眼の障害認定基準一部改正のご案内

◆日本年金機構の案内ページ:https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202111/shougainintei.html#CONT

 ◆改正案内リーフレット(PDFファイル)

 ●改正案内リーフレットのテキスト

 音声ユーザーのためにPDFファイルの、テキスト部分を抽出したものをご案内します。
 グラフや図の部分は割愛していますので、ご了承ください。

障害年金に関するお知らせ

国民年金・厚生年金保険
令和4年1月1日から「眼の障害」の認定基準を一部改正します
改正のポイント
@視力障害の認定基準を改正します。
 良い方の眼の視力に応じて適正に評価できるよう、「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」による認定基準に変更します。
A視野障害の認定基準を改正します。
 これまでのゴールドマン型視野計に基づく認定基準に加えて、現在広く普及している自動視野計に基づく認定基準も創設します。
 求心性視野狭窄や輪状暗点といった症状による限定をやめて、測定数値により障害等級を認定するよう変更します。
 自動視野計の導入に伴い、ゴールドマン型視野計に基づく認定基準の整理を行うとともに、視野障害をより総合的に評価できるよう、視野障害についても1級及び3級の認定基準を規定します。

 眼の障害で2級または3級の障害年金を受給されている方は、今回の改正によって障害等級が上がり、障害年金の金額が増額となる可能性があります。障害等級が上がる可能性がある方は、額改定請求の手続きをお願いいたします。
※ 額改定請求の詳細については、額改定請求のご案内をご覧ください。
 なお、今回の改正によって、障害等級が下がることはありません。
*眼の障害で障害手当金を受け取られた方で、今回の改正によって3級の障害等級に該当することになる方は障害年金を受給できる場合があります。詳しくは、お近くの年金事務所や年金相談センターまでお問い合わせください。
お問い合わせは、お近くの年金事務所や年金相談センターまでお願いいたします。
【年金事務所や年金相談センターの所在地】
 https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html

●1.視力障害の認定基準の改正について
 良い方の眼の視力に応じて適正に評価できるよう、「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」による認定基準に変更します。
※改正前の基準より等級が下がるケースが生じないよう、具体的な基準を設定しています。

改正前
良い方の眼の視力は悪いが、両眼の視力の和が大きい場合、等級が 低くなる(紫囲い部分)
改正後
良い方の眼の視力に応じて適正に評価できるようになる(赤囲い部分)
 (図省略)

●改正後の視力障害の認定基準
等級
障害の状態
1級
・視力の良い方の眼の視力が0.03以下のもの
・視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
2級
・視力の良い方の眼の視力が0.07以下のもの
・視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
3級
・視力の良い方の眼の視力が0.1以下のもの
障害手当金
・視力の良い方の眼の視力が0.6以下のもの

・一眼の視力が0.1以下のもの

●2.視野障害の認定基準の改正について
1)自動視野計に基づく認定基準の創設
 これまでのゴールドマン型視野計に基づく認定基準に加えて、現在広く普及している自動視野計に基づく認定基準も創設します。
 自動視野計による等級判定では、両眼開放エスターマンテストで測定した「両眼開放視認点数」と、10ー2プログラムで測定した「両眼中心視野視認点数」によって判定を行います。

【両眼開放エスターマンテスト】
 生活不自由度を評価するために開発されたプログラム。
 両眼を開けた状態で検査。
 日常生活に重要な領域(中心 30度と下半分)を中心に、120点の測定点を配置。
 120点の測定点のうち、認識できた点の数(両眼開放視認点数)で判定。
 ※点数が大きいほど視野が大きい。

【10−2プログラム】
 中心部を検査する場合に用いられるプログラム。
 片眼ずつ検査。
 視野角度10度以内の狭い視野の中心範囲に2度の間隔で68点の測定点を上下左右対称に配置。
 68点の測定点のうち、認識できた点の数(両眼中心視野視認点数)で判定。
 ※点数が大きいほど視野が大きい。

2)ゴールドマン型視野計に基づく認定基準の整理 
 自動視野計の導入に伴って、ゴールドマン型視野計に基づく認定基準の整理を行い、周辺視野(T/4視標)で測定した「周辺視野角度の和」と、中心視野(T/2視標)で測定した「両眼中心視野角度」によって等級判定を行うこととします。
※改正前の基準より等級が下がるケースが生じないよう、具体的な基準を設定しています。

3)多様な症状に対応した認定基準への変更
 求心性視野狭窄や輪状暗点といった症状による限定をやめて、測定数値により障害等級を認定するよう変更します。この変更によって、多様な症状に対応した障害認定が可能になります。

◎視野障害の種類
(ここは図です)
※赤囲い部分:視野
※T/4視標(周辺視野)
【求心性視野狭窄】
視野の周辺部分から欠損が始まり、見えない部分が中心部に向かって進行 するもの
【輪状暗点】
中心視野と周辺視野は保たれるが、中間部分が障害されるもの
【中心暗点】【不規則性視野狭窄】
中心部に暗点がある視野の一部分が不規則なもの形で狭くなるもの
(図終わり)

●改正後の視野障害の認定基準
◎自動視野計に基づく認定基準

等級
障害の状態
1級
 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が 20点以下のもの
2級
 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が 40点以下のもの
3級
 両眼開放視認点数が70点以下のもの
障害手当金
 両眼開放視認点数が100点以下のもの
 両眼中心視野視認点数が40点以下のもの

◎ゴールドマン型視野計に基づく認定基準
等級
障害の状態
1級
 両眼のT/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ 80度以下かつ T/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの
2級
 両眼のT/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつT/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
 求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、T/2の視標で両眼の視野がそれぞれ5度以内におさまるもの
  ※ 改正前の基準の範囲を改正後もカバーできるよう存置した基準
3級
 両眼のT/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下のもの
障害手当金
 T/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
 両眼による視野が2分の1以上欠損したもの