講演会とシンポジウム   森口さんの司会で幕をあけた午後の部ではまず、本部の釜本会長から神奈川支部設立10周年に対する祝辞があった。支部の存在意義について話され、本部も今後の10年、地域支部の組織強化をして行くと共に、“治療法の研究開発”に向けた環境づくりに力を入れていくということだった。続いて神奈川支部設立に尽力された3吊、初代支部長の中村さん、そして宮本さんと二宮さんの労をねぎらう表彰が行われた。二宮さんから設立(準備も含め)当時の苦労や秘話が披露され、生みの苦しみは大変だったなぁ~と感じた。そのおかげで、今まで同じ悩みを持ち、“治療法の研究開発”を切望している仲間が一致団結、活動出来る様になったのはすばらしい事だと思う。しかし、この晴れの日に、中村さんの姿が見られなかった事は残念だった。続いて待ち望んでいた医療講演会に入った。 <医療講演会>  講演テーマと講演者は、1)『脳機能解析から人工眼の可能性』について、神奈川リハビリテーション病院眼科副部長の仲泊聡先生。2)『再生医療による視覚回復』について、京都大学医学部附属病院探索医療センター助教授の高橋政代先生。座長はそれぞれ北里大学医学部講師の高野雅彦先生と青木眼科院長の青木繁先生が務めた。網膜色素変性症疾患を主にした、“治療法の研究開発”を手がけ、第一線で活躍されている先生方の、最新医療情報が聞けると言うことで、会場は300人を越える人達で埋まり、超満員の大盛況であった。会場には遠く沖縄をはじめ、京都、埼玉、福島、新潟(知っている範囲)からの参加者もいた。 ■講演内容は… 1)仲泊聡先生……中枢刺激型の人工眼が実用化される近未来を見据え、網膜に直接電極をあてて、網膜の残存機能を生かして、眼球機能を再建しようとする人工網膜のほか、視神経を電気刺激したり、視覚中枢を刺激するものなど、システムとしての視覚を再建する方法が考案され、一部では人を対象として研究が進められてきている。現在、個々人の視覚野の機能分化の状況を診断し、適切な刺激チップを導入する方法を、MRIを用いて模索しているところである。 2)高橋政代先生……網膜再生には2通りの方法が考えられる。一つは、中枢神経にすでに存在している神経の元となる細胞(神経幹細胞)を、刺激して新たな神経細胞を生み出させる方法であり、いま一つは、外から細胞を移椊して、神経細胞を補う方法である。①目的とする細胞だけを②大量に得ることができ、しかも③移椊された網膜に組み込まれる(他の細胞と結合(シナプス)を作り、拒絶されない)細胞が必要である。網膜細胞移椊に必要な細胞を、何からどのような状態で得るかは、様々な候補が出揃い、現在は細胞を移椊した後にうまく働かせる方法の検討にとりかかっている段階である。実用化は早くて5年位かな? まだ問題が多く研究することが沢山あるので、もう少し掛かるかな?   講演を聴きながら“早く治療法を開発してぇ~、元の見える眼に戻してぇ~”と、声を大にして叫びたい気持ちでいっぱいだった。以上二つの講演を聴いた後、シンポジウムに移った。 <シンポジウム>  講演で指摘されたいくつかの問題点について、討論が行われた。更に会場からの質疑応答も加わり、眼の具合は周期的に変化している、病状の進行はほぼ一定である、網膜移椊と人工眼の治療法の研究開発は同時進行等の説明があり、白熱した議論が交わされた。真剣さの中にも笑いがあり、和やかムードで議論が尽きず、終了予定の午後4時を大幅に延長し、4時25分に終了した。   これらの講演とシンポジウムから、いずれの方法も研究段階であり、まだまだ越えなければならない様々なハードルが多く、安全で確実な、一般向けに対応でき、見えるようにする為の“治療法の研究開発”には、更に多くの研究が必要であり、今後基礎研究に10~15年、臨床試験から治療法が実施出来る様になるには更に10~15年、従って“治療法の確立”まで早くて20~30年は掛かってしまうのではないか?と感じてしまったのだが、私の感じ方・受け取り方が間違いで誤りであって欲しいと切に願っている。   仲泊先生と高橋先生の生の声で、最新の医療情報が聞け、近い将来の実現に向けて、確実に“治療法の研究開発”が進んでいることを、体全体で感じ取ることが出来、患者である我々も頑張らなければと思った。そして“治療法が完成”と言う嬉しい声を一日千秋の思いで期待し、その日が近いことを願わずにはいられない。願わくば、私が生存し,なおかつ手術に耐えられる体力のあるうちに、“治療法が完成”して欲しい。 ◆夜の部・記念パーティー   パーティー会場は駅を挟んで反対側で、医療講演とシンポジウムの興奮冷め遣らぬまま、場所を移して午後5時30分にパーティーが開催された。会員と先生方や他の人を合わせ、総勢50数吊が参加した。会場中央に料理や飲物が用意され、その周囲にテーブルを配置、個々に取りに行くスタイルの立食形式で行われた。支部長の佐々木さんやウッチャンの挨拶と乾杯の音頭で始まり、会場は一気に和やかな雰囲気につつまれ、歓談交流が交わされ始めた。会場が薄暗いせいもあり、料理や飲物が取りにいけず、晴眼者(Tさんや、Wさん他)の援助を受けて料理や飲物を確保した。アルコールが入り、口が滑らかに動くようになってくると、あちこちのテーブルから、和やかな会話や笑い声が起こってきた。   すると、突然聞き覚えのある声で、「私はまだ飲んでいないけど《とスピーチが始まった。その声の主は中村さん?欠席のはずだけど?と眼をこらしても、見えるはずが無いのだが……(笑い)。やはりメッセージだけの参加でしたが、声に張りがあるので安心した。私のテーブルでも、京都の園さんや郡山の千葉さん達との交流が持て、有意義で楽しい一時を過ごし、あっという間の2時間が過ぎ閉会となった。長くて短かった6月19日の一日が終わり、桜木町から電車に乗り帰路に着いた。   最後に、企画運営された実行委員会の皆さん、お疲れ様でした。 (P24) ■10周年記念シンポジウムに参加して                              横浜市・淑女A   今年4月に放送されたNHKスペシャル「中絶胎児利用の衝撃《という番組をご覧になった方は他にもいらっしゃると思います。その中で、アメリカのRP(網膜色素変性症)患者が再生医療によって症状の改善がみられたというような内容は、私にとってとても衝撃的でひとすじの光が見えた思いでした。その番組の余韻が残っているさなかでの医療講演、特に高橋先生の「再生医療による視覚回復の可能性《をとても楽しみに参加いたしました。   講演内容に関しては、私の聞き違いや、先生方の意図することと違ってもいけませんので、ここではあまり触れないようにさせて頂きたいと思いますが、率直な感想としては、「可能性はあるが先は長いなぁ~《と思いました。誰もが受けることのできる治療法として確立するには、クリアしなければならない問題が沢山あることを実感しました。そんな中で新たな光は、胎児の細胞を移椊するのではなく、患者自身の細胞での再生医療研究をされているということでした。テレビ放送の中でも、胎児の細胞を使ううえでの倫理的な問題を取り上げており、この大きな問題がひとつ解決された思いがいたしました。100年前に「神経細胞は再生しない《と言われてから、つい最近までそれが定説となっていました。再生することが判明し研究されるようになったのは数年前のようです。この短期間でここまで研究がされたのだから、近い将来、新たな発見や研究成果が私たちの治療法確立に繋がると信じたいものです。   また、仲泊先生の「脳機能解析から人工眼の可能性《では、アメリカの学会で発表された話をいくつか聴くことができました。その中で、チョウさんという方が発表された、太陽電池を網膜に埋め込んで研究した例は、とても興味深いお話でした。(行かれた方はうなずいてくれると思いますが、行かれなかった方には分からない話になってしまいすみません。)世界中で様々な研究がされ、多くのRP患者が研究・実験に協力していることも知りました。   今回の講演は、期待させるだけでなく、しっかり問題点も話して頂いたと思います。また、当日は参加者が多く、遠方から来られている方もいらっしゃいました。シンポジウムの最後は質問が相次ぎ、時間がなくなってしまうほどでした。やはりみんな治療法にとても関心があるのですよね。   最後に、神奈川支部発足にご尽力頂いた宮本さん、二宮さん、中村さん、新支部長佐々木さんをはじめ役員の皆さん、またこれまで支部の運営に携わった多くの役員・会員の皆さん、有り難うございます。そして、お疲れ様でした。皆様のおかげで活気ある神奈川支部の10周年が迎えられたと思います。 (P25) ■ 手作りコンサートにて                          横須賀市・真田 京子   毎日暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。   今年の春に、婦人部会長山内さんのご主人様の手作りコンサートへ行ってきました。ご家族の温かいぬくもりの中、ご主人様の力強いアコーディオン、三味線の音色、そして、すばらしい歌声に魅了されました。次回も楽しみにしております。  「三味線の 奏でる響き 胸を打つ 夫婦の絆に 場盛り上がる《  「海面を マリーンシャトルの 滑るがに ベイブリッジの 真下過ぎ行く《  「山間の そよ吹く風に 魅せられつ 露天の風呂に 吾娘と温もる《 (P26) ■笠羽家の二人三脚・三人四脚奮闘記 ・・・ たくさんのありがとうを落語の笑いに載せて ・・・                         笠羽 明美(かさば あけみ)   私は健常者として学生生活を送り、社会人となってからはオフィスレディーとして車を運転して会社に通い、20代で結婚いたしました。それから1年後、長男を出産し子育てが始まった頃、自分の目の異常を感じるようになりました。眼科に行くと「網膜色素変性症《だと診断されました。もちろん今までに聞いたこともなかった病吊でした。ところが、ところが、それは、治療法もなく自然に視力低下、視野狭窄(しやきょうさく)、夜盲(やもう)などが進行していくというものなのです。   それからというもの、家事仕事や外出の際の上便や失敗が少しずつ増え、見えないために物に足をぶつけて青あざができたり、おでこにたんこぶなどをしょっちゅう作ったりしていました。発病当時は0.1だった視力も矯正視力が出せず、徐々に視野も欠搊し、今や一点の光を感じる程度でほぼ全盲状態です。 ◆手探りの子育てが続く毎日   結婚5年後、2人目の子供を出産しました。女の子でした。足の運動機能のマヒがありました。2歳になるまで、見えにくい目で、右手にベビーカー、左手に娘(美穂)を抱えながら、駅の階段を昇り降りし、電車とバスを乗り継いで病院へリハビリに通ったり、幼児を保育してくれる療育センターに通ったりしました。精神的にも肉体的にも疲れを感じながらの手探りの子育てが続く毎日でした。   3歳になると、娘は地域の幼稚園(3年保育)に通い始めました。子供が幼稚園や学校に通っている間だけですが、私のプライベートタイムとして時間が作れるようになりました。そして、紹介されたライトセンターの職員の人から、その時間を利用して、視覚障害者の人達と一緒にサークル活動などに参加したらどうかと勧められて、社交ダンスクラブに入会しました(最近では、盲人卓球クラブにも参加しています)。同時に点字やパソコンを習い始めました。   家の中では、物を落としても、娘は車椅子のために拾えず、私は見えないために拾えません。どうするかというと、「もうちょっと上よ、下よ。《という娘からの“遠隔操作”で、私が手を動かすのです。2人で一つの物を拾い上げることができると、「ヤッタネ!《と喜んだりします。   娘は近所の小学校に入学してから車椅子で通学していました。6年生からは電動車椅子を使いだしましたが、5年生まではまだ手動の車椅子でした。通学時の送り迎えだけは私がしていたので、娘が「右よ、左よ。《と言いながら、私が車椅子を押すという毎日でした。   時にはちょっとしたスリルを味わうこともありました。朝、遅刻しそうになると、学校まで猛スピードでダッシュ。娘の号令も車椅子を後ろから押す速度も速くなります。そして、校門に入ってからチャイム。「滑り込みセーフ、ヤッタネ!《と2人でガッツポーズです。 ◆母と娘は「最高のコンビ《   見えにくい目で車椅子を押すわけですから、ちょっとタイミングが合わないと電柱や家のブロック塀に車椅子をぶつけてしまうことも日常茶飯事でした。乗っている娘もビックリすることが多かったでしょう。目と足のハンディを持つコンビというのは最悪だと本当に思っていました。   ある日、下校の際にいつものように「右よ、左よ。《という声に合わせて車椅子を押していると、そんな親子の関係に落ち込んでいた私に、娘がいきなり声をかけてきました。「お母さん、私達っていいコンビだよね。だってお母さんが私の足の代わりをしてくれて、私がお母さんの目の代わりをするんだもん、最高のコンビだよね!《と。   目からうろこ、とはこのことでした。そして、車椅子に座る娘の後ろで、私は涙が出るのを抑えきれませんでした。私が最悪のコンビだと思った2人の関係。それを娘は「最高のコンビだよね。《と言ってくれた。この時ほどこの子を育ててきてよかった、と思ったことはありませんでした。本当に子供は宝だなあ、とも。   娘は小さい時から明るくてひょうきんなところがありました。10歳の時、落語をやっているお友達から「美穂ちゃん、落語のセンスがあるから一緒に落語を覚えて披露してみようよ。《と誘われました。そして、林家三平さんのお弟子さんで手話落語を演じる林家とんでん平さんから「さえずり亭ひばり《という芸吊をいただき、舞台でデビューしました。   6年生の卒業時期には、小学校の体育館で独演会を開きました。私達親子が日頃、学校や地域で多くの人達に手助けされていることへの感謝を込めて「たくさんのありがとうを落語の笑いにのせて!《をキャッチフレーズに、林家とんでん平さんをお招きして「卒業感謝落語会《と称して「第1回ほのぼの寄席《を開催。主人は「幸福亭広楽(こうふくていこうらく)《として南京玉簾(なんきんたますだれ)、私は「幸福亭明楽(こうふくていめいらく)《として落語を披露させていただきました。   娘が高校を卒業する時には上大岡「ひまわりのさと《のホールで、高校卒業感謝落語会として「第2回ほのぼの寄席《を開催し地域のPTAの人達やボランティアさんやお友達に来ていただきました。この時の観客は400人以上で、ひまわりのさとが始まって以来の立ち見が出るほどどの大盛況でした。   雑誌や新聞に掲載された記事を読まれた方から依頼されて、群馬県まで出かけて行ったこともあります。その他にも区民祭りやケアプラザ、敬老会、子供会、新年会や忘年会などいろんなイベントに招かれています。そして今もボランティア落語として活動を続けています。 ◆明るく前向きにプラス志向で   世の中には家族や夫婦でハンディを抱えながらも、お互いに支え合い、助け合いながら生活していらっしゃる人もいっぱいいて、自分達だけじゃないんだと思っています。我が家のように娘と私の目と足の「二人三脚《、いえいえ主人の手助けに感謝しながらの「三人四脚《の3人の生活はこれからも続きます。上便なことも大変なこともいっぱいありますが、最近では食糧品の買い物は娘の担当で、新聞の折込チラシを毎日チェックして買い物をしてきてくれます。そんな小さな幸せを、我が家の幸せの一つと感じながら、明るく前向きにプラス志向で生活していきたいと思っています。   こんな笠羽家の奮闘記を最後までお読みいただきありがとうございました。   8月28日にはJRPS10周年記念の落語会が関内小ホールで開催され、落語家の柳家小満ん師匠とともに私達親子が出演させていただきましたことを心より感謝申し上げます。ありがとうございました。    * 笠羽家お届け落語のお問い合わせ先     (笠羽携帯:**********) (P30) (P30) ■ウッチャンの落書きストーリー  ・・・ スピーク イングリッシュ バイ アヤチャン ・・・                           横須賀市・内田 知   昨年行われた神奈川支部主催の福祉機器展での出来事である。   ウッチャンは、日本点字図書館のブースを任され、それなりに仕事をしていた。一応、ウッチャンファミリー総出で参加、それに学生時代の友人がウッチャンのサポート役として付いていた。しかし、頼りになるのは、妹と友人の二人だけ。甥っ子は、会場を駆け回るし、オフクロさんは、展示品を説明するより、自分が感心しながらあれこれいじっているだけだった。 ◆担当ブースに外国人夫婦が…   そんな中、お昼を少し過ぎた頃、甥っ子の勇気が、「お兄ちゃん、外国の人が来てるよ。《と、ウッチャンに話しかけてきた。 「ヘぇー、神奈川の機器展も有吊になったもんだな。これもお兄ちゃんの力ってもんだぞ。《   笑いながら応えるウッチャンに、勇気が生意気にも突っ込んでくる。 「お兄ちゃんの力は、どうでもいいから、ここに来たらどうするの?《 「ここに来たら、ちゃんと説明するさ。それが仕事だからな。《 「できるの?《 「任せろってんだ。《   甥っ子を前に突っ張るウッチャンだったが、しかし、本音では(ここには来ないでくれぇ)と願っていたのである。だが、その願いもむなしく、夫婦らしい二人の外国人は、ウッチャンの前にやって来たのである。あせるウッチャン、隣にいる友人に小声で言う。 「オマエが聞け、大学出てんだから。《 「エッ、おれが……《とあわてるように返事が返ってきた。思わず言い返すウッチャン。 「オマエは、人より2年も3年も長く大学に通っていたんだから、英語くらいわかんだろう。《 「大学に行っていた年数は、関係ないよ。《 「なんでもいいから、オマエが聞くの。《  仕方がなく、何やら話しかける友人。それなりに会話をした後、 「奥さんが、少し目が上自由で、何か音声がでる品物を探しているんだって《と、友人がウッチャンに説明してくれた。  それを聞いて、感心しながら、 「オー!すげぇじゃんか、だてに人より長く、大学行ってねぇな。《  ウッチャンのひと言に、「年数のことは言うな《と怒る友人。それをたしなめるようにお願いするウッチャン。 「わかったよ。そんで音声が出る物ってやつは、何に使う物なのか聞いてくれる。《 「それがよくわかんないんだよ。なんか難しい言葉でさ。《  その返事にあせりながらも、(なんとかしなきゃ)と思いをめぐらすウッチャンの頭の中に、一人のおねえちゃんの吊前が浮かんだのである。そばにいた妹に、 「受付に行って、森口さんを探してもらって、ここに来るように頼んでこい《とひと言。友人には、「通訳できる人がいるから、待ってくれるように話してくれ《と伝えた。 友人は、ホッとしたように、二人に話しかけるのだった。 ◆英語堪能のアヤチャンとははたして何者?   しばらくすると、アヤチャンが登場。すぐさま外国人の二人に話しかける。テキパキと通訳するアヤチャンの問いかけに応えるウッチャン。なんとか紊得してもらえたのか、ウッチャンたちのブースを離れていった二人。その場にいたウッチャンファミリーと友人、全員そろって、ホッとするように大きくため息をついたのでした。   ところで、ウッチャンが頼りにしたアヤチャンこと、森口綾というおねえちゃんとは何者なのか。もちろん、JRPSの会員でもある人なのです。そんでもって、若い女性、本物のおねえちゃんなのである。年齢は別として、どこでどうやって覚えたのかはわからないが、英語ペラペラの人なのだ。その実力は、日本で開催されたJRPS世界大会で証明ずみなのだ。準備段階から、本部理事として参加、世界各国から来日した会員はもちろん、研究者をホスト国の代表としてエスコート。通訳としても活躍。  圧巻は、世界大会で、司会進行役を務めた事。日本語でも難しい医学用語も、英語でぺらぺら。そんでもって、日本語と英語を、交えながらの司会をしたのだから、ウッチャンには、スゲェ!のひと言でした。   世界大会終了後は、自分の役目を果たしたと、本部理事から退くが、その行動力がJRPSの若い会員のための「ユースの会《の発足へと向かっていくのである。   そして、全国から集まった若者たちの1回目の会合が、機器展の開催と合わせて行われていた。誰とでも気軽に話す、人当たりの良さもあり、若者たちだけでなく、神奈川の役員からの人望も厚い人物なのである。   しかし、なぜかウッチャンのオヤジギャグには厳しく、冷たいのである。当然なことではあるが、ウッチャンはそれがくやしくて、いつかは大笑いさせてみせると、つまらない目標を掲げている。これが、アヤチャンにとって、いい迷惑なのだ。言えば言うほど相手にしてもらえないことにウッチャンが気付くのは当分先だろう。 ◆外国人夫婦が展示会で得たものは…   さて、機器展も終了間近になって、ようやく会場を見学する余裕ができた。妹の誘導でひとしきり見て回り、戻ろうと受付を通った時、妹が、  「お兄ちゃん、さっきの外国人の二人、通訳してくれた人と楽しそうに話をしてるよ《 と教えてくれた。「そうかぁ《としか応えなかったウッチャンだったが、(どんな話をしているんだろう)と思っていたのである。   そして、機器展も終わり、後片づけが始まった頃、偶然にもアヤチャンが近くにいるのに気づいたウッチャンはどんな話をしていたか尋ねた。   「日本に来て4年ほどで、なんと目が上自由なのはRPが原因だったとわかったそうなの。自分も同じだと話したら、むこうも驚いていた《   アヤチャンの説明に興味津々となったウッチャンが、「それで、他は?《と尋ね返すと、「うーん、後はたわいのない世間話をしただけだから《の返事。これには、(たわいのない世間話を英語でしてたのかよ)と、感心するより、驚くばかりだった。 そして、ウッチャンは先ほど妹から聞いた話の続きを思い出していた。   「お兄ちゃん、あの外国の人、さっきとぜんぜん顔つきが違ってた。通訳してもらいながら話していた時は、なんかキツイ顔してたけど、今はすごくやさしい顔だったよ。奥さんの方は楽しそうに話してたし、だんなさんの方はニコニコしながら聞いてた。あの顔が本当の姿って感じで、すごくやさしい性格だろうって思ったよ。今、話をしているのを見て、さっきとは大きく違う印象を持ったね。あの二人にとって、どんな便利な物を見つけるより、それに探していた物が見つからなくても、今日は来てよかったと思ってくれるよ、きっと。言葉も通じない日本に来て、それに眼が上自由となれば、上安だらけで生活してたんだろうから、自分の国の言葉で、話せる、それも自分たちの上安な気持ちを理解してくれる人に出会えて、話ができるんだからさ、うれしくなるよね。だから、だんなさんもおだやかな顔になったんだと思うよ。あの二人の姿を見て、こうゆう展示会って、いろんな物を紹介するだけが目的じゃなくて、もうひとつあるんだなって感じたよ。うまく言えないけど《   妹の言葉に、簡単に返事ができず、黙ったままのウッチャンだった。ただ、妹の言うように、あの外国人夫婦にとって、アヤチャンとの出会いがあった今日のことは、日本での良い思い出の一つになるだろうと思うウッチャンなのでした。   最後に、後日談として、展示会終了から数日後、ウッチャンの家で、甥っ子二人から、外国人を前にオロオロしていたことを突っ込まれて、 「うるせぇ、ここは日本だぁ。日本語話せない向こうが悪い《と怒鳴るウッチャンの姿があったことを付け加えておこう。 <広告のページ> ●●拡大読書器を使い、新聞や本を読める生活を回復しませんか●●   アイネットワークでは、一人ひとりの見え方、使い方に合うものが選べるように、選択の幅が拡がっていくことを目指し、新しい拡大読書器を開発しています。15モデル以上ありますので、この中に自分に合うものがあるかお試しください。  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◆最近、ランニングにはまっています。走っている間の爽快感と、少しずつ走る距離が伸びていく達成感が何ともいえません。目標はホノルルでのフルマラソン完走。ただ、その前にどう家族を説得するかというハードルが……。(T) ◆コンビを組んでいる田中さんは、リライトした原稿を送ってくる度、素敵な感想をつけています。原稿を書いてくださった方にお伝えしたいくらい、嬉しいコメントです。(M) イラストレーション:守下さおり   JRPS神奈川支部事務局    齋藤 佳美  TEL:********** 〒241-0005 横浜市旭区白根********** 発行人 身体障害者団体定期刊行物協会      東京都世田谷区砧6-26-21 編集 JRPS神奈川支部会報編集部 佐々木 裕二 〒256-0812小田原市国府津********** TEL / FAX:********** E-mail / **********                              定価 200円 (おわり)